小説 | ナノ

「先生方と言えば土井先生がいるわよね」
「ねぇ、利吉さんも良いんじゃない?」
「戸部先生とかどうかしら?」
「兵庫水軍の方達も素敵だと思うの」

きゃいきゃいわいわい。
くのいち教室の一室にくのたま上級生が集まって、みんな可愛らしく頬を染め話している。
その内容は…

「次から誰に悪戯しようかしら!」

「ねーえ、椛はやっぱり木下先生を狙っているの?」

微笑ましく眺めていた私に同室の子が下から覗き込んで聞いてくる。その問いに笑顔で「そうしようかな」と答えれば、他の子達も目を輝かせ詰め寄ってきた。

「椛ったら、先生の中でも厳しい木下先生を真っ赤にさせちゃうんだもの」
「凄いわ。あの時ばかりは先生方は勿論、忍たま達だって驚いてたのよ!」
「何だかここ最近モヤモヤしてたのがスッキリしちゃった」
「私もー。やっぱりくのいちって最高よねぇ」

キラキラ笑顔を弾けさせる彼女達はいっそう愛らしく、先日まで忍たま達に燻らせていた不満は無くなったらしい。
生き生きと気高く在る彼女達の姿に私も自然と笑顔が深まる

「でも、どうして木下先生なの?悪戯するには難しい相手だと思うんだけれど」
「そうかな?真面目な先生だから、こういうのに咄嗟に反応できないと思ったんだよねぇ…。私を無害な生徒だと思ってる内は特に」
「あら、じゃあ次から効かないんじゃなぁい?」

頷いて苦笑する。
そう、前回の出来事のせいで私はものすごく木下先生に警戒される事になった。
でも、難易度が上がれば上がる程面白い。

「まあ、次から難しくなるけど。そっちのが楽しいし。木下先生の反応好きだから」

思い出してついつい笑いを溢してしまう。

「……貴女見てるとくのいちは怖い、ってつくづく思うわ」
「え…っ!」

同じくのたまの子に真顔で言われた。何で。

「何よぉ…みんな考えてる事は一緒でしょ!子供だとかなめてる大人達に目に物みせてやろう!」

そう声を掛ければ、くのたま達は艶やかな笑顔を浮かべた。




「そういえば、椛呼ばれてなかった?」
「あ。そういえば…」

山本シナ先生に職員会議するから学園長の庵に来いって言われてたや。
やだなぁ…怒られるの?
でも、それだと今から怒る相手がいっぱい増える事になるけど、先生達大丈夫?身が持たないんじゃない?




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