▼ 6 瞬間、心、重ねて
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あ、弐号機に乗ってたのね、シンジ。
今日は何が起こるかな。
考えられないことが起こるここ____【第三新東京市】は好きだ。
まあ使徒は歓迎しないけど。
いつものようにシンジと一緒に学校に行こうと思ったのだが。
何だこの人だかりは。しかもうちの生徒。
騒ぎの正体は…アスカ?
なんか、何とも言えないな。男子諸君。その子は歓迎できないよ?
すぐ殴るし。
トウジとケンスケは写真売ってるし(しかもすごい売れてるし)
散々だ。
「Guten Morgen!」
『おはよ…う?』
いや、制服似合いすぎ…
「おはよ」
「あんたたち…やっぱり普通ね」
『なんかサラッと言われると悲しいね』
「そうだね」
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二年A組に"惣流・アスカ・ラングレー"いや、アスカが入ったおかげでA組はすごく良い目と悪い目で見られるようになったのである。
さすがに人気者__しかもエヴァのパイロットというおまけまでついてくるアスカが人気じゃないわけない。
これからどうなることやら…
__下刻時刻
NERF本部から非常招集…
また使徒か……
カードを片手にパタパタと走っていくと
『あれ、シンジ君…?』
「ユイト君…」
『どうしたの?元気ないけど……嗚呼、そういう事か』
アスカか、
「とりあえず初号機と弐号機で出ましょうか」
「そうね、二人とも。ほら準備して」
「嫌よ、私のデビュー戦なのに…一人で出させてくれないの?」
「これは命令です」
「アスカ、しょうがないよ」
「はぁ……こんなバカシンジと一緒だなんて…考えらんないわ」
『ミサトさん、僕は待機でいいんですよね?』
「うん、待機しててね」
やった。
カヲル、会いたいな。
【僕はここにいるから】
そんな声が聞こえたのは気のせいだったのだろうか。
___それから一週間。
使徒決戦の日。
あの二人頑張ってるかな。
今日も本部から見てるだけ。
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曲に合わせて
倒した。
凄く息が合ってた。さすが、夫婦と言われるだけある。もうくっつけばいいのに。
でもやっぱ、最後油断したでしょ。
喧嘩してるし……
『アスカたち凄かったね』
「あ、うんありがとう」
「ユイトはあんたに言ったんじゃないのよバカシンジ!ばっかみたい」
あ、でた。しかも連続で
ご愁傷さまです。
『ごめん、僕の言い方が悪かったんだね。二人ともすごかったよ。あんなにきれいにシンクロしてさ』
「ユイトは悪くないけど…うん、練習したかいあったよ」
「あたしがあんたのペースにあわせてあげたのよ?感謝くらいしたらどうなのよバカシンジ」
「はいはいどうもありがとう」
「あんたねぇ…」
あ、おこ。
逃げよ←
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シンジを放置してNERV本部に帰ってくると
なんか疲れた。てなわけで寝よう。
______
『……カヲル君?』
「やあ、ユイ」
『なんで…?』
「ユイの顔が見たくて」
『カヲル君…そんな事言わないで』
……会いたくなるじゃん。いくら夢でもさ。
「ユイ、……」
『カヲル君?聞こえない____』
_____ジリリリリ……
嗚呼、やっぱり夢なのか。
近くて遠いな、カヲル君は。
なんにも出来ない自分がちっぽけで。
___使徒だから
しかも自分も。
どちらかは絶対死ななきゃ行けなくて。
せめてカヲル君だけは
使徒じゃなきゃ
良かったのに、
『っ…カヲル君』
あ、れ可笑しいな
泣いてるの?
やっぱり逢うべきじゃなかったんだ
どうしてこんなに苦しまなきゃいけないんだろう。
(近 く て 遠 く て 、苦 し く て)
(会 い た く て し ょ う が な く て)
(こ の 感 情 は 、 何 ?)
(自 分 に は 分 か ら な い 、 何 か)
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