「ジョ、ジョセフさんたちにこのことを伝えなければ!『節制』のカードのスタンド使いイエローテンパランス……。承太郎が負けるとは思わないけど、あんなスタンドじゃあどうやったら勝ったら………」

そう言うと杏奈は近くの公衆電話からメモしておいたホテルの番号へと掛けた。

《もしもし》
「ああっ、アヴドゥルさんですか!?大変です!敵のスタンド使いが現れて、花京院が偽物で、承太郎が!」
《お、落ち着くんだ杏奈ちゃん!そうか、花京院が敵というのは、偽物の花京院が敵のスタンド使いだったというわけか……》
「やつは『節制』のカードのスタンド使いだと言っていました。名はイエローテンパランス……。人にとりつくようなスタンドで、一般人にも見えるし、さわれるスタンドだと」
《承太郎は今どうしている》
「敵と一緒にケーブルカーに乗ってます。わたしたちだけがここに残っていますが…」

「あっ、JOJOッ!JOJOがケーブルカーからとっ、飛びだした!」
「ええ!?もうホームから出発してるのに!下に落ちたら軽傷じゃ済まないわよ承太郎のバカッ!」



「ケーブルカーから人が落ちたぞ!」
「見てみろあそこのケーブルカー、床に穴が空いて底が抜けたのか!?」

「すみません!ケーブルカーから落ちた人、どこへ落ちかわかりますか!?」
「ああ、それならほら、あそこに海があるだろう?水の中に落ちたんじゃあないかな、すごい音もしたし」
「そう!どうもありがとう!」



「承太郎!」
「杏奈か」
「敵はどうしたの?!まさか…倒したの」
「ああ。ちとやっかいな敵だったがな」
「そこに伸びてるだろ」
「ああ、本当だ。もう、心配したのよ。ケーブルカーから飛び降りるなんて、正気の沙汰じゃあない。ひやひやさせないでちょうだい。これじゃあ心臓がいくつあっても足りないわ」





「いよいよインドへ向かうか。ところであの女の子はどうした?」
「列車の出発間ぎわまでシンガポール駅にいたんだがな」
「きっとおとうさんとの約束の時間が来たので、会いに行ったのでしょう」
「あのガキ、どうもお父さんに会いに来たってのがうそくせーんだよな、ただの浮浪児だろうぜありゃぁ………。ま…いないとちょいとさびしい気もするが……なあJOJO」
「しかしシンガポールでのスタンドだが、まったくいやな気分だな。ぼくそのものに化けるスタンドなんて………」
「ホテルを出る時からもうすでに変身していたらしい」
「JOJO、そのチェリー食べないのか?ガッつくようだがぼくの好物なんだ………。くれないか?」
「ああ」
「サンキュー。レロレロレロレロレロ」
「「………」」

「…おっ、見ろフラミンゴが飛んだぞ」
「そ、そうね」
「やれやれ」




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