8 机の上にはそれぞれ6つの紙に包まれた髪が。 ミコトはポケットをごそごそとあさりライターを取り出した。 「なんでライター持ってんスか…」 「まさか煙草……」 「吸ってないよ!?てかあたしそんな不良じゃないし、むしろ吸ってそうなのはそこの青いのじゃん!!」 「ああ゛!?ンだとコラ」 「あー、確かに青峰っちはそんな雰囲気あるもんスね」 「黄瀬ェ……」 眉間にしわを寄せ、黄瀬の襟首をつかむ青峰。 ギャー!と悲鳴をあげ、やだやだと首を振る黄瀬。 そんな二人は放っておいいて、ミコトがライターを持っていた理由。 それはもちろん煙草を吸うためなどではなく、祓屋としてのいわば七つ道具のような、ミコトにとって必需品なのだ。 もちろんマッチでもいいのだが、あれは燃えカスが出るので後始末に困るので、ミコトはライターを持ち歩いている。 「そこの二人煩い。集中できないから黙ってよ」 「青峰、黄瀬」 「「スンマセン…」」 鬼だ。 赤司の後ろに鬼がいる……。 青峰と黄瀬はひぃいぃぃ…と震え上がった。 「いくよ…」 ミコトはそう言うと6つの紙に火をつけ、その様を見つめる。 火はどんどん燃え上がり、最後に残ったのは灰になった紙の残りかすと、 赤い髪の毛だった。 |