23 「急いで追っかけて!!」 廊下を走るな!とは言われない。 だって放課後だし、むしろ走らないと見失っちゃうから言われても無視するけど。 と××はいつも思う。 走るなと言われれば走るしと反抗的な部分もある。 しかしたったったったった、と走るのはいいが…… 「黒子……って、ええ!!?どしたん!?」 「あー、テツは体力ねぇからな」 「バスケ部なのに!?」 ぜぇ、ぜぇ、と息をしながら走る黒子。 え、マジで大丈夫? 心配する××だが紙の飛ぶスピードは遅くはならないし、黒子には頑張ってもらわないと。 そう思ってるうちにここはどこ状態に。 基本教室と移動教室、図書室以外に行き来しない××はここがどこだかわからなくなっていた。 「ここどこ」 「第四体育館です」 「え、ウチの学校そんなに敷地広かったっけ」 「この体育館はあんまり使われてないんです。基本的に使われてるのは第二体育館までで」 「へー、そうなんだ」 「おいあの紙っぺら、あそこに入ってったぞ」 第四体育館。 今使われている体育館とは逆方向にあって、今では古くて使われていないんだとか。 どんだけ広いのこの学校。 あ、でも使われてないって事は鍵あいてないじゃん。 と呟く××。 「鍵はぶっ壊せばいーだろ。おっし、行くぞ××!テツ!」 「えー、マジで壊すの?あたし知らないよ?」 「責任は青峰くん一人で取りますから大丈夫でしょう」 「あ、ならいいや。行っけー青峰ぇ!」 |