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2013/03/18 23:01

シンドバッドの目の前には自分の執務を行う机に腰掛ける一人の青年。金色の髪を持ち、そして血のように赤い瞳。それは養子に迎えた娘の使い魔によく似た青年だ。
その青年はシンドバッドをじっと見つめ、そしてニヤリと妖艶に笑う。


「…さて、君は誰だろうか」

「まずは自分から名乗るのが礼儀だろう雑種。この我をその目に移すことを光栄な事と知れ」

「ああ、それは失礼した。オレはこのシンドリアの王、シンドバッドだ。それで君は?」

「ほう、この我に尋ねるとは。許した覚えはないが、まあよかろう。貴様には我を英雄王と呼ばせてやる」

「…英雄、王?」

「そう、我こそが王。貴様、誰の許しを得てこの我を目の前に王と名乗る」


その英雄王と名乗った青年は赤い瞳で射る。
まずシンドバッドには彼が誰かが分からない。そして目的も。
この執務室には幸いジャーファルも娘もいない。被害は最悪自分だけで終わる。ジャーファルやマスルールがいれば即座に戦闘になる可能性が否定できない。今はその彼を刺激しないよう、そして万が一に備えて魔装の準備も怠らない。


「それはこの国の王だからだ。ここはオレの作った国であり、そして国民は愛すべき子供」

「…雑種の考えることだ。間引かねば増える醜悪よ」

「……なに?」


雑種を愛する?馬鹿げている。と青年は吐き捨てる。
仮にも王と名乗った者の言葉なのかとシンドバッドは目を見開いた。どの国王も国民を愛するはずだ。その例外はないとも言い切れないが、自国民を愛さない者に王の資格はない。


「まあ良い。我は貴様に問うために来た」

「……、」

「貴様、自国の為と雑種に呪いをかけて操り、それが本当に自国の為と思うてか?ただの自己満足にすぎんと知れ」

「な…」

「それにあの小僧だ。貴様の思い通りになるようにと画策しているようだが、あれは簡単に動かんぞ。感づいている」

「…貴様」


挑発しているのはわかっている。しかしそれを受け流すには核心に近すぎる。
それはジャーファルが感づいていても、そのほかに感づかれるとは予想外だ。
それにこの執務室に誰にも気づかれずに侵入したこと、それは見逃せない。これは自分が捕らえねばならない、最悪殺してでも口を封じなければ。
シンドバッドは奥歯を噛み合わせ、力む。
これは何が何でも口を閉ざさなければと。


「ほう、この我を睨むとは命知らずな。よかろう、この我が直々に手を下す。光栄に思えよ、雑種」

「ああ、君こそ後悔すると良い。このシンドバッドに喧嘩を売ったことをな!!」


青年が机から降りて、シンドバッドが魔装を施す一瞬だった。
閉めていた扉が開き、聞きたくない声を聞こえた。


「お父様…」

「##name_1##、くるな!!」

「…え?」


その一瞬だ。その一瞬に青年の動きも止まり、シンドバッドも身を堅くした。
シンドバッドにとって##name_1##は可愛い。恋愛ではなく、親愛である。年が親子というより兄妹の方が近くとも、##name_1##が養子で愛すべき存在なのは変わらない。
その##name_1##に危害が及ぶのは許せない。
そんなシンドバッドの気持ちを汲み取れるはずもない##name_1##はその扉を開いて部屋に入ってきてしまった。


「な、」

「くるな##name_1##!逃げなさい、ここは…」

「なにしてるの、アーチャー。青年体になって…」

「……え?」

「……アーチャー、貴方まさかとは思うけど」


一歩、また一歩と##name_1##は部屋に入る。その##name_1##にシンドバッドは眼中になく、あるのは青年。しかもその青年心なしか脅えているようにも見えるではないか。


「変な言いがかりつけたりとか、してない?」

「…お、おい##name_1##、危ないから。部屋から……」

「アーチャー?私、言ってあったよね。ここで問題を起こすなって」

「……##name_1##?おい、」




力尽きたー/(´д`)\
多分この後ギルガメッシュは主に供給絞られて叱られる←
そして主にシンドバッドはひたすら謝られ、ギルガメッシュに睨まれ、睨んだのがばれたギルガメッシュはまた主に絞られる。

一通りしたいことはした。