プロローグ

私は以前普通の事務職をしていた。一日中パソコンに向かってカタカタやる仕事だ。
しかし、数ヵ月前に暗闇を彷徨って、気が付けば忍術学園に保護されていた。まさか自分がトリップするなんて。

私と同時期に忍術学園の敷地内に天から降ってきた女の子がいたお陰か割りとすんなり受け入れて貰え、更には事務員として雇ってもらった。
本当に有り難い。
因みに降ってきた女の子は私と同じく平成の人間のようで、年齢は16の高校生なのだ。
まだ親の庇護下にいる子供が異世界トリップだなんて可哀想に。そう不憫に思った私だったが、若い力は強かった。
食堂の手伝いをするようになった彼女は社交的で、 同年代の生徒さん達とすぐ仲良くなったのだ。

馴染めないのは私だけでした……あは。

だって子供苦手なんだもん。
しかも周り忍者だらけなんだよ?夢小説とか読み漁ってるとリアル忍者怖くない?
何かやらかしたら一瞬でデットエンド迎えますよね?
考えを巡らせれば巡らせるほど動けない。

それに元々、職場の人付き合いはドライな方だ。
プライベートまで踏み込まないのが私のスタイルなので、今更職場内で友人作りとかできない。

私にとって
教職員、事務員の皆さんは上司、先輩。 生徒の皆さんはお客様だ。

友達いなくとも異世界トリップしようとも、私が平凡な人間って事は変わらない。
だから今日も地味に事務の仕事をこなすのです。



「思い付いた!」

思い返せばこの一言が始まりだったのかも。 これから始まる長い旅の、始まり。



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