4 決戦、第三新東京市



___後日


「あら、#ユイト#君。丁度いいところにいたわね」

『あ、あの何か用、ですか?』

「使徒が今第三新東京市にいるのは知ってるわね?」

『はい』

「今度”ヤシマ作戦”というものをやるつもりなんだけど、その作戦に出てほしいの」

『僕が、ですか?』

「ええ、初号機_シンジ君の援護をしてもらいたいの」

『僕でいいならやります』

「よろしく頼むわ。今度非常召集をかけるから着て頂戴ね」

『はい!』







____そのあとはいつも通り学校に通って……を繰り返していたら



シンジから非常召集って言われたから一緒に行った。





非常召集、って言ったってただ単に作戦の説明と日付と時刻だから、別に大丈夫なんだけど、僕にとってはある意味初めての実戦なんだ、と思うと何だか荷が重い。

召集の作戦会議が終わると



「ユイト君、明日初めてでしょ?」

『うん。でも大丈夫だよ』

「援護、よろしくね」

『勿論!』




______そしてヤシマ作戦決行……


「零号機、初号機、四号機戦闘位置着きました!」

「後は作戦通りに!」


『「「はい」」』


この使徒、動きが読めない……







「使徒に高エネルギー反応!」

「まずい、避けて!」





『いっ……た、ATフィールド全開!』

「早く……早く…!」

「3……2……1溜まりました!」

「発射!」




「外したか?もう1回貯めて!」

『ミサト……さ、ん』

「四号機ATフィールド中和されています!残り25%!」

『レイ…?』

「如月君は下がってて」

『そんな、無茶だよ』

「ATフィールド全開!碇君、」

「綾波…」

「溜まりました!」

「発射!」



今度こそは中心へ。


使徒は人間の悲鳴のようなものをあげた。



『ふぅ、良かった。ありがとう、レイ』

「如月君、あなた……いえ、なんでもない」

『…ん、そっか、シンジ君?大丈夫?』

「大丈夫。二人とも援護ありがとう」

「こんな時、どんな顔すればいいか分からないの」

「笑えばいいと思うよ」

『レイの笑った顔可愛いね』

「そんなこと、ない」

「ふふっ」

「…碇君まで」



_____

「凄いわね、ユイト君。あんなに受けてたのに無傷だなんて」

「謎に治癒力は凄いのよね」

「確かに、謎ね。でもこんな無茶して作戦立てるなんて凄いわね」

「リツコ、これが逆転の発想ってやつよ!」

「はいはい、今度ユイト君と話してみたいわ」

「大体の確率で部屋にいるから行ってみれば?」

「分かったわ」








_________コンコン


『はい、ってリツコさん?』

「あら、名前覚えててくれたのね」

『如何してここに…あ、上がってください』

「じゃあ遠慮なく」



_____

「あなた、如何して無傷で帰ってこれたのかしらね」

『それが僕にも分からないんですよ、明らかに骨が折れたような気がしたんですけどすぐ痛くなくなりました』

「ますます不思議だわ……」

『なんか飲みます?』

「コーヒーをお願い」

『分かりました』


____



はじめて人にコーヒー入れるからなんか震える……


研究なのかな、僕が無傷で帰ってこれたことも。



でも本人も分かってないなら意味が無いような気もした。




『あ、コーヒーです』

「ありがとう」

『少し、僕の両親について聞かせてくれませんか?』

「いいわよ?」



「まずあなたの父親はね……」




僕の父親は、碇司令に1番近いゼーレの職員で、なかなか優秀だったそう。碇司令の人類補完計画を一緒に作り上げたらしい。

だが、そこでとある実験をしたところ第十三使徒バルディエルがいたことに気づかず、取り込まれてしまった。


つまり僕の父親は使徒、ということになる。


僕の母親は、碇ユイ……シンジ君のお母さんと仲がよかったそう。
シンジ君のお母さんも僕の母さんもエヴァの制御システムに自ら被検体となり取り込まれてしまったと。


『ありがとうございます、そんな話して下さって』

「あら、そろそろ時間ね。コーヒーありがとう。じゃあお暇しますね」

『さようなら』

_____パタン


なんか、色々知れたなあ。



今は、カヲルにもう一回会うために僕は生きてなきゃいけない。


それだけが




今の目標だから。



そして生きがいだから。











(早く会いたい、なんて我儘だよね)


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