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「#オリジナル」のBL小説を読む
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「………」
「………」
「…ど、どちら、様…?」

大きな屋敷だった。大きな、とはその周りの家に対して大きいという表現である。
HLでは絶対に見ないであろう建造物。恐らく日本古来の屋敷だろう。
レオから教えてもらった##name_1##の住所を頼りにやって来て、呼び鈴を押してみると小柄な青年、いやもしかしたら少年がキョトンとした顔をしている。

「…あー、えっと##name_1##は居るかな」
「##name_1##姉ちゃ…##name_1##さんの知り合い…?」
「ああ、そうなんだ」
「お名前は?」
「スティーブン・A・スターフェイズ。彼はクラウス・V・ラインヘルツ、その執事のギルベルト・F・アルトシュタイン」
「今呼んできます」

##name_1##姉ちゃーん。と少年は屋敷の奥へと姿を消す。
##name_1##を姉と呼ぶので弟かと思ったが、そういえば彼女に兄弟はいないと本人が言っていたような気がする。では親戚関係だろうか。

『スティーブン、##name_1##は』
『今あの少年が呼びに行ったよ。それにしても日本は平和だね、開けっ放しだ』
『##name_1##様が穏やかなのは、きっとこのような環境でお育ちだからなのでしょうね』
『穏やかねえ…』

しばらく待つと、庭へ続くと思われる屋敷の隅から##name_1##がひょこっりと顔を覗かせる。その姿は庭で何か作業をしていたのか、泥に汚れて、そして首にはタオルが巻かれている。

「え、ラインヘルツさんとスターフェイズさん…それにギルベルトさんまで…」
『やあ##name_1##。久しぶりだね』
『突然の訪問でビックリしただろう、申し訳ない…』
『お久しぶりでございます、##name_1##様』
『こ、こちらこそ帰国の折に挨拶もいたしませんで…申し訳なく…』
「##name_1##姉ちゃん、上がってもらいなよ。あと着替えてさ」
『##name_1##、彼は?』
『ああ、シロウ・エミヤ。私の友人です。今日庭の植物の手入れの手伝いをしてもらっていて…すみません、どうぞおあがりください。狭い家ですが』「士郎くん、ちょっと休憩にしようか」

すみません。とまた謝る##name_1##。
その##name_1##が屋敷に招いてくれ、慣れない靴を脱ぐという行為をしてスリッパに履きかえる。
廊下を歩くとガラス張りのそこからは綺麗な日本庭園が見え、今##name_1##と士郎が作業をしていたであろう区画が土の色をしているのが見える。

『美しい庭だ』
『ありがとうございます。一人で作業するのが大変で、業者さんにお願いするんです』
『今は何を?』
『傷んでいた枝を切っていました。転んで泥がついてしまいましたけど』
「##name_1##姉ちゃん、紅茶がいいかな」
「私がするから…」
「姉ちゃんは着替えて来いよ、泥だらけすぎるだろ」
『彼はなんと?』
『##name_1##に着替えて来いってさ』

そのまま##name_1##は『着替えて…きます』と申し訳なさそうにしながら逃げる様にして姿をけす。
残った士郎がそのまま客間に案内してくれ、その客間は日本と言うより洋風とであった。
恐らく日本人ではないライブラに気を使い、この様にテーブルとイスというをの選択してくれたのだろう。確かに日本式の客間は西洋人には不向きである。

「紅茶でいいですか?」
「ああ…」
『スティーブン』
『彼が紅茶を淹れてくれるそうだ』
「どうかしましたか?」
「いや、彼がどうしたのかって」
「そうですか。俺も英語が上手く喋れたらいいんですけど…スターフェイズ、さんは日本語お上手ですね」
「仕事がらね。君は##name_1##と仲がいいの?」
「姉みたいなものです。小さい頃から色々世話になってて」

ふうん。と適当に相槌を打つスティーブン。クラウスが気にしていた様なので『##name_1##に小さい頃から世話になっているそうだ』と伝える。

「どちらから来られたんですか?」
「HLだよ」
「ああ、この前##name_1##姉ちゃんが行ってた…ってことは、その関係で?」
「そんな所かな」
『お待たせして申し訳ありません、』「士郎くん、ありがとう。休憩してて」
「ああ」

急いで着替えてきたのだろう、少し髪に乱れが残っている##name_1##がまた申し訳なさそうにして部屋に入ってきた。先ほどとは違い、普段着ているであろう服装になっている。
そのまま士郎には休憩と言って部屋から出てもらい、その士郎が淹れた紅茶は静かに湯気を揺らしている。

『…あの、急に冬木に来られたのは……』
『実は仕事の件で』
『お仕事、ですか?』
『僕はね。それで単刀直入に言うと、ライブラのスポンサーになってもらいたいんだ』
『スポンサー、ですか?でもそんな資産は…』
『ああ、それは気にしないでくれて良い。名前を出したいんだ、君の##name_2##という家のね』
『……##name_2##に、そんな価値があるとは』
『ある。BBさえも己の支配下における君の能力は何より強い。出資よりも君が僕らに協力しているという事実が必要なんだ』


という後日談を途中まで考えて挫折した。