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「#幼馴染」のBL小説を読む
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※『』は日本語だと思ってください

ここライブラには##name_1##さんという日本人で大学に通う女の子がいる。女の子、と言った方がいいのか女性と言った方がいいのか、どっちがいいのかは俺の口からは難しいのでとりあえず女の子にしておく。
そのこは大学に通うかたわらライブラにいるというんだから驚きだ。
まあ俺もライブラに居ながらバイトとかしてるから似たようなもんかもしれないけど。それでも勉強をしていると言う事には頭が上がらないと思う。偉い。
その##name_1##さんという子はチェインさんとは違う人狼らしい。らしいというのは聞いた話でしかなく、本人から直接聞いたわけじゃないからだ。
チェインさんが情報収集、諜報員なら##name_1##さんは戦闘を基本にする前衛型らしい。俺から見ても##name_1##さんは普通の女の子でどこが前衛型なんだよ!と声を大にして言いたいが、前衛型らしい。あの大きな体のクラウスさんと渡り合えるって話だ。ザップさん経由なので信用度は低いけど。

「ところで、なんで##name_1##さんHLの大学なんかに通ってるんです?」
「………色々省略すると、元は日本の大学に居たんだけどスカウトという名の誘拐にあいました」
「…あー………」
「酷いな##name_1##。誘拐だなんて、僕らはちゃんと親御さんの了解を得、ついでにここの大学に移籍してもらっただけの話じゃないか」
「………」

事務所のテーブルでレポート作成をしながらコーヒーを飲んでいる##name_1##さんに大変そうだなと思いながら話しかけ、そんな言葉が##name_1##さんとスティーブンさんから戻ってきた。##name_1##さんの言うのは本当だろう、そしてそれをマイルドにしたのがスティーブンさんの言葉。
確かに大学には行ってるけ勉強がしっかりできているかは、ちょっと不明だ。

「それにここじゃ日本では体験できない事ができていい勉強になると思うよ?」
「…ソウデスネ。レポート期限がギリギリになるとかでしょうか」
「学生大変ですね、何か手伝いましょうか?」
「大丈夫、これくらい平気。時間があれば…」
「おふ…」

確かに。ここじゃ時間があってもあっても足らないくらいだ。昨日だって事件が起こるしこれからだって起こるだろう。
大きな溜息をついて##name_1##さんは自分のパソコンのキーボードを上手に叩く。
すると##name_1##さんの電話がブルブルと震えて何かを知らせている音がする。

『…誰だよー私には時間が…あ?』
「どうしたんです?ザップさんなら無視していいですよ」
「レンフロさんとは連絡先交換禁止令が出てるからしてない。日本の友達から…なんで?」
「出てみたらいいじゃないですか」

いぶかしげにして##name_1##さんは耳に電話をあてて日本語で応答すると、すぐに大きな声を上げる。
何かトラブルでもあったのかもしれない。電話となると、もしかしたら日本で友人に何かあったのも知れないし、そうではない急ぎの用事がきたとか。

『そんな急に!』
『無理だよ。私だって色々あるんだから』
『どうして前もって言ってくれないの?言ってくれたら私だって…そんなサプライズはお断りだよ!もう!』
『とにかく、そんな急に言われても困るよ。大学のレポートとかあって急にそんなことできないってば』

聞き慣れない言葉で##name_1##さんはとにかく怒った様子だった。日本人だから日本語だろうけど。
そんな慌てている##name_1##さんの様子を見てスティーブンさんは笑っているし、俺はと言うと不憫だなと思う。ライブラなんか、というとちょっとアレだけど、ここに来なければ平和な日本で学生生活と送っていたわけだし。

「ど、どうしたんですか」
「友達が…」
「友達が?」
「きたって」
「どこに?」
「ここ、HL…に」
「なかなかアクティブで恐いモノ知らずな友達だね、君の友達」
「笑い事じゃないんです!来たから会おうって…そんな急に言われて会えるわけないじゃない…レポートも、ここの報告書も終わってないんだから……」
「あー…まあ##name_1##?僕もそこまで君を追い詰めるつもりはないから、仕事の報告書は後にして友人に会っておいでよ。大学の方はどうにもできないけど、仕事はすこし目を瞑るよ。日本から来てくれたんだろう?」
「俺でよければレポートとか手伝いますし、仕事の報告書も」
「そうそう、##name_1##は日本人らしく期限には必ず提出するし。大学も大変だろう?」
「日頃の行いの差ですね、ザップさんとは大違いだ」
「……でも、」
「本来であればまだ君は学生らしくできる齢だ。大人に甘えてもいいと思うよ。なんせ僕らがここに引っ張り込んだんだから」
「………スターフェイズさん、結構根に持つ人ですね」
「嫌だな、大人の善意を有難く受け取るのが子供だろう?酒も飲めないガキは大人のいう事を聞いていればいいのさ」

少し考えた##name_1##さんはスティーブンさんに日本人のお辞儀をひとつして、それから電話を掛ける。

『もしもし?さっきはごめん』
『…時間、とれるから、今から行くね。空港でしょ?』
『うん、じゃあまた後で』

「お言葉に甘えて、行ってきます」
「少年、##name_1##を送ってあげなよ」
「いや、そんな…悪いです、一人で行きます」
「ここから空港遠いよ」
「そうっすよ、それぐらい頑張ってる##name_1##さんのお手伝いしますよ」
「走った方が、多分早いし…」
「どんだけ脚早いんだよ」
「人目があるからだ。少年、じゃあよろしく」
「うっす」

と渋る##name_1##さんを連れて、ランブレッタの後ろに乗せて空港に向かう。ザップさんを乗せたりすることはあっても、女の子を後ろに乗せることは少ないから少し緊張する。

「レオナルドさんレオナルドさん」
「レオでいいって言ってるじゃないですかー。で、なんすか」
「私一応お酒飲めるんだけど、黙ってた方がいいのかな」
「あーそう…え!お酒飲めるの!?」
「うん。でも子供扱いしてもらっている方が色々楽かな。どう思います?」
「………いろいろ免除してもらえる子供が得、かも」
「じゃあ、この話秘密ですよ?」
「うっす」

スティーブンさんが根に持つタイプでアレだなと思っていたけど、##name_1##さんはそれ以上に持ってる人かもしれない。