27 (桃井視点) 今、かすかにだけど声が聞こえた気がした。 大ちゃん…? されにテツくんも……? お願い助けて!! 「大、ちゃ……っ、テツく、」 恐怖で大きな声が出ない。 怖い。 助けて大ちゃん、テツくん。 またさっきのやつが来る。 私を追いかけて。 《さつきーーー!!》 《桃井さーん!!》 早く、お願い! 私を見つけて!! さっきからずっと逃げてて、もう疲れちゃったよ もう走れない。 でももし今度あれに見つかったら…? 「死に……たく、ない…よっ!ううっ」 自然と涙が出てくる。 たったったっ、 廊下を走る音が聞こえてきた。 さっきのやつがまた!? でも音が違う? 「マネージャーさーん?いますかー?!」 だれ? 人? 「さつきー!!いるなら返事しやがれーーー!!」 大ちゃんの声だ!! 私は急いで隠れていた教室のドアを開けた。 |