「……ランサーがキャスターで私も、キャスター…」 そう呟いて先ほど召喚された##name_2####name_1##と名乗ったサーヴァントは混乱しているように頭を傾げた。 キャスタークラスであるクーフーリンがその##name_1##に簡単に説明してやると、確かに##name_1##は頷いたのだが、その表情は納得してはいなかった。 「ところで二人は知り合いなの?」 「知り合いって言うか…まあ、知り合いだな。ある時間軸で色々とな。まあ嬢ちゃんには色々と世話になった仲だがまさか嬢ちゃんがサーヴァントとして召喚されるとはな」 「…まだ、少し状況がわからないけど、よろしくねマスター。……なんだか不思議な気分ね、元は私がマスターって呼ばれていたのに今度は私が呼ぶ側だなんて」 「なんかわからねえことがあれば聞いてくれ、嬢ちゃんと俺の仲だしよ」 「仲が良いんだ」 「悪くはないな、色々とあったしな」 「そうだね」 それから暫くはキャスタークラスのクーと##name_1##は行動を一緒にしては色々と教え、今の状況や##name_1##自身の能力の把握をしてマスターに報告をする。 ##name_1##自身のスペックは高く、少し教えればすぐさま扱えるようになり、そして次第に増える仲間とも打ち解けていた。 ただ、クーフーリンが複数いることには驚いたらしく、プロトや##name_1##の知るランサーにも会うたびに驚いてどう呼べばいいのか一人で悩んでいた。 「あ、」 「…んな………なんで君がここにいる!」 赤い外套のアーチャーはキャスタークラスのクーフーリンの隣に居た##name_1##を見るなりすさまじい形相で##name_1##に詰め寄る。 その行動にはマスターも驚いたが##name_1##はそれ以上に驚き、そして恐かったことだろう。隣にいたクーだけではなくマスターの耳にまで##name_1##の「ひい!」という悲鳴が聞こえたのだ。普段そんな悲鳴を漏らす事のない##name_1##が「ひい」というのだから、当の##name_1##にしたらどれほどの事か。 「あ、アーチャー…私が、わかる、の?」 「わかるもなにも、君は君だろう!?私が聞いているのはどうして君がここにいるか、だ!君は私が知る限り英霊になりえることはないはずだ!!」 「アーチャー落ち着いて、##name_1##にも喋らせてやって」 「おー過保護爆発か?」 「…ランサー、ではないのか」 「クラスはな。まあランサーの俺もいるし、追々ってやつだ。マスター、コイツもまだ状況が把握できていないと見た」 「え、ああ…」 「おい弓兵、いろんな疑問に俺が答えてやるよ。嬢ちゃんの事もあるしな。マスター、コイツ借りていくぜ」 「ということだな、ざっと言えば」 「…だからと言ってどうして##name_1##がキャスターに」 「私もそう思う…でもね、」 「でもじゃない!どうして…君が英霊に」 「……たぶん、私が最後の##name_2##家の一人だからだと思う」 「……」 「士郎くんがもらってくれないから、仕方ないよね」 「おい嬢ちゃん、それは弓兵にとって地雷もイイ所だぞ、わかってんのか?」 「あ、ごめん…冗談のつもりだったんだけど…ごめんね?」 恐らく英霊という存在でいえば##name_1##が一番幼いだろう。赤い外套のアーチャー、エミヤシロウよりも幼い。彼が英霊になる時間軸では##name_1##の方が後に死を迎え、そうでなくても##name_1##にとって死は彼ほど近くはなかった。 そして本来であれば##name_1##が英霊になるということはありえない事だ。それは##name_1##も思いもよらない事であったであろうし、なによりエミヤシロウにとっては有ってはいけない事だった。 「ついでに言っておくがここじゃ真名は隠していねえからな、クラスなんぞ被りに被っているからな」 「………」 「私とクーも同じキャスターだしね」 「クーだと!?」 「んだよ」 「じゃあアーチャーじゃなくて、エミヤシロウ…シロウくん?」 「!」 「そこはエミヤかシロウでいいんじゃねえか?まあ##name_1##にとってはシロウくん、の方がしっくりくるか」 うん。と何の気なしに返事をする##name_1##。 ##name_1##にとっては今の状況は恐らく大きな意味の特異点であり、そしてここ以外にはありえない存在である。本来であれば英霊にならない存在であり、血を絶えさせてはいけないのだ。その家の最後というのが本来あってはいけない事なのだ。 「…##name_1##姉さん」 「わ、姉さんだって。私シロウくんのお姉さんに見えるかな」 「どちらかと言えば弟の方が上に見えるな」 「んー、じゃあ##name_1##さんは?」 「呼び捨てでいいんじゃねえの?」 「じゃあ私もシロウって呼んだ方がいいのかな…あ、エミヤ…うーん」 「人が黙っていれば好きなように…少し抵抗はあるが##name_1##、と呼ばせてもらおう。私の事は好きに呼んでくれ」 「エミヤ」 「貴様には言っていないんだが」 「言っただろ、ここじゃクラスはクラスでしかないんだ。##name_1##の嬢ちゃんだって真名呼びだ。まあ##name_1##とお前は特殊だから誰も知らんがな。ついでに俺は複数クラスもってるから複数いるぞ」 「そうそう。ランサーのクーと、若いランサークーと、バーサーカーもいるんだって」 「ちなみに俺はキャスターで##name_1##の先生みたいなもんだ」 「私にルーンの素質があれば…」 「落ち言うなよ…」 みたいな! |