「アヴドゥルの『クロスファイヤーハリケーン』。恐るべき威力!まともにくらったやつのスタンドはバラバラで、しかも溶解してもう終わりだ…」
「離れていたのにこっちにもすごい熱風が……。甘く見ていた。アヴドゥルさんのスタンド、マジシャンズレッド……。初めてあった時に見た炎とは何倍もの炎…………。今更だけど、敵じゃなくてよかった」
「ひでーヤケドだ。こいつは死んだな。運が良くて重傷だな…いや運が悪けりゃか…」
「どっちみち…3ヶ月は立ち上がれんだろ…。スタンドもズタボロで戦闘は不可能!さあ!ジョースターさん、われわれは飛行機には乗れぬ身…エジプトへの旅をいそごうではないか…」



「な…なんだ…やつのスタンドがバラバラに分解したぞ!」
「し…しんじられん」
「やつが寝たままの姿勢で空へ飛んだ!」
「ど、どうなっているの!?」
「ブラボー!おお…ブラボー!!」
「こ…こいつはッ!」
「ピンピンしている…」
「火傷もよく見るとほとんど軽傷だ…し…しかしやつの体がなぜ宙に浮くんだ!?」
「フフフ…感覚の目でよーく見てろ!」
「うっ!?これは!」

「甲冑をはずしたスタンド『シルバーチャリオッツ』!」
「あっけにとられているようだが、わたしの持っている能力を説明せずにこれから君を始末するのは騎士道に恥じる。闇討ちにも等しい行為。どういうことか…説明する時間をいただけるかな」
「畏れ入る。説明していただこう」
「スタンドはさっき分解して消えたのではない。わたしのすには『防御甲冑』がついていた。今、脱ぎ去ったのはそれだ。君の炎に焼かれたのは甲冑の部分………。だからわたしは軽傷で済んだのだ。そして、甲冑を脱ぎ捨てた分、身軽になった。わたしを持ち上げた『スタンド』の動きが、君らは見えたかね?それほどのスピードで動けるようになったのだ!」
「なるほど。さきほどは甲冑の重さゆえ、私のC・F・Hをくらったということか…。しかし逆に、もう今は裸…。プロテクターがないということは、今度再びくらったら命はないということ」
「フムム〜〜〜〜〜。ウイ、ごもっとも。だが無理だね」
「無理と?ためしてみたいな」
「なぜなら君にとても『ゾッ』とすることをおみせするからだ」
「ほう、どうぞ」

「な!?なんじゃ…!?やつの『スタンド』が6…いや…7対にもふえたぞッ!」
「彼は複数のスタンドを持つスタンド使いなの…!?」
「ば…ばかな、スタンドはひとり一体のはず!」

「『ゾッ』としたようだな。これは残像だ…。…フフフ…視覚ではなく君の感覚へうったえる『スタンド』の残像群だ。君の感覚はこの動きについてこられないのだ…。今度の剣さばきはどうだァアアアアーーーーッ!?おおおお」
「クロスファイヤーハリケーン!」

「ノンノンノンノンノンノン、無理だといったろう。今のは残像だ。わたしのスタンドには君の技は通じない。また君の炎は地面に穴をあけるだけさ」
「なんという正確さ…。こ…これは…そ…相当訓練された『スタンド能力』!」
「ふむ…理由あって10年近く、修行をした…。さあ、いざまいられい。次なる君の攻撃で、君にとどめをさす」
「騎士道精神とやらで手の内を明かしてからの攻撃、礼に失せぬ奴…。ゆえにわたしも秘密を明かして次の攻撃にうつろう」
「ほう」
「実はわたしのC・F・Hにはバリエーションがある。十字架(アンク)の形の炎だが、一体だけではない。分裂させ、数体で飛ばすことが可能!C・F・H・S、かわせるかッー!!」
「くだらん!アヴドゥルッ!おおおおお」

「だめだ!やつのスタンドが円陣を組んだ形をとったッ!死角がないッ!はじき飛ばされてまた炎を逆にぶつけられるぞッ!」

「あまいあまいあまいあまいあまいあまいっ、前と同様このパワーをそのままきさまにィーーーーーッ!切断、はじき返してェェェェェェ」



「さっき炎であけた穴だ。さっきの炎はトンネルを掘っていた。そこからクロス・ファイヤー・ハリケーンをッ!」
「一撃目はトンネルを掘るためだった…。いったろう。わたしの炎は分裂、何体にもわかれて飛ばせると!」

「炎に焼かれて死ぬのは苦しかろう。その短剣で、自害するといい……」
「うぬぼれていた。炎なんかに、わたしの剣さばきが負けるはずがないと…。フフ…やはりこのままいさぎよく焼け死ぬとしよう…。それが君との戦いに敗れたわたしの君の『能力』への礼儀……。自害するのは無礼だな…」
「あくまでも騎士道とやらの礼を失せぬ奴!しかもわたしの背後からも短剣を投げなかった………!DIOからの命令をも超える誇り高き精神!殺すのはおしい!なにかわけがあるな…こいつ……」

「肉の芽!このひと、DIOに肉の芽をうめられてたんだ……」
「JOJO!」
「うむ」

「うええ〜、この触手がきもち悪いんじゃよなァ〜〜。肉の芽をはやく抜きとれよ!早く!」
「うるせえ」

「これで肉の芽がなくなって、にくめないヤツになったわけじゃな。ジャンジャン」
「花京院、オメーこーゆーダジャレいうやつってよー、ムショーにハラが立ってこねーか」






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