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「はあー!?なんで京都なのさ」
「万年人手不足だからな、呪術師」
「そうそう。急な話だけど、そういう事なので」

京都のいい酒送れよ。と笑う家入と、不満を隠そうともしない五条。
上からのお達しで「夏油傑による百鬼夜行の人手不足の為京都への移動を命じる」と##name_1##に東京から京都への移動が言い渡された。
それはもちろん##name_1##が羂索に願った事であり、##name_1##にしてみればお願い通りの事。この2人にしてみれば寝耳に水だろうが、それでも不自然ではない。

「やだー!##name_1##は東京勤務!僕の同期だから!文句言ってナシにしてやる!他の呪術師でもいいじゃん!」
「そうやって我儘言ってると##name_1##もっと遠いところ飛ばされるかもな。四国とか九州とか。いいな、酒が手に入るぞ、##name_1##そっち行けよ」
「えー、今時ネットで手に入るじゃん酒。私が移動になるの悲しんで硝子」
「そうだよ、数少ない同期だよ」
「いうて京都だろ?歌姫さんいるし?##name_1##の結界術はそれこそ他にないんだ、五条がいない京都だとはいえ、上も使い捨てにはしないだろ」
「そこはさ、私がちゃんとしてるからとかとさー。ねえ、五条くん」
「そうだよ!反転術式も使えない##name_1##が心配じゃないの!?」
「引っ越し祝い何が良い?酒?」
「えー、そうだな…今言われてもな…京都って雪どうなんだっけ。それ次第かも今の時期」

反転術式が使えないのは##name_1##だけではない。むしろ使える方が少数派、まして他人に使えるのは今現在公表されているのは家入だけだ。
急に話を切り替えたのはそういう事である。
実際五条が心配しているというもの事実ではあるだろう。しかしそれ以上に馬鹿にされている感が強い。

「でもなんで##name_1##なの?マジで。他でもよくない?」
「他でいいなら私でもいいって事でしょ?明日から引っ越し作業と転居届と…あー!面倒臭い!」
「だから東京にいればいいじゃん」
「移動なんだよ五条、諦めな。なんか手伝おうか」
「ううん。硝子も忙しいでしょ?」
「そうか?この忙しい時に移動って言うのも腹立つな…」
「じゃあ僕手伝う」
「やだ」
「なんで!?」
「五条くんが私の部屋にくるとか解釈違い」
「解釈…僕の部屋に来るくせに?」
「「それとこれとは話が別」」
「なに?2人は僕を何だと思ってるわけ?」
「…美味しいアイスを貯蔵している同期」
「旨い酒を貯蔵しているクズ」
「オマエ等…」

貯蔵してんじゃねえよ、オマエ等が喜ぶから買ってくるんだよ!!と思わず大きな声を上げる五条。
実際同期のたまり場になっていた五条の高専の部屋。
特級と五条家当主という事もあって一番広くていい部屋を持っている。本人は「寝て起きて、たまに食べるだけの部屋。あと風呂?」という認識しかなく、そこに同期が来るから嬉しいという程度のもの。
それとは反対に##name_1##も家入も高専内に部屋があるが、それは本当に生活の基盤となっているプライベートな部屋で、異性を入れる?ふざけるのはお前の顔だけにしておけよレベルなのだ。

「まあ疲れたら五条くんの部屋行って休ませてもらうわ。私絶対ポカしてまだ使うものも段ボールに詰める自信がある。なんといってもただでさえ繁忙期なうえにテロの後始末…死んでないだけマシだわ」
「死んだ方が楽じゃね?」
「コラコラコラコラ。##name_1##も『それな』って顔しないの」
「じゃ、五条くんの部屋にはご飯とお風呂と寝るので行くわ。鍵開けといて」
「合鍵あとで届けに行くから首に掛けときな。それなら無くさないし段ボールに入れないでしょ」
「##name_1##変なところでコケるからな。私も##name_1##と一緒に五条のところに休憩しに行くか。##name_1##に変な気を起こさないとも限らんしな、五条が」
「起こさねーよ」
「そうだそうだ!五条くんはもっとグラマラスでうふんあはんな美女が好きなんだからっ」
「え、##name_1##って僕にそういうイメージあんの?」
「ある。」
「かわいくねえ」
「今までお前##name_1##の事可愛いとか思った事ないくせに」
「そうだそうだ!」

あ、そろそろ任務だ。と時計を見て驚いた##name_1##は任務の状態に切り替えて急いで出ていく。
実際今の状況は忙しい。
五条は五条で教師であるが故に任務以外に学生の相手もあるし、当主としての立場もある。
家入は百鬼夜行の後始末に、通常の任務。医師として仕事。
##name_1##は呪術師として繁忙期と百鬼夜行が拍車をかけて忙しい。
この忙しい時期に移動?という五条の不機嫌もわからないわけではない。東京も東京で忙しいからだ。
まして百鬼夜行があった直後。
毎年この時期は忙しく、そんな時期に移動は珍しい。移動となればまだ比較的落ち着いている時期がメインだった。
確かに百鬼夜行で負傷者や死亡者が居るのでどこも人手が欲しいの事実だ。
それを五条への嫌がらせと取るには難しい。実際は##name_1##が羂索に願い出て受理されたのだ。



「五条くん、お部屋借りに来ました!」
「おかえりー」
「あ!硝子もいる!お風呂貸してー、あと着替え」
「着替えまで入れたんか」
「ついでに洗濯機も使わせて」
「別にいいけどさ、オマエそれでいいの?」
「使えるものは使わなきゃ」
「じゃあ私も泊るか。酒飲んだら動きたくねえわ」

やった!硝子とお泊りだ!と笑う##name_1##に「オマエ等…」と困った顔をしながらも嬉しそうにする五条。
##name_1##が風呂に行っている間に五条は自分の部屋着を脱衣所に置いてやり、家入が「つまみ」というので簡単なものを作ってやる。
同期、同級生という点で甘くなっているのだろう。
「女の子なんだからもう少し気を付けな。真希だって僕の部屋なんて来ないよ」と言えば「お前こそ私らの事そんな風に見てんのかよ、キッショ」と家入がまるで五条の学生時代の様に『オッエー』と揶揄う。

「五条くんの服ヤバイわ。ワンピースじゃん」
「彼シャツって言えよ」
「彼じゃねえしなあ…」
「クズが彼氏とかないわなあ」
「可愛くねえ…」
「洗濯物干さして」
「乾燥機使いな」
「乾燥機!いいな、私もあっち行ったら買おうかな…干すの面倒だし。金あっても使う時間がないからそこに課金しようかな」
「なに?乾燥機欲しいの?それ付きの洗濯機買ってあげるよ」
「まーじで!?」
「あ、じゃあそれ私も乗るから引っ越し祝いな」
「きゃー!硝子様五条様じゃん!今日七海くんに会ってさ、移動の話したら本当にしょんぼりしてくれて、超可愛かった」
「七海##name_1##に懐いてるもんな、七海も寂しいだろう」
「僕も寂しいですけど!?」
「五条くん」
「##name_1##…」
「私も何か食べたいです。お腹空いた」
「##name_1##……いいよ、何が食べたいの」
「つまみおわかわり。」
「えー、じゃあ……うどん?」
「はいよ。作るからその間に乾燥機回してきな。あ、硝子!それ僕のジュースだから飲まないで」
「あ!これこの前ネットで見た!私も飲みたい!」

はいはい、あとでね。と雑に返事をする。
##name_1##は##name_1##で乾燥機の前に立ち、やり方がわからんとまた戻ってくるし、家入は家入で酒が入っているからか「五条のお気に入りのAVはどこだ」と聞いてくる始末。

「##name_1##はそこで待ってて。硝子、僕そういうの持ってないって言ったでしょ!」
「スマホか。最近は動画DLが手軽で良いな」
「こら硝子ちゃん!女の子がそんな事言わないの!」
「やっぱり五条くんはグラマラスな女の人があんあん言っているの好きなの?教師?ナース?女子高生?手、出しちゃ駄目だよ」
「##name_1##!どちらと言えばメイドが好き」
「「あー」」

納得すんな!!と思わず五条は声を張り上げた。