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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「実はオレ、あの時の人見えなかったんです」
「はあ!?」
「え、あんなに見た目普通の人類だったあの人ですよね?」

USB事件と誰が名づけたかはわからないが、あの一件についてレオが告白する。
レオには神々の義眼と言うものが備わっているにもかかわらず、その人間を逃したのだ。
それがもし、ザップやツェッドだけであったならまだスティーブンにグチグチ言われただけかもしれないが、神々の義眼をもってして逃したのだ。スティーブンの嫌味にも磨きがかかるというものだ。

「つうか、それなんでスターフェイズさんの前で言わねェんだよ」
「言える雰囲気じゃなかったんですよ…」
「でも神々の義眼で見えないモノって、一体なんでしょうね」
「あれ以来あのガキに関する仕事はねえからな」

差し入れで貰ったクッキーを口に投げ入れるザップ。
その人間、ザップの言葉を借りるならガキは事件以来なりを潜めるということはなく、相変わらずその存在を消えない程度に浮上させている。
情報屋とでもいうのだろうか。マフィアが情報を金さえ出し惜しみしなければそれ以上の情報を与えるし、少額ならそれなりの情報を与える。いえばその道のプロのようだった。
ただ基本的にはネットを介しての接触であり、それに関してリアルで接触するとなると言えばガキの姿の運び屋(仮)が出てきてはやり取りをしているらしい。
その件で手に入れられた情報屋の写真がどれもUSB事件のガキだった。

「そもそも神々の義眼で見えないものってあるんでしょうか」
「ないんじゃね」
「じゃあ、その人は…」
「違ぇよ。見えないものがないんじゃなくて、そこにないんじゃねえかってことだ」
「…まったまた。それじゃああの人が幽霊みたいじゃないですか」
「………そーだな。ねえな、それ」
「そうですよ、そんな幽霊だなんて」

非日常が日常であるが故に、オカルトさえもあり得るが、それはないと否定する三人。
そのうちの一人が半漁人であっても、血を操る存在が二人いても、神々の義眼といわれるものを持っていても幽霊はいないと否定する。
吸血鬼はいるが幽霊はいない。見た事がなければいると証明できた人間もいないからだ。

「ね、それって人狼なんじゃない?」
「あ、チェインさん」
「レオに見えないっていうのはわからないけど、もしかしたら人狼かも。それも結構な技術持ちっていうか」
「それだと確かにあの車の一件も納得できますね…」
「普通ならそこまで薄くしちゃうと存在も消えちゃうから、凄い人狼かもね」

いつの間にかふらりとレオの頭の上にいるチェイン。それも誰もが馴れたもので、誰もそれに付いて何がいう事もない。あるとすれば犬猿の仲であるザップが吠えるくらいだろう。