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『あ、もしもし悟?##name_1##貸してくれない?』
「無理」
『え?なんで?』

つーか僕を窓口にすんなっての。と電話口に言う。
夏油傑、五条悟とともに特級呪術師であり、現在とある宗教団体のトップとして君臨している。
その夏油が指名した##name_2####name_1##は高専所属の1級呪術師。彼女の結界術は特級も一目置く結界を張ることができる。それは強靭であり柔軟性があり、また大きさを問わない。あまりに大きいと呪力と体力を使うが、補助監督が降ろせる程度の帳であれば縛りがなくても、また縛りが多くても誰よりも強く硬い帳も降ろすことが可能だ。それゆえ夏油のような外部からの指名も入ることがある。

『何?今##name_1##いないの?』
「いないって言えばいないかな」
『はあ?』
「てかなんで僕に連絡寄越すんだよ。高専に連絡入れろよ、そっちの方が##name_1##のスケジュール調整できんじゃん。僕教師よ?」
『あっちに連絡しても##name_1##貸してもらうには時間がかかるからだよ。急ぎで借りたいんだよ私は』
「なに?どうしたの」
『##name_1##はいつ戻るの?出張?』
「数日、かなあ…」
『大きい現場なの?』
「説明面倒だから写真送るわ」

「なに?どったの先生」
「傑から##name_1##貸してって電話」
「夏油くん?」
「そ」

ふーん。と1年生3人と##name_1##、そして担任の五条。
現在は昼で、その4人を連れて食事に来ている。
3対2で対面に座り、五条の隣には##name_1##、正面に3人が並んで食事している。当初釘崎が「私##name_1##さんの隣が良い」と言ったが、そうなるとかなり狭くなるしバランスが悪いとこうなった。
190センチ越えの大柄男性の隣に男子はどう見ても窮屈だし、五条の隣は嫌だと釘崎が言えば必然的にこうなった。
##name_1##が食べている物を横から取れば、##name_1##が何とも言えない悲しそうな顔をするし、それを見た1年から非難がごうごうと飛ぶ。
お詫びでもないがデザートを食べさせていた時にかかってきた電話に、##name_1##が頭を傾げる。

「私?お金は…ないよ?」
「お金じゃないよ。##name_1##、はいチーズ。あ、顔隠したな…まあいいか」
「いいんかい!勝手に乙女の写真撮ってんじゃないわよ淫行教師」
「事実無根な言いがかりやめてね野薔薇」
「写真なんて撮ってどうするんですか」
「説明が面倒だから傑に送る」
「ゲトーさん##name_2##さんに何の用事なん?」
「傑が##name_1##を貸せって言う時は大抵大物がいる時なんだよね。今回もそれでしょ」

送信。とメッセージアプリで##name_1##の写真を送る。
同級生であった夏油であれば顔が隠れていても##name_1##だとわかるはず。すぐに既読の文字がついてスマホが震える。ディスプレイには「傑」の文字。まあ、そういう事だ。

「わかった?」
『コスプレさせてんの、君…』
「違う。七海庇って呪い被って、現在高専1年生の##name_1##チャンデスヨ」
『………本当に?』
「嘘ついてどうするのさ。##name_1##だってこんなコスプレしないでしょ」
『確かに。じゃあ帳とか結界術駄目なの?』
「あ、それは確認してないや。##name_1##」
「ん?はい」
「結界術どんな感じ?」
「呪具より、褒めてもらえる?よ」
「おっけ。1年の中期あたり位」
『あー…そのくらいか……今回のだと難しいかな』
「大型なの?」
『俊敏なの。##name_1##に結界張りまくってもらって勢いそぎたかったんだよね』
「何級?」
『目測で準1級か1級くらいかな。スピードあるの欲しくて』
「あ!」
『どうしたの』
「野薔薇と##name_1##が可愛いことしてる!あーんしてる!」

それ美味しそう。交換する?あーん。という事をしていた2人。
僕も!という声が響く。
はたから見れば女子高生に迫る成人男性。ついでに真っ黒な服装に目隠しで怪しさ満点。
##name_1##が小さな声で「それはヤバイと思うよ…」と忠告する。

「ばっかじゃないの」
「あ!ずるい」
「ずるくねーわ」
「##name_1##、これ持って。傑とお話してて」
「え、ええ……っと、も、もし、もし?」
『もしかして##name_1##?』
「う、うん」
『悟は?』
「えっと、今、私のパフェ…食べてる…」
『は?』
「先生、それはないって。それ##name_2##さんのじゃん」
「そうですよ、食べたいなら頼んでください。##name_1##さんの奪わないで」
「そーよ!それ私たちが食べてたのよ!アンタ自分の頼みなさいよ!!」
「えっと、夏油くん私に何か用事なの?」
『ああ、##name_1##に頼みたいことがあったんだけど、今は無理そうだね』
「ご、ごめんね…」
『いいんだ、気にしないで。七海を庇ったんだってね』
「ななみ…?あの、外人さん?」

え。という声が釘崎以外からでる。
この場において、##name_1##を除き七海を知っているのは釘崎以外。
以前死んだことになっていた時に預けられた虎杖、小学生から五条が後継人となっていな伏黒、五条は高専の時の先輩後輩の間柄。釘崎は時期が少しばかりズレての入学となって呪術師と関わる機会がなく、教師や先輩くらいしか知らない。
##name_1##は1年生という事もあって知らないのを五条は失念していた、という事だろう。

「が、外人さん!!ぷふー!あっはは、七海聞いたら静かに切れそう」
「え?え?」
「ナナミン外人じゃないよ」
「え?」
「七海さん日本人ですよ」
「だれ?ななみさんて」
「五条先生の後輩だって。信頼してるけど尊敬してないってさ」
「あー、わかる。尊敬はない」
「で、誰なのよ」
「野薔薇は会った事無いんだっけ?##name_1##を連れてきた金髪の。七海建人くん1級呪術師をしていまあす。現在##name_1##と一緒に出張をしていることになっているよ」
「私、ここにいるのに?」
「そ。##name_1##は今本当はここにいるけど、いないことになってんの」
『##name_1##?』
「は、はい」
『どうしたの?』
「ななみ、さん?の話してたの。私今ここにいないことになってるんだって」
『その状態じゃそうだろうね』
「はいはい、じゃあ僕に電話返して」

はい。と返して食べる途中だったデザートを見れば空になっている。
あまりの衝撃に思わず「え!?」と声を上げてしまった##name_1##。それに1年3人は視線を送ると納得した。五条が##name_1##のパフェを平らげたのだ。
言えば##name_1##が楽しそうに食べていたソレ。
##name_1##はあからさまにしょんぼりとして溜息をついていた。