▼ 2 見学と訪問者
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なんだかんだで今はシミュレーションなのだが、僕これほんとに使えんのかな、と不安で仕方ない。
やりたいことを強く思うのが大事って言ってたけど……
僕にはまだ難しいや……
「歩くことだけ考えて」
と言われてもな……
「歩いた!」
あ、これ歩いてるの?
「シンクロ率70突破!」
「凄いわ、レイを越すなんて」
「飛んだ天才なのかしら」
「これなら次の作戦から出られそうですね、特に変わった事はなさそうですし」
「そうね、エントリープラグ強制射出!」
「はい!」
終わった、のか…
あんなのを現実でやるなんて、過酷過ぎじゃないか……
でもなんか…
あれに乗ると
____気持ちが落ち着くんだ、とっても。
なんでだろう、死ぬかもしれないのに。
まあいっか。
明日からまた頑張ろ。
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何事も無かったかのようにふらっと部屋に戻ると
凄く、怪しい少年がいるのである。
「やあ、君が噂のフォースか、僕はカヲル、渚カヲル。君と同じ運命を仕組まれた子供さ」
『なんでここにいるの……?』
1番の疑問をぶつけてみた。
「さあ?まあNERVに来た理由は"研究材料"らしいけどね。まあ、なんか部屋を聞いたらここだって言われて」
ミサトさん……なぜ同居にする。
第三新東京市は広くないの……?
『あ、じゃあよろしく。カヲル君でいいのかな?』
「そうだね、よろしく、ユイト。ところで君…」
『うん?』
「______女の子じゃないかい?」
バレた。終わる。
『話すと長いよ?』
「君の話が聞きたいさ。リリンは面白いからね」
__まあひたすら僕の話をして
『……ていうことなんだ』
「ふうん、成程………君になら教えてもいいかもしれない……」
『んーと何を?』
「少し大事な話さ」
『……ん?』
この、目の前にいる少年____渚カヲルは、17番目の使徒。
そして何故か僕も17番目の使徒。
つまり、2人でひとつ。
どちらかが死んだら、「殲滅」という扱いになるらしい。
『え……それってほんとに?』
「うん、僕もよく分からないんだ…ただゼーレが言ってただけだからさ。あ、そうだ…ユイトの本当の名前は…?」
『…ユイ』
「ユイか、いい名前だね」
『ありがとう』
「(そろそろ寝ようか、ユイ)」
『(ここベット1つしかないじゃん)』
「(一緒に寝ようか、ユイ)」
『(カヲルくんめ……くっつかないで。あと暑い)』
「(何故だい?リリンはこうやって信頼を深めるんじゃないのかい?)」
『(まあいいや、なんか面倒臭いから)』
「(ありがとう)」
『(おやすみカヲルくん)』
「(おやすみユイ)」
本当は、めっちゃ赤くなってたことは隠しておくよ。
もうお見通しかもしれないけど。
一蓮托生、か。
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