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04




馬を全速力で走らせ、急いで街へと帰還する。

再び壁が壊されたとなれば、調査兵団のいない壁の中はてんてこ舞い状態だろう。

駐屯兵団のピクシス司令が動いてくれていれば話は別だが、状況が状況なだけにもしかしたら統率が測れていないかもしれない。

とにかく今は何が何でも急いで帰還しなければならない。



「ねえエルヴィン、もし本当に壁が壊されていたらどうするつもり?」

「今の時点ではまだどうしようもないな。人類がまた後退するだけかもしれん」

「壁を壊せるのはあの超大型巨人くらいだろ?また出現したって事か…。でもあの大きさじゃ、何の準備もなく戦えば私達だって命がいくらあっても足りないぞ。何か策はあるのかエルヴィン」

「とにかく今は街に戻る事が最優先だ。状況を見ない限り、どうにもならない」



エルヴィンを筆頭に、後ろにはリヴァイ、レイラ、ハンジの順で馬を走らせる。

今回は巨人の邪魔がない分、いくらか進む速度が早い。

これならあと少しで壁が見えてくるだろう。



「ったく…、まさかこんなに早く壁内へ戻る事になるとはな」

「ねえねえレイラ!街の中には奇行種が何体くらいいるかな!!?」

「知るかッ!勝手に一人で妄想でもしてろ!」



こんな時でもお前は巨人の事しか考えてないのかよッ!とツッコミを入れながら、レイラは前を見据える。

ようやく壁が見えてきた。

そして、そこには一つの穴が。

本来そこには壁唯一の出入り口である扉があったのだが、どうやら見事に破壊されてしまったらしい。

辺りに超大型巨人の姿はなく、通常の巨人が徘徊している。



「なんだこの地鳴りは…」

「地震…ってわけじゃなさそうだね、揺れ方が違うし……」



馬の速度を緩め、様子を伺う。

ドシン…ドシン……、

まるで何か巨大なものが近づいてくる様な音。

壁の向こう側から、ゆっくりとこっちに近づいて来ている。



「総員立体機動に移れ!」

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