30 貞子は撒けた? そっと女子トイレの入り口から廊下を覗く××、青峰、黒子の三人。 そこに貞子の姿はない。 よっし!とガッツポーズをする。 「××?どうしたのよいきなり」 「花子さんヘルプ助けて疲れた死ぬ」 「は?」 花子さんは元の世界でも、こっちの裏の世界でもどっちでも存在してるすごい存在。 最近出来たばかりの会談話なんかより高位の幽霊。 見た目は小学生くらいでも、実年齢は××達なんかよりずっと上のおば……げふん、お姉さんです。 ちなみに、花子さんをおばはん、年増、ババアとなどと呼ぶと、高確率で死に至ります。 みんな気をつけてね。 「貞子に追いかけられてんの、タスケテクレマセンカ?」 「はいはい、取り敢えずトイレには入れないようにしてあげるからさっさと元の世界に帰んなさい」 ××の体力(ライフ)はほぼゼロ。 貞子がトイレに入ってこれないよう結界を張ろうとも思ったが、それをやったら力なくなって出れないんじゃないかと怖い。 体力のなさなめんなよ! 黒子ほどではないが、長距離走ったらダウンするよ!!と豪語する××。 豪語することじゃないのでやめましょう。 「所でこんな所に何しに来たのよ?そんな達まで連れちゃって」 「いやーこれにはいろいろあって…。そう言えば花子さんは気づかなかった?この子がコッチの世界にいること」 「どういうこと?」 「いやぁ実はね?この子が誰かに攫われたっぽくて、探してたらここまで来ちゃったワケ」 「そう言えばさつき、お前ここまでどうやって連れてこられたのかわかんねぇのかよ」 「目が覚めたらここにいて……どうやって学校に来たかなんてわかんないよ!」 「まー予想通りだね。いつの間にか攫われてたパターン」 「でもおかしいわね、私はコッチの世界に生身の人間が来たら気づけるわ。なのにその子の気配、感じなかったもの」 「花子さんでも気づけなかったとなると、相手はこの間のヤツと見て間違いなさそうだね」 |