2014/01/07 22:41
「司馬昭殿の前で大笑いしたんだって?」
「夏候覇殿…どこでそんな話聞いたんですか」
「司馬昭殿本人からな。お前がずいぶん笑うもんだから呆れたとさ。で、なんでそんなに笑ったんだ?」
「………言いたくありません」
「なんでだよ。なに、恥ずかしがることないから。ただ司馬昭殿が呆れるってスゴいから気になるんだよ、な?」
「…………」
「気になるだろ?司馬昭殿はお前本人に聞けって言うし」
「司馬昭殿の護衛の…ああ、夏候覇殿もご一緒でしたか」
「!」
「よう、文鴦殿。こいつは司馬昭殿の護衛じゃないぞ、雑賀の人間で今司馬昭殿のところで日雇いをしているんだ」
「そうでしたか、間違えてしまって申し訳ない」
「い、いえ…護衛に近いものですから…」
「なんだ?どうした?急に元気なくなったぞ」
「元気がないといえば、具合の方は大丈夫でしょうか。以前お会いした時は具合が良くなかったとか」
「い、いえ…大丈夫です。はい」
「そうか…おや?」
「どうかしたか?文鴦殿」
「あの、貴女、身長伸びましたか?」
「……え?」
「いや、前回お会いした時より背が…高くなった様な気が」
「……ふっ、」
「あー、なあ、文鴦殿?それ、こいつの隣にいたの司馬昭殿だっただろ」
「ええ」
「それ、比べる対象が違うだけだ。俺と司馬昭殿の身長の差だ、差」
「………」
「おいそこ、笑ってるのバレてるぞー」
「す、みま…も、うしわけ、ありませ……ふっ」
「まさかまた腹が痛いのですか?」
「だ、大丈夫…です……ふ、ふふ」
「あー、わかったわ俺。お前が何に笑ってたのか」
「…ふ、…ふふっ…だ、だから…言いたく…ふ」
「司馬昭殿に連絡いたしましょうか?具合が悪いならお送りいたしますが」
「大丈夫…大丈夫、です……ふ、ふふ…」
「文鴦殿、もう許してやってくれないか。そいつ笑い泣きしはじめるぞ」
「泣くほど具合が?」
「違う違う。そいつ健康だから。あとそろそろ笑うの止めないと、俺が傷付くからな、いいか」
「すみませ…ああ、駄目。とまんない…ふふ、」
「俺お前の笑いのツボがわからないわー」
「あの…」
「気にしないでくれ、文鴦殿。もう気がすむまで笑っとけ。父さんの恩もあるから今は許すよ…」