「恐るべき剣さばき、みごとなものだが………。テーブルの炎が…『12』を燃やすまでにこのわたしを倒すだと。相当うぬぼれがすぎないか?ああーっと」
「ポルナレフ……。名乗らせていただこう。ジャン・ピエール・ポルナレフ」
「ありがとう(メルシーポーク)。自己紹介、恐縮のいたり……。しかし、」
「ムウッ!」

「おお!アヴドゥルのスタンドがうでをうごかしたら、テーブルの下半分だけが燃えてしまった」
「す、すごい!スタンドの能力に常識は通用しないわね……」
「ムッシュ・ポルナレフ。わたしの炎が自然どおり常に上の方や風下へ燃えていくと考えないでいただきたい…。炎を自在にあつかえるからこそ『魔術師の赤(マジシャンズレッド)』と呼ばれている」
「フム、この世の始まりは炎につつまれていた。さすが始まりを暗示し、始まりである炎をあやつる『マジシャンズレッド』!しかしこのおれをうぬぼれというのか?このおれの剣さばきが…うぬぼれだと!?」

「コインを5つをたったひと突き、かさなりあった瞬間をつらぬいた」
「いや…よーくみてみろ」
「う…う、なるほど。コインとコインの間に火炎をもとり込んでいる」
「これがどういう意味を持つかわかったようだな。うぬぼれではない…わたしのスタンドは自由自在に炎をも切断できるということだ。…フフ…空気を裂き、空と空の間に溝をつくれるということだ。…つまり、きさまの炎はわたしの『銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』の前では無力ということ」

「は!いつの間に外に…」
「おれのスタンド…『戦車(チャリオッツ)』のカードが持つ暗示は“侵略と勝利”。そんなせまっ苦しいとこで始末してやってもいいが、アヴドゥル、おまえの炎の能力は広い場所のほうが真価を発揮するだろう?そこをたたきのめすがのが、おれの『スタンド』にふさわしい勝利…。全員おもてへ出ろ!順番に切り裂いてやる!」



「なんだここは、タイガーバームガーデンか!?」
「ここで予言をしてやる。まずアヴドゥル…きさまは…きさま自身のスタンドの能力で滅びるだろう…」
「アヴドゥル」
「承太郎…手を出さなくていいぞ…。やつのいうとおり、これだけ広い場所なら思うぞんぶん『スタンド』をあやつれるというもの…」

「フフフフ…ホラ、ホラ、どうした…。得意の炎を思うぞんぶんはかないのか?はかないのなら………こっちからいくぞッ、ホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラぁーッ!!」

「野郎ッ!こ…こけにしているッ!突きながら『マジシャンズレッド』にそっくりな像をほってやがった!」
「なかなかクククク…この庭園にぴったりマッチしとるぞ『マジシャンズレッド』」

「ム!来るな…本気で能力を出すか…。おもしろい…。うけて立ってやる」
「さんにんとも、なにかに隠れろ。アヴドゥルのあれが出る。…とばっちりでヤケドするといかん…」
「あれだと」

「クロスファイヤーーー!ハリケーン!」

「ホラホラホラホラ、これしきの威力なのかッ!?この剣さばきは空と空の溝をつくって、炎をはじき飛ばすといったろーがァァァァーーーーッ!!」

「ア…アヴドゥル……。炎があまりにも強いので、自分自身が焼かれているッ」
「ど、どうしたら……。そ、そうだ!水!あたしの『女帝の碧(エンプレスブルー)』の水で炎を消せれば…」
「そうかもしれないが、まだ君の力ではスタンドをうまく使いこなせない!無理にスタンドを使えば今度は君が危ないぞ!」
「でも!」
「ふはは、予言どおりだな。自分の炎で焼かれて死ぬのだアヴドゥル…」

「やれやれやれやれだ!悪あがきでおそってくるか、見苦しいな」

「み…妙な手ごたえッ!こ…これは!人形!?ばかな、炎だ!切断した体内から炎が出るなんて!」
「あれは人形だ。スタンドではない!」
「炎で目がくらんだな。きさまが切ったのは今さっき、きさまの『シルバーチャリオッツ』が彫った彫刻の人形だ!わたしの炎は自在といったろう。おまえがうち返した火炎が人形の関節部をドロドロにとかし、うごかしているのだ。自分のスタンドの能力にやられたのはおまえのほうだったな!そしてわたしのクロスファイヤーハリケーンを改めて、くらえッ!」

「占い師のわたしに予言で戦おうなどとは、10年は早いんじゃあないかな」




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