もともと酷かった引きこもりに拍車がかかった。
あれから弁慶は勿論、他の八葉や2人の神子にさえ必要以上に接点を持っていない。
何やってんだろう私。
っていうか、何でトリップしちゃったんだろう私。
キャラ同士の絡みを眺めて、キャラが幸せになって、世界が平和になってくれればそれで良いのに。むしろそれで萌えられるのに。
あわよくば元の世界に戻らずに此処で暮らせたらもっと良い。
「椛さん、」
縁側でそんな事をぼーっと考えていたのが悪かったんだろうか、
聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
「お休みなさーい」
「まだ夕方ですよ」
部屋に入って襖を閉めようとしたが、思いのほか力強くこじ開けられた。
夕方だろうとこっちには電気とか無いんだし、早めに寝たって間違いじゃないはずだ。え、駄目?やっぱり?
「…どうして避けるんですか」
夕日のせいか、赤く照らされた弁慶が悲しく、寂しそうに見える。
「僕のこと、嫌いですか」
ああ、駄目だ。
彼の表情が私には毒。