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なんてこった!

最悪!!


××は急いでポケットの中の装備(道具)を確認する。

今使えそうなものは数珠と御札くらいだろうか。


でも貞子相手にどこまで行ける?

この場合はもしかしたら逃げた方が早いかも。

詠唱で貞子とうまいこと距離を取りつつ逃げる。

よし、これだ!これで行こう。


声には出さず、この全てを即決した××。



「逃げるよ!着いてきて!!」



気が抜けたのに、さらに追い打ちをかけられ腰が抜けたらしいさつきは青峰が。

貞子がいる方向とは反対方向に逃げて距離を取る。



「どうするんですか!?」

「逃げる!で、ここから出る!!」

「どうやって!!」

「鏡!!とにかくどこでもいいからでっかい鏡があるところ!!」

「じゃあこの先にあるトイレにある鏡なんてどう?!」

「トイレ!!いいね、だったら女子トイレにしよう!あそこには花子さんがいるからきっと助けてくれる!」

「え、花子さん!!?」



学校内で困ったことがあったら何でも知ってるトイレの花子さんに頼るべし!!

これは家訓である。

花子さんは古くからいる学校の幽霊で、この間の口避け女や人体模型より全然いい。


ここで理解して欲しいのは、××と花子が仲良しだということ。

そして『いい奴』と『悪い奴』が居るってことの以上2つ。

ちなみにこの間でも、××は貞子を撒くために数珠片手に詠唱し続けている。



「大ちゃんあそこ!!」

「おう!」



さつきの言葉でトイレの存在に気づいたであろう青峰は勢いよくそこに飛び込んだ。




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