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2023/11/29 11:01

※本誌ネタ
※転生している。基本記憶あり。
※2023.8.1のネタから続いてる、そんな感じ。
※ゆるくみてね。


「ほげー!!」
「リアルでほげーなんて叫ぶ人初めて見た」

あっはははは。と笑う夏油と五条。
祓ったれ本舗。通称 祓本。
テレビで見ない日はない、という人気お笑い芸人の1組。
スタイルよし、ルックスよし、お笑いのわの字さえ知らない女子でもファンが多い。という悪口さえあるそのお笑いコンビ。
前世では…は、まあ色々と省略して、現世では2人仲良くお笑い芸人として活動してる。
そして冒頭「ほげー!!」と間抜けな叫びをあげたのは前世の腐れ縁、##name_2####name_1##である。

「君、なんでピンチャンのマネなんてしてるの?」
「記憶あるよな、##name_1##」
「私達芸人なの知ってたよね?なんでアイツ等のマネなの」
「こっち来いよ##name_1##。仕事ならこっちの事務所で面倒見てやるし、なんなら硝子も歌姫もいるし、ああ七海と灰原、ついでに伊地知もいる」

高身長である2人に壁際まで迫られてしまえば##name_1##はただ震えるしかない。
##name_2####name_1##は今現在、お笑いコンビのピンチャンのマネージャーをしている。
それは祓本の夏油傑の双子の片割れである羂索に見つかり、半強制的にマネージャーにさせられたことに始まる。
羂索と##name_1##の関係も遡ればかなり古い関係ではあるが、そこも省略する。

「こらー!!そこ!!##name_2##ちゃんに何してんだよお!!」
「うるせーな高羽」
「##name_2##ちゃんはうちのマネちゃんだぞ!」
「うちの事務所にスカウトしてんの。さっさとオマエこんなの見切りつけて来いよ」
「やめろ!!##name_2##ちゃんはあっちいって!!控室!」
「##name_1##、連絡先交換しようか。あっちが控室なの?」
「そこ!!!失礼じゃないか!他人様のマネージャー引き抜こうなんて!」
「失礼はそっち。」
「私たちは君と違って##name_1##とは長い付き合いなんだよ」
「じゃあ私はもっと##name_1##と長い付き合いだけど、その原理で行くなら君らの方が失礼だね?」
「「げ」」

夏油傑と同じ顔に似た背格好。違うのは額の傷跡だけ。身長も同じ髪型は少々違うがよく似ている。
デビュー当時は双子なのに別で組んでいるの?だの、双子なんだから2人で組めばいいじゃないか、だの散々言われている。確かに兄弟コンビは少なくはないし、双子を売りにしているコンビもいるのだ。
ましてこんなにもそっくりなのだから、それが売りにならないはずがない。
しかしこの双子仲がよろしくない。それ故別の事務所に所属して違う相方を持って活動している。

「羂ちゃん、おたくの片割れが##name_2##ちゃんにちょっかいかけてくるんだけど!」
「羂ちゃんいうな高羽史彦」
「じゃあフルネームやめて」
「##name_1##、オマエこんなんのマネージャーよくやってられるな」
「##name_1##、私たちのマネージャーになろう?絶対良いって」
「おいそこ、##name_1##は私のだよ。勝手に使おうとするな」
「やだ三角関係?」
「四画関係、俺を忘れるな」
「##name_2##ちゃんてば魔性なの?そこに俺も入っていい?」
「勘弁してください…」

某テレビ局、某スタジオ付近。
##name_1##も羂索も馬鹿ではない。祓本と同じ現場であるならば羂索は「今日の撮影はマネ不在でいい」と高羽に何の断りもなく同行させてなかった。
しかし、今日は同じテレビ局だが現場は違う。遭遇の可能性は0ではないが確率としてはかなり低いと判断した羂索は##name_1##を同行させた。
それが不味かった、というべきだろう。
##name_1##がプロデューサーやらスポンサーの挨拶に回って戻る際に見つかってしまったのだ。
夏油兄弟は仲が悪い。それはテレビ業界だけではなく一般人にも知られている。それゆえに控室は基本一番距離のある部屋を準備される。
今回も離れた場所だったが運が悪かった、その一言である。

「お前…##name_1##の事黙っていたな」
「言う必要がどこに?」
「ありまくり。俺達仲良しなの、オマエが##name_1##独占してんじゃねーよ」
「あれ?俺存在消されてるの?酷くない?」
「高羽は黙ってて…いや、##name_1##回収して控室行ってて」
「馬鹿、逃がすか。##name_1##、こっち来い」
「そうそう。##name_1##、君はこっち」
「痴情のもつれ?##name_2##ちゃんて羂索の顔ファンと同じなの?」
「高羽黙れ。##name_1##を他のと一緒にすんな。こちとら##name_1##を傷物にした関係だよ」
「##name_2##ちゃん!?ちょ、マジ!?」
「言い方!前に火傷させられただけです!!」
「それ“させられただけ”の部類じゃないよ?落ち着いて」
「確かに…!」
「ほら高羽、##name_1##回収して。そっちのそんな簡単な関係よりも私は##name_1##と魂の結びつきがあるから。戻るよ」

前に高羽、##name_1##、最後に羂索という並びで大柄である羂索が、これまた大柄な祓本からガードする形に歩き出す。
祓本も馬鹿ではない。なので黙ってその後ろを、すこし距離をあけてついて行く。
その光景は異様だろう。関係者たちが何事かと黙って奇妙な目線を送っている。
テレビ局でまくことは出来ない、黙って控室に戻る3人。控室がバレた時点であの2人は次の一手を構えている。

「………##name_2##ちゃん、祓本の2人と知り合い?」
「え、ええ……ちょっと、腐れ縁、的な?」
「まったく迷惑なものだよ。高羽、##name_1##にアレが近づかないように注意して」
「おう!あったりめえよ!##name_2##ちゃんと羂ちゃんと二人三脚でここまで来たんだ、##name_2##ちゃんは俺が守る!!これ、言ってみたかったんだよな。##name_2##ちゃんてば、羂索とも腐れ縁なんだろ?腐れ縁一杯もってんだね」
「羂索さんとが、一番ですね……」
「俺は俺は?」
「君は私と、だよ」
「##name_2##ちゃんとは?」
「少なくとも私の知る限りない」
「ない?」
「ない」

俺だけ仲間外れかよ!と大きな声を上げる高羽。しかし彼自身の性格からしてそこまで気にはしていない。
高羽からみれば##name_1##は「##name_2##ちゃん」と呼び、親しいマネージャーでしかない。
相方の羂索が「今日から彼女がマネージャーだよ」と連れてきた女性で、困惑はしたが##name_1##は羂索に色目を使う事もなく高羽にも冷たくすることもなく、言えばマネージャーとして本当に二人三脚でここまで走ってきた。
それ故マネージャーであって仲間、それ以上もそれ以下もない。
しかし##name_1##が困っていれば走って行って助けたいし、嬉しいことがあればいの一番に祝いたい。
そして今、相方の羂索とマネの##name_1##が困っている。ならば助けなければならない。
そんなことを高羽が考え、羂索は羂索で厄介な相手にバレたどうすると考えていると控え目にドアがノックされる。
羂索が思うに、これは祓本どちらのノック音でもないと判断し、「高羽、開けろ」となぜか高羽に指示をする。高羽も高羽で「おうよ!」とそれに応じる。

「祓本のマネさんじゃん。どったの」
「い、いや…あははは…うちの、祓ったれ本舗の2人がご迷惑をおかけした…と、え。##name_2##さん?」
「…伊地知くん?え、あ!?え、伊地知くんあの2人のマネなの?」
「##name_2##ちゃん知り合い?祓本のマネさんと」
「え、あ、え…はい。うん、はい、そうです」
「何の用事だい?謝罪するならして帰ってくれるかな」
「は、はい…先ほどスタッフの方々からピンチャンのお2人とマネージャーの方が絡まれていた、と聞きまして。本人にも確認しましたら…その、はい…そうだ、と。大変ご迷惑を」
「かけてねーよな?傑」
「ああ。むしろかけられたよね?悟」
「おう。伊地知、あとでマジビンタな」
「テンプレ謝罪文だけど、私もあとでビンタするから」
「いや伊地知くん悪くないでしょ」

##name_2##さん!と一瞬表情を明るくさせる伊地知。しかし##name_1##の近くの羂索の酷く冷たい視線に気づき、サッと下を向く。
高羽は高羽で##name_1##に「##name_2##ちゃん顔広いね」と呑気に話している。
基本高羽は##name_1##が絡まれた理由は本当に知り合いでのスカウトだと思っているため、羂索よりも警戒心は薄いのだ。ただ、##name_1##が本当に困っている迷惑だというなら話は別だが。

「ここ、君らの控室じゃないんだから戻れよ」
「嫉妬?男の嫉妬は醜いぜ?雑巾野郎」
「それはそっちだろ?##name_1##が私たちのマネで羨ましくて仕方ないくせに」
「これ長引く?」
「あっち次第」
「祓本のマネさん、お茶のむ?これ長引きそうだし」
「え、ええ…?」
「高羽、迎え入れるな」
「羂索が嫌なのは祓本の2人だろ。マネさん「伊地知く…さん」可哀想じゃん。もうちっと時間あるし、それまでな。祓本の2人も入るなら入って、そこじゃ他の人に迷惑だしさ」

まあ羂索はそちらさんと話し合いしてて。と身勝手でいるようで##name_1##をさっと祓本
から引き離す。
羂索は##name_1##を祓本に近づけたくない。それを理解している。しかし祓本のマネまで嫌っているわけではないのもわかるので、とりあえず室内の距離でしかないが、少しだけ距離を取らせる。

「伊地知、##name_1##スカウトしろ」
「え!?ちょ、それは…」
「絶対##name_1##逃がすな」
「伊地知くんお茶飲む?あ、伊地知さん?」
「俺ジュースがいい」
「ファ〇タはないですよ」
「えーないのー?」
「買ってきましょうか?」
「あるので!伊地知ちゃんお菓子もあるよー」
「仲良いんですか?」
「いや、こうやって話すの初めて。##name_2##ちゃんとも知り合いなんでしょ?じゃあいいじゃん?」
「高羽!##name_1##!和気あいあいとするな!」
「オマエ##name_1##に馴れ馴れしいぞ!」
「マネージャーなんでね。##name_1##、塩ないの」
「塩ですか…?お弁当の“ごま塩”ならありますけど。あとお菓子の“のりしお”ですね」
「それでいいから」
「羂ちゃん、だめよだめ。それはさー、芸人としてはスマートじゃないよ」

##name_1##ちゃんはこっちにいてね。と##name_1##の肩を叩いて出入口で威嚇をしあう3人のところへ。
##name_1##は呑気に「お菓子たべる?」と伊地知に聞いているあたりマイペースである。

「この時期と言えば!」
「##name_1##ー、チョコある?」
「チョコはない。クッキーならあるよ」
「ちょうだーい」
「人の話を聞け!!五条悟!」
「俺達はオマエの話聞きに来たんじゃねーの。##name_1##の事隠しやがって」
「##name_1##は私のだ」
「え、おまえ…##name_2##ちゃんと付き合ってんの!?そういうのはさ、言えよ!!!」
「付き合ってませんよ。はい五条くん、夏油くんもあげる」
「ありがとう。ねえ##name_1##、こんなやつより私達の方が良いと思うんだ」
「ねえ、俺の話聞いて?」
「高羽さんが話聞いてほしいそうです。聞いてもらえませんかね」
「なんだよ言えよ高羽」
「貴方も物好きですよね、こんなのと組んで」
「話聞けよ!!」

伊地知さんもどうぞー。と##name_1##はさっと離れて伊地知と一緒にその4人の動向を観察し始める。
話の中心であるはずだが、自分にはどうにもできないという諦めもあるのだろう。

「で?なに高羽」
「え、ああ、うん……ほら、もうすぐJ-1じゃん?」
「なに?それで俺等と勝負しようっての?負けるの好きなわけ?」
「悟、そんな明け透けにいうものじゃないよ。負けて得る物だってあるだろ?この場合は失うものだけど」

にやにやくすくす。と「自分たちに勝てる気でいるのウケる」と言わんばかりに祓本は高羽の提案を笑う。
実際祓本の方が面白いという評価がある。しかしそんなもの場さえ自分に持ち込めばどうにでもなるのがお笑いだ。

「いいぜ?俺等はその勝負受けても」
「どんな難題を吹っ掛けるのかと思えば。いいだろう、受けて立ってあげるよ。お前もそれでいいんだろ?大好きな相方が言うんだ」
「ああ、いいだろう。敗者復活戦からだって綺麗に優勝して見せようじゃないか」
「##name_2##さん…すみません…ほんとう、本当すみませんっ」
「伊地知さんが謝ることじゃないですよ。本人の意思も聞かず勝手にやって盛り上がってる馬鹿が悪いんです」
「ごめんね!!??聞いてなかったね!!」

##name_2##ちゃんどうしたいの!?俺らのマネでいてくれるよね!!と高羽の大声が響き、隣の控室からクレームがきた。