ついつい | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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2016/09/03 11:24

「…なんという事か。レオ、ミス・##name_2##を仲間に引き入れるべきではありません。あのサーヴァントは不貞を行います。あのサーヴァントを引き当てたミス・##name_2##もそうなのでしょう、セラフが引き合わせたのですから」

月の裏側。そこは表の聖杯戦争から落とされたマスターと、そのマスターを追って落ちてきた一部のサーヴァント。
##name_1##は幸いBBの手に落ちることなく、サクラ迷宮と呼ばれるアリーナから岸波白野とそのサーヴァント、そして自分のサーヴァントを持って校舎まで避難してきた。
今現在サーヴァントを従えているマスターはレオ・B・ハーウェイ、岸波白野、##name_2####name_1##。そしてそれ以外に2名いるらしいがその2名は##name_1##は知らない。

「人のサーヴァントに文句付けるのがハーウェイのやり方なのかしら」
「失礼、ミス・##name_2##。しかし、まさか貴女がそのサーヴァントをお持ちとは」
「今はマスターの剣として従うのみ。ガウェイン、私を侮辱するのは耐えよう。しかし我がマスターに対しの侮辱は許せん」
「え、ええ?なに、これ…」
「レオのサーヴァントがガウェイン、##name_1##のサーヴァントがランスロットと言う事か。何の因縁だろうな」
「そこ、白野のアーチャー。人のサーヴァントの真名軽々しく言わないでもらえる?」
「おっとそれは失礼。しかしそれはガウェインもそうじゃないか?彼が言わなければ君のサーヴァントはセイバーだとしか」
「そっちのアーチャーから相手になる?」
「ま、待ってください皆さん。##name_1##さんにはまずカウンセリングを…」
「必要ない。で、この状況は?て言うか、なんでそんな服着てるの?私も」

##name_1##が不思議そうにするもの仕方がない。
レオと岸波白野が着用しているのは表とは違う制服。##name_1##も同じく制服が変わっているのだ。
濃紺、いや黒に近い色をしたその制服はほぼ強制的な何かで変わってしまったのかもしれない。##name_1##は凛とは違い面倒だという理由でアバターを制服のままにいしていた。

「ミス・##name_2##。貴女が疑問に思う事ももっともです、先にサクラからカウンセリングを。その間僕たちは危害を加えません、絶対に」
「サクラ、それは必要な事なの?」
「は、はい」
「…わかった。セイバー、カウンセリングの間警戒を怠らないで」
「承知いたしました。お一人で大丈夫でしょうか」
「何かあった場合すぐに念話で呼ぶから大丈夫。この校舎の大きさなら距離なんてあってない様なものだろうし」
「素晴らしいサーヴァントですね、ミス・##name_2##」
「……サクラ、カウンセリングを」

それでは保健室で行います。と保健室に案内される##name_1##。
セイバーは生徒会室に置いたままだ。ここではマスターと思われる存在はそこに集中し、サーヴァントはそれ以外には恐らくいないというのが##name_1##の判断だ。
一番の脅威であるガウェインがそこにいるならばそこに置いておいた方が敵の動きがわかる。



「………、」
「大丈夫、ですか?」
「カウンセリングって、こういう事か…あー…」
「サーヴァントを呼びましょうか?」
「ううん、平気、大丈夫」
「でも、」
「もう呼んであるから」
「え」
「じゃあ生徒会室に戻る、とりあえずは今後の事を計画立てなきゃ。そうでしょう?」

カウンセリングが終わり、##name_1##は大きなショックを受けていた。
しかしそのままでは終われない、終わっていられない。ここから脱出しなければ。
切り替えた##name_1##は早々にサーヴァントを保健室の前まで呼出し、事の次第を念話ですべて報告する。##name_1##だけではなく、サーヴァントの問題でもあるからだ。

「ではハーウェイと?」
「手を組んだ方が早い。あちらとしても同じだと思う、だからこそあの態度だろうし…それにセイバーがいるならガウェインも簡単に手をだせないだろうし」
「憶測ばかりではありませんか」
「情報が少ないから仕方がないでしょ。第一、最初のコンタクトで攻撃してこなかった時点おかしいじゃない、一番の機会なのに」
「………裏があるのかもしれませんが」
「目的が一致しているから行動を共にするだけ。セイバーは警戒をお願い、後ろから斬られるとかご免だから」
「…承知いたしました」

保健室から生徒会室までの短距離で報告と言うよりも##name_1##の決定事項をセイバーに伝える。
あまりハーウェイの案に乗るのは賛同は出来ないという様子だが、それは##name_1##の本心でもそうである。しかしここで凛もいない状況で脱出は不可能だろうというのは##name_1##もセイバーも理解している。
ならば脱出口となる地点までの利害が一致しているハーウェイと手を組む他ない。
ぽやっとしている岸波白野では実力不足、他のマスターの素性よりもハーウェイの方が遥かにスペックが上だ。

「ハーウェイ、癪だけど手を組む」
「そうおっしゃっていただけると思っていましたよ、ミス・##name_2##。どうぞ僕の事はレオでいいですよ」
「仲間が増えた」
「レオ!あのサーヴァントは」
「うるさいわね、人のサーヴァントに文句付けないでもらえる?なんなら相手するわよガウェイン」
「…ぐ」
「そうですね、ランスロット卿が相手では僕のガウェインでも分が悪い」
「だから人のサーヴァントの真名軽々しく言わないで」
「マスター、落ち着かれては」
「どうしてセイバーはそんな落ち着いているの!真名、真名言われているの。弱点晒して落ち着いていられるか!」
「ご安心を。真名が知られてもガウェインには遅れをとりません、ガウェインにだけは」

だからご安心ください、ハーウェイに負ける事などありえません。とセイバーは笑う。
その言葉にカチンと来たのであろうガウェインがレオに対し「宝具の解放の許可を」と言っているではないか。
その姿が面白かったのかレオは「あははは!」と笑っているし、岸波白野は状況が理解できない様子。そのサーヴァント・アーチャーは「巻き込まないでくれよ」と傍観を決めているらしい。

「ね、それは後にして今後の方針決めよう。サクラ迷宮の探索とか」
「………そうね、白野の言うとおりだわ。じゃあレオ、現状説明よろしく。サクラ迷宮はどのくらいの規模で何があるのか」
「な!?」
「そうですね、そちらの方が賢明です」
「よろしいのですか、マスター」
「ここで無駄に戦闘して手の内知られた上にペナルティが来たら元も子もないでしょう。まあ私のセイバーがガウェインに負けるとは思っていないけど、ペナルティが来るのは面倒だと判断しただけ」
「なかなか毒がありますね、ミス・##name_2##」
「私のサーヴァントは最強ですから?」
「僕のガウェインだって最強です。これは表に戻ってからが楽しみですね」

一瞬だけ寒気を感じた岸波は頭を傾げた。