小説 | ナノ

毎日毎日飽きる事なくアニメ観た後に神棚に祈った。その賜物よ、私が忍たま達の元へトリップできたのは。
私が未来から来た事、帰り方が分からない事を涙を堪えながら説明すれば、学園長は可哀想だと思ったらしくてお手伝いに雇ってくれた。
慣れない事ばっかりだったけど、全部嫌がらず愛想良く仕事をしていれば忍たまの良い子達はすぐに仲良くしてくれた。イージーね!
一年は組だってみんな私を慕ってくれるし、これはアレね!愛され夢小説の王道パターンよね!
別に天女補正だとかいかがわしい物も特典とかも無いし、私の周りに人が集まるのは人徳ってやつよ。みんながみんな恋愛目線で見てるわけじゃなく、私が良い人だから慕ってくれてるわけだ。ほのぼの愛されってやつ?
そりゃまあ、やっぱ恋愛の刺激も欲しいっちゃ欲しいけどねー。
でも、ま、それも遠くはないかな?
だってね、くのたまの子達が嫉妬の目で私を見てるんだもん!
これって、あれよね。嫌がらせがその内きて、私が笑顔で許せばオッケーよね。
その優しさにくのたま達も私の事好きになって、忍たま達は更に私にメロメロになって、くのたまと忍たまで私の取り合いが起こっちゃうわけだ。ヤバい楽しい。
そして晴れて私は忍術学園で愛されてるお手伝いさんって肩書きでメンバー入りですね分かります。



と、脳内プランは出来上がってたんだけど。
数日前、全生徒がグランドに集められ学園長の長ったらしい…何あれ結局何が言いたかったの?意味不なんですけどかっこ笑かっことじ、みたいな話があって。
やっと終わったーって時に、端の方にいた私に五年生の三郎が話しかけてきた。「お前欠伸してただろ」って。
ヤダ、見られてた!
でもそんな一面も愛されキャラな訳で、三郎にからかわれて他の五年生もノってきたり諌めたり、その次に六年生もきて話に加わって、「先輩、天女様さっき欠伸してましたよ」「おいおい、本当か?」なんて仲良くからかってくれちゃったりして。そしたら一年は組が「天女様今日は何して遊びますー?」なんて可愛く突撃してきたり。
今日も忍たま萌えライフだわ。って思ってたら、少し離れた所にくのたま達の集団が私を見てる事に気付く。
面白くなさそうな顔して、あれは絶対嫉妬の視線よね。うっふふ、いいぞいいぞー。好きな男の子を取られて、嫉妬で嫌がらせカモン!
これで私がくのたまに冷たかったり、逆ハー補正付きなら死亡フラグだけど、私は悪い事なぁんにもしてない。もし嫌がらせが度を過ぎても完全にあっちが悪くなるし。こんな美味しいイベント逃すわけない。
そう思ってたら、くのたま集団から一人外れて歩き出す子が。
えっ?まさかの直接殴り込み?「ねぇ、貴女調子乗ってない?」とか言われちゃう?
でも、その子は私達の所じゃなくて先生達の所へ向かった。なぁんだ、先生に用事か…。ホッとしたけど、ちょっと残念。
だけど、その子をずっと見てたのが悪かったのか、忍たま達が私の視線に気付いたのだ
「天女様何を見て…?…あ」「あれ、椛か…?」
もう、どうでも良くなっていたのだが、忍たま達が椛というくのたまに注目しちゃったので私も一緒になって何故か眺める。
「椛先輩…ふらついてる?」
八が言う通り、あの子は少し覚束無い足取りだったけど、くのたまのモブとか正直どうでもいい。アニメに出るユキちゃんとかトモミちゃんとかならまだしも。
でも、その後からの展開に目が離せなかった。
「なっ…!?」「えっ…えぇ!?」忍たま達からも驚愕というか戸惑いというか、ザワザワと声が上がった。
土井先生とか王道な先生が相手じゃないから別に良いんだけど、教師がみんなアタフタしてるのが気に入らない。くのたまの中心も椛って子みたいで人気者って感じだし。
なんでぇ?私がみんなの中心で愛され天女じゃなかったの?
なんで忍たまの子達も顔赤くしてあの子を見てるの?

その日から、私に話し掛けてくる忍たまが少なくなったのは何でぇ?


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