ビューティフル_02


2.


あれがストーカーの曲なんて、まったく知らなかった。

「よかったら少し、話でも」
「ぜひ!」

『見つめていたい』がストーカーの曲だと教えてくれた彼は、その直後にわたしをカウンターに誘った。
グラスシャンパンを目の前に差し出す姿も、椅子を引いてくれる所作も、すべてが気品にあふれていた。そしてわたしの歌を、素晴らしかったと何度も褒めてくれた。

「すみません、こういう場所なれなくて。シャンパン、ありがとうございます」
「こういうことは男がするもんだ。アンジェラの友達だと、大石からは聞いたが」
「そう、高校の同級生で」
「2歳年上となればもっと敬意が必要か、俺も」
「あ、じゃあ大石さんの同級生?」
「そんなところだ」
「えっとじゃあ、わたしは年上らしく、もっと図々しくてもいいってこと?」
「図々しい女はいくつであろうが嫌われる」
「あははっ、だよね」

名前を聞かないまま、話が進んでいったことにわたしは違和感を覚えていなかった。それくらい、波長が合ったということなのかもしれない。彼のスーツの奥で鳴っているスマホのバイブ音はわたしにはしっかり聞こえていたし、自分の体にだってきっと振動は伝わっていただろうに、彼はそれを無視して会話を続けた。

「いつから歌を?」
「歌っていうか、わたしはもともとお芝居が好きで」
「あくまで女優を目指してるってことか」
「中学生の頃からずっと演劇部に入ってて。その流れでいまは小劇団に所属してるけど、主役はまだ、一度もできなくて……」
「厳しい世界なんだな」
「でもそのぶん、楽しい世界。わたしあんまり、役者としては映えないみたい」
「あんなにすごい歌声なのにな」
「歌は褒められるけど、ミュージカル女優って歌と同じくらいお芝居ができないと意味ないから。相手にどう伝わるかを計算して表情とかを変えていくことがうまくできなくて。楽曲はすんなりいくんだけど」
「興味深い。楽曲は計算して作るのか?」
「もちろん。感情が盛り上がるときの音色、悲しい音色。本に合わせてこのタイミングでこんな歌、とか。全部すっぽりハマると観客の感情コントロールができるの」

自惚れていた。
これまで見たことないくらいのいい男だったし、たぶん、彼に電話してきているのは彼の恋人だろうとわかっていても、恋人より自分との時間を選んでくれていることが嬉しかった。
楽曲制作の話になると、彼の表情が柔らかくなって、気持ちが弾んでいるのが手に取るようにわかった。

「だからいまは舞台の楽曲制作をメインにやりつつ、ちょこっと演技しつつ、歌いつつ……歌専門役者みたいになってて」
「ってことは舞台では、オリジナルの曲が聴けるってわけだ」
「うん! じっくり聴いてほしい曲ばかり!」

それは、ちやほやされにくくなってきたアラサーだから感じたカジュアルなときめきだったのかもしれないし、純粋にわたしのパフォーマンスを褒めてくれたオーディエンスへの独占欲かもしれない。この人にわたしの舞台を見てほしいと、心の底から思った。
……思ったのは、わたされた名刺を見て、愕然とするまでのほんの20分程度のことだった。





「わたしの父親を殺したの」

触れられた肩が熱くて、汚らわしくて仕方なかった。楽しく会話したのが無駄に思えてならない。わたしを呆然と見ながら動かなくなった跡部景吾を睨みつけて、わたしは早足で駅まで向かった。
電車のなかで思い返すのは、父との思い出だった。父はゼネコン勤務の会社員で、現場監督を担当していた。いつも帰ってくるのは22時を過ぎてからで、朝は5時に起きて仕事に行っていた。それでも週に1度は父と母と食卓を囲んで、それなりに幸せな家庭だった。
わたしが大学3年になった頃、どうしても就職する気になれなかったわたしは、父と顔を突き合わせれば喧嘩をしていた。俳優になりたいというわたしの夢を、堅実な父は理解することができなかった。

「なんのために俺がお前を大学にやったと思ってる」
「でも、わたしどうしても俳優になりたい」
「甘い!」
「父さんお願い、ちゃんと働くし、出て行けっていうなら出て行く」
「そういう問題じゃない。いいか、俳優で食っていける人間なんて」
「そんなのわかってるけどやりたいの!」

どうして応援してくれないのだろうと、父と喧嘩をするたびに泣いていた。
母はそんなわたしを慰めてくれていたけれど、父に文句を言えるような母ではないから、いつもどっちつかずの態度で、そんな母の無力さにわたしは余計に怒りやら悲しみを重ねていた。
父の仕事が忙しくなっていったのはその頃だった。帰宅が午前を過ぎることもしばしば、朝は4時に起きるようになった。父と食卓を囲む日は2週間に1度あればいいほうで、1ヶ月休みなく働いていることもあった。たまに夜中に顔を合わせれば口うるさい父を、わたしはどんどん避けるようになっていった。だから父の体調については、それとなく母に聞くしかなかった。

「父さん大丈夫なの? 最近痩せたよね」
「忙しいみたい。でも父さんすごい仕事にありつけたんだって。これを着実にこなしていけば偉くなれるって張り切ってんのよ」
「偉くなんて、たかが知れてるくせに」
「そんなこと言える立場なの伊織。父さんのお給料で母さんもアンタも生活できてるの」
「うるさいな、わかってるよ」
「俳優になりたいなら、やりたいことやらせてほしいなんて感情的なことばかり言ってないで、ちゃんと目に見える形で説得したら?」

母のその言葉に突き動かされて、わたしは手紙と舞台のチケットを、夜中、テーブルに置いた。ちょうど1ヶ月後に、大学の学園祭が開かれる予定だった。演劇部の出し物として、わたしは歌を任されていた。その姿を父に観てほしかったのだ。忙しいから無理かもしれないと思っていた。でも、もしかしたらという思いも同時にあった。
それから学園祭当日まで、父と顔を合わせることはなかった。やっぱり無理なんだと思った。それに父は俳優という夢を嫌悪していたから、観にくるはずもないか、と勝手に自分のなかで結論づけた。
でも学園祭当日、父はわたしの舞台を観にきてくれたのだ。父には言えなかったけど、それはいままでで、いちばん嬉しい出来事だった。
だから舞台が終わってから、ふたりで学園祭を楽しんだ。大学のベンチで焼きそばと豚汁を食べた。本当なら、気になる男の子と楽しみたかった学園祭も、父との時間に変えるほど、わたしは嬉しかった。

「お前、歌がうまいんだな」
「父さんとカラオケ行ったことないもんね」
「父さん音痴だからさ」

笑うと頬のシワが目立って、ああ、また痩せたなと感じたことを、いまでも思い出す。

「やってみなさい。やることに意味があるんだろう、きっと。父さんみたいな古い人間には、よくわからないが」
「父さん……」
「伊織がすごく、楽しそうだった。そういう顔ができることが、大事なんじゃないかって思う。どうせ生きるなら笑ってたほうがいいだろう」

父が亡くなったのは、その翌日のことだった。





「ただいま」
「おかえりー。思ったより早かったね。母さんもいま、帰ったとこ」
「遅くない? あんまり無理しないで」
「まだまだ若いから大丈夫よ」

父が亡くなってから、母とはずっとふたりで暮らしている。
もともとそんなに裕福な家庭じゃなかったから、貧しさには母もわたしも耐えれたけど、心のなかに空いた穴だけは、なかなか埋めることができない。

「ねえ母さん、もうすぐ10年だね」
「あ……そうだね。父さん死んでからもう10年にもなるんだ。早かったね」
「今日、跡部景吾に会った」
「え……」

父は急性心不全で亡くなった。医者からはストレスと過労が原因だろうと言われた。
その頃、父が「偉くなるため」と言って寝る間もなくやっていた仕事は、テニススポーツクラブの建設だった。

「跡部財閥グループの跡部景吾だよ。自分のテニス強化のためっていう金持ちのわがままでテニススポーツクラブ建てようとした、あの跡部景吾!」
「そう……跡部さんに」
「跡部さんに、じゃないでしょ。父さんが死んだの、あいつのせいじゃん!」

大学進学した跡部景吾は跡部財閥グループからの支援を受け、起業してテニススポーツクラブの建設に乗り出していた。その建設を父が担当したのだ。父の同僚だった人が、全部、教えてくれた。
父は何度も何度もくり返される跡部景吾の設計の変更に、四苦八苦していたそうだ。設計を見直し、跡部景吾の元へ持っていってもなかなかすんなりとことが運ばない。何度も聞いてやり直しても納得がいかないと言われ、1箇所うまくいったと思えば次の箇所で跡部景吾からのクレームが入る、そのくり返し。
当然、工事は長引いてしまう。おかげで下請けや近隣住民からも責められ辛い立場となった。こんなに時間をかけては利益が出なくなると、会社側からも責められるようになっていった。周りに頭を下げる毎日、父は板挟みで心も体も疲労し食欲も無くしていたのだと思う。でもそんな父に、跡部景吾は毎日のように言っていたらしい。

――へこたれてねえで完璧なものを作ってくれ。アンタがしっかりしてくれなきゃ、俺の夢もアンタの夢も、頓挫しちまうんだよ。

出世を夢見ていた父の心を弄んでいたとしか、わたしには思えない。

「それにあいつ、葬式にだって顔も出さないで」
「やめなさい伊織」
「だって……!」
「ねえそれより、今度の舞台いつなの? 母さん行ける日ありそう?」

笑顔の母に、これ以上の恨みをぶちまけてもしょうがないという気にさせられる。わたしはバッグにいれていたフライヤーをわたして、母の肩に手を置いた。

「こってるね、母さん」
「まあ、若いって言っても歳は取ってるからね」

専業主婦だった母は、あれから10年、ずっとパート勤めをしている。父が亡くなってすぐ、就職活動しようとしたわたしを止めたのは、母だった。おかげでわたしはいまもバイトをしながら夢を追いかけてはいるけれど、そろそろ現実的にならないといけない。

「ねえ……わたしやっぱり、就職活動しようかなって思ってるんだけど」
「バカ言わないでよ。なんのキャリアもないアンタを、どこが雇ってくれんのよ」
「もちろん大変なのはわかってるよ」
「夢を追いかけろっていうのが父さんの遺言でしょ。母さんもアンタには夢を追いかけてほしい」
「でも、もう31だし……」
「アンタの夢に年齢制限なんかないんだから、とことんやりなさい」

肩を揉む手に、母の乾いたシワだらけの手が重なる。年齢を重ねていく母。いつまでもこのままなはずはないのに、わたしはいつも、母の言葉に甘えてしまう。
スマホのバイブ音が聞こえてきたのは、そのときだった。見知らぬ番号だったが、チケットが売れるのだと思いすぐに電話に出た。でもそれが、間違いだった。

「はい、佐久間です」
「跡部景吾だ」

なぜこの番号を知っているのだろうという疑問よりも早く、わたしは電話を切った。またスマホが鳴る。さっきと同じ番号だ。着信拒否をする暇もないくらい素早い。
この際だから言いたいことを言ってやろうか。

「わかってはいたが切るな、大事な話だ」
「なにか」
「どんな恨みがあろうと、現状じゃ俺が2千円、儲けちまってるぞ」
「は?」
「忘れたのか? 俺はチケット代として1万円わたした。お前は2千円を戻してきた。それでお前は俺に1万円を突き返してきた」
「……なるほど」
「こういうのはきっちりさせておきたい性分なんでな」

小劇団の俳優をやっているわたしが2千円くらい、と思わないのを見越しているのだろうか。はっきり言って貧しいわたしに2千円はでかい。安売りのたまごが10パックは買える。

「とはいえ、俺には二度と会いたくないだろうな」
「よくおわかりで。わたしが誰なのか、わかったんですか?」
「さあな。跡部財閥に殺されたといちゃもんつけてくる連中は腐るほどいる」

そうだろう。大きな組織に埋もれて人生を台無しにされる弱者はいつだって黒い正義に勝てはしない。跡部景吾はわたしのことを弱者だと、腐るほどいる連中のひとりだと、そう思っているんだ。奥歯がギリギリと鳴り出しそうなのを堪えたのは、久々だ。

「口座番号をお伝えします」
「そうしてくれるとありがたい。こんなことで恩を着せられても困るんでな」

これがこいつの本性だったんだ。さっきまでの紳士然とした跡部景吾はよそいきか。
口座番号を伝えているわたしを、母が見ている。声には出さず大丈夫と伝えたのと同時に、跡部景吾がわたしの口座番号を復唱していた。

「はい、それで結構です」
「明日には振り込んでおく」
「よろしく。それから二度と電話してこないでください」
「ずいぶ――

跡部景吾の言いぶんは聞かずに、わたしは電話を切った。





10日ほど過ぎた日のことだった。

「伊織、今日はなにも予定ないの?」
「うん、練習もバイトもないんだ」
「母さんも今日は夕方には帰るから、晩ごはん一緒に食べれるね」
「作って待ってる! いってらっしゃい」

母を送ってからすぐにわたしはスーパーに出向いたものの、財布のなかは千円札が1枚だと把握していたので、側のATMに立ち寄った。
2万円、と入力して引き出すと、明細を発行しますか? といつものようにコンピューターに聞かれた。残高を確認するとがっくりきてしまうので、いつもわざと残高を見ないようにして操作をすっ飛ばすのだが、このときはどういうわけか、明細発行のボタンを押してしまった。そして発行された明細書を見て、わたしは固まった。
残高には『300,230,059』と記されていた。





「跡部景吾に会いたいんですけど!」

ネットの情報を駆使して来たのは、誰もが知る大手商社『アスピア商事』だ。

「お客様、ご予約は……?」
「そんなものありません! でも跡部景吾に連絡すればわかるはずです。佐久間伊織が来ていると、いますぐ言っていただけますか!」

すぐに家に戻って通帳を引っ張りだして通帳記入をしても、結果は同じだった。
わかったのは6月15日に『アトベケイゴ』から3億円が振り込まれていたという事実だった。今日が22日。わたしは1週間もあんな大金を通帳に残してしまっていたのだ。

「佐久間様、お通しするようにとのことでしたので、こちらの入館証を……」
「はいどうも!」

入館証を受付からもぎ取るようにして、わたしはエレベータへと向かった。大きすぎる会社にわたしのラフすぎる格好は目立って、急に恥ずかしくなる。
あの野郎、このことを見越してわたしに恥をかかせようとしたのなら、絶対に許さない。

「跡部常務、佐久間様がお見え……あっ、佐久間様!」
「どうもこんにちは!」

秘書らしき人をかいくぐって大声でバカでかい部屋に入ると、跡部景吾が偉そうな机に座ってそこにいた。となりに、目を丸くしてわたしを見ている女性が突っ立ている。でもそんなことはどうでもよかった。

「二度と電話してくるなと言ったのはそっちだが、二度会うのはよかったのか?」
「二度と電話してくるなって言っちゃったもんだから、会いに来たんですよ。こんなとんでもないことされたんじゃ、黙ってられなくて」
「なるほど。負け惜しみで履歴から電話をかけることはしなかったというわけだ」

どこまでも腹の立つ男だということは、いま、嫌というほど思い知らされている。わたしは黙って跡部景吾を睨みつけた。

「常務? こちらは……」

跡部景吾のとなりにいる女性が怪訝な顔でわたしを見ている。抜群のプロポーションで高級ブランドの服を着て綺麗なロングヘアをなびかせながら、わたしを見ている。この若いキャリアウーマンから見れば、さぞかしみすぼらしい女に見えているだろう。

「小劇団の女優さんだ。佐久間伊織さん」
「伊織さん……ああ、あなたが」

なんでそんな話を社員にしているんだろう、気持ち悪い……でもそんなことどうでもいい。

「どういうつもりですか、これ!」

跡部景吾の目の前まで行き3億円が記帳された通帳を開いて叩きつけると、跡部景吾はふっと笑いやがった。

「贈与税が1億かかるだろうから引いて2億円分の慰謝料だ」
「2億円!?」となりの女性が驚いて声をあげた。
「ふざけないでよ。なんでわたしがアンタから3……いや2億も!」
「お前の父親を、俺が殺したと思ってるんだろう?」
「うちの父の命は、こんな金で片付けられるようなものじゃない!」
「だが事実、手っ取り早く謝罪の気持ちを伝えるとなれば金でしか換算できない。セクハラされた人間も金、冤罪を受けた元受刑者も金、交通事故を起こして大事な人を殺された被害者遺族も金、医療ミスで普通の生活ができなくなった患者も金。となれば、過労死で亡くなった遺族も金だ。労災はすでに受け取っているだろうが、俺からふんだくらないと気が済まないだろう」
「人聞きの悪いこと言わないでよ! いつアンタからふんだくろうとしたの、冗談じゃない! わたしがお金に困ってそうだからって気前よく出たつもりなんでしょうけど、こんな汚い金いりません! すぐにお返しします。口座番号教えて」
「アーン? お前バカか? そんな個人情報、教えられるわけがない」
「はあ!? アンタこないだわたしから口座番号を聞き出しておいて!」
「人聞き悪いのはどっちだ。お前が勝手に俺に口座番号を教えたんじゃねえか」
「なっ、アンタが金返すとかなんとか言うから……!」
「あんなひどい言葉を浴びせられて口座番号を伝えてきたら、それはそういうことだと思うのが普通じゃねえのか?」
「アンタ……わたしがアンタを脅したって言うの!?」
「そうは言ってない。だがもう税理士は立ててある。後日、お前のところへ税理士が行くはずだ」
「ちょ、ちょっと待ってよ、なんなのその話!」
「だから贈与税だと言ってるだろ。さっさと手続きして1億円は納付しろ」
「こんな金、絶対に受けとらない!」

そう響いた声を最後に、急にシン、と部屋の中が静まり返った。跡部景吾の反論がない。おまけにさっきからそこにいる女性は唖然としている。わたしの途切れる吐息だけが、わずかに残っていた。

「じゃあどうする。すでに1週間も経っちまってるが? 知らず知らずに使ってた可能性もあるんじゃねえのか?」
「1円も使ってない。お返しします! だからさっさと、アンタの口座番号を教えなさい!」
「……そうか、そんなに拒むなら仕方ない」

ようやく、跡部景吾は折れた。わたしは口座番号をメモるために、スマホを取り出した。
一瞬、このお金のことを母に相談すべきだったかもしれないと思いながらも、頭のなかですぐにそれを打ち消す。

「ただし、条件がある」
「は?」
「口座番号を教える代わりに今度あるお前の舞台チケット、あの日のとおり2枚売ってもらおうか」

そのときわたしは、ようやくわかった。
跡部景吾……この男、最初からそのつもりだったんだ。





to be continued...

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