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「#幼馴染」のBL小説を読む
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##name_1##さんの友達が帰国して数日。
ここHLで平穏な日なんてものはないけど、##name_1##さんにしてみれば友達が来てくれて大学の勉強も出来て良い日だったのかもしれない。友達の事は置いておいて。
##name_1##さんは##name_1##さんらしくいい友達がいて、きっといい両親なんだろうな。

と、思っていたわけだ。


「エイブラムスの、おじさま…?」
「おお!##name_1##じゃないか。どうしてHLに?にしても大きくなったなー最後に会ったのは小学生の時か?いやー綺麗になったな##name_1##!ははは!」
「最後に会ったのは中学の時、それも卒業式の時です。身長は変わってません」
「そうか?じゃあ小さい時の記憶のままで止まっていた!いやー母親に似てきたな!」
「おじさまはお変わりないですね…」
「あの、お二人はお知り合いで?」
「ああ、##name_1##の父親とはちょっとした知り合いでな。ここに居ると言う事は##name_1##の能力は知っているんだろう?それで、だな」

いやーはっは。と豪快に笑うエイブラムスさんに対して##name_1##さんは引きながら愛想笑いをしているし、その周りは戦々恐々としている。
##name_1##さんが休暇という名の大学の勉強と友人関係からの休みから復帰した日の朝、事件がやってきた。事件と言うのはお察しの通りエイブラムスさんである。
そのエイブラムスさんを出社直後に見た##name_1##さんが冒頭である。
エイブラムスさんは周りを気にする様子なく##name_1##さんを可愛がり、頭を撫でるや腹は減ってないかとか、それこそ親戚のおじさんだ。

「あの、どうしておじさまが。ここに?」
「俺を誰だと思っている。吸血鬼対策専門家だぞ?それよりも##name_1##がどうしてここにいるんだ?」
「要所要所を掻い摘んで簡潔に話すと、日本に居た私はスカウトという名の誘拐にあいまして今現在ライブラとHLの大学に通う学生の二足のわらじを履いている状態ですエイブラムスのおじさま」
「なにぃ!!?クラウス、それは本当なのか!」
「か、彼女はスティーブンがスカウトをして、ライブラに」

あ、これはスティーブンさん死亡フラグか?と思ってスティーブンさんを見ると顔色が悪い。
あの可愛がりようを見ればエイブラムスさんが##name_1##さんを猫かわいがり、いや溺愛しているのはもうわかりきっている。ついでにエイブラムスさんが来た時点でザップさんはすでに逃走しているのでカウントはしていない。ついでにツェッドさんは呑気に「##name_1##さんとエイブラムスさんは仲が良いんですね」とぽやぽやしている。

「スターフェイズ…」
「あ、いや…」
「確かに##name_1##の能力はずば抜けて高い、天統の血を引いているからな。しかし##name_1##はまだ子供だ」
「………」
「せめて学業が終わるまで日本に帰してやってくれんか」
「ライブラをやめろとはいわないんですか」
「どうしてだ?##name_1##は非常に優秀だ、できるなら俺の助手をしてほしいくらいだ」

ちなみに##name_1##の天統の血で呪いは発動しないからいくらでも呪いを受けても怖くないし、なんて言っても強いからな!と冗談なのか本気なのかわからない事を言って笑う。
確かにここに来てから呪いらしい呪いは発動していないし、逃げたザップさんは早々に死んでほしい。

「そうだ、クラウス。覚えているか?前にBBに対処は出来ないがいい腕の娘がいると言っていただろう」
「ええ、覚えています」
「それが##name_1##だ。まあ飛び越えて一緒に戦っていたとはな。どうだ、##name_1##は強いだろう?」
「ええ、私も腕を磨かねばと思う所存です。以前手合せをした時に思い知りました」
「それ、どっちが勝ったんですか?」
「引き分けだったよ。その後すぐに召集命令が来ちゃって」
「ああ。いつか続きがしたいものだ」

その言葉にザップさんが##name_1##さんに手を出さない理由がわかったかもしれない。
確かに##name_1##さんが強いというのは話では聞いていたし、ついでにクラウスさん並みに強いって言うのも前回の戦闘でわかった。でもそれ以外は普通の女の子だし、大学に行っているあたりはとてもHLでなければ普通過ぎて埋もれるくらいの、見た目普通の可愛い子だ。
もしかしたら前にチョッカイ出して痛い目を見たのかもしれないけど。

「勉強の方はどうだ?ついて行けているか?」
「………な、なんとか」
「なんだ、らしくない答えだな」
「ライブラの、関係で…ギリギリで」

頑張ってはいるんですけど…と小さくなる##name_1##さんの声。
その言い分は十分すぎるほど知っているし応援している、俺は。ライブラの報告書に大学のレポート、板挟みになりながら書いているのをほぼ毎回の様に見ているんだから。本当ザップさん見習って。
辞書片手に書いている姿は涙モノだよ本当に。

「…成績の方は大丈夫なのか?」
「あ、そっちの方は大丈夫です。A判定貰っているので」
「それなら安心だ」
「##name_1##さん凄いっすね…A判定…」
「もともと##name_1##は頭がいいからな。まあそれなら…」
「…おじさま、そういうお話でしたっけ」

##name_1##さんの言いたいことはアレだ、うん。自分は日本に戻りたいからエイブラムスさんからもどうにか言って貰えないだろうか、ということだろう。
しかしまあ当のエイブラムスさんは##name_1##さんがライブラにいて喜んでいる風だし、##name_1##さんの望みは薄い、気がする。
##name_1##さんはいわゆる平凡な、というには力が抜きん出ているしクラウスさんと同等っていうのがネックだけど、俺に近い存在だ。

「まあ俺から言えるのか、なるべく##name_1##の出動頻度を減らしてやってくれ。ということだな」
「うえええ…」
「折角天統の血を引いて生まれたんだ、それくらいしても罰は当たらん」
「お、おじさまは…私の味方になってくれると、思ったのに…」
「?いつでも##name_1##の味方だぞ」
「レオ…」
「##name_1##さん、どんまい!」

でも##name_1##さんのおかげで呪いが発動しないなら##name_1##さんはエイブラムスさんの助手というか護衛になった方が絶対いい気がするのは黙っておこうと思う。