抱きしめてしまいそうさ_02








「…っ…国光…っ…待って…」

「だめだ…もう…待てない…」












抱きしめてしまいそうさ












2.






喧嘩別れしたような状態になっていた国光を私はどうやっても忘れることが出来なくて…3ヶ月前にしていた約束を、国光が覚えてくれていたら…その一心でマンション前で彼を待ち伏せしていた。


午前0時を回って国光の誕生日が過ぎた時私の頬を涙が伝って、苦しくて…それでも信じて待っていたら国光が私の前に現れた。


お互いを求めるように熱いキスをして、それから私達は…無我夢中で抱き合って…国光の部屋にあがるエレベータの中ではもう、国光は私を抱きそうになっていた。


彼のマンションに入ってそのドアが閉まる前に、私は背中を壁にして国光に激しく求められた。

容赦なく私の口の中をかき回す彼の舌が熱っぽくて…あまりの激しさに私の頬に生理的な涙が零れる。


「んっ…んんっ…!!」


こんなに激しく私を抱こうとしたことが今まであっただろうか?

国光は私を抱き寄せて上着の裾から一気に手を入れてきた。

その手が私の胸をブラの上からそのまま捕らえて揉みしだかれていく。


「あっ…はぁっ…っ…ん…」

「どのくらい待っていたんだ…」


「えっ…」

「ずっと…俺を待っていたのか?」


息を少し荒げながら国光がそう聞いてきて、私は愛撫に悶えながら答えた。


「ぁんっ…ん…うん…」

「肌が冷たくなっている…伊織…お前…」


そう言って口付けながら私のブラウスをするっと脱がすと、今度は彼自身、着ている服をばさっと床に放る。

その直後に私のタイトスカートの下から手が伸びてきた。


「やっ…はぁ…」


その行為がなんだかとてもイヤらしくて私の興奮が高まる。


「もう…濡れてるな…」


私の下着の上をそっとなぞって、耳元で国光が囁いた。

その声とその行為が余計に私を熱くさせる。

それと同時にブラを上にまくしあげられ、すぐに国光の舌がその突起へと絡みつく。

そこから国光が唇を離すと、さして冷たくも無い空気が私の胸に張り付いている彼の唾液を揺らして、ひやっとした感触を私の胸に感じさせた。


「ぁっ…あ…あん…!」


スカートの中で静かに撫で回されていた私の太腿から国光の指が移動して、下着の横から割り込むようにして私の秘肉をなぞりはじめる。


「あっ…いやっ…ああっんっ…」


ピチャピチャと音を立てて充分に濡らすと、手を回すようにして私の秘部の中へと指をねじ込んできた。


「ぃゃ…っあっ…はぁん!」

「伊織…この2ヶ月の間…お前のことを考えていた」

「はっあっ…国光…っ」


下から強く押し上げるように国光の指が私を突いて、その指を2本、3本とするすると受け入れるほどに、私の溢れ出る愛液が下着の上から太腿へツー…と伝っていくのが自分でもわかった。

国光はそんな私をじっと見つめて目を逸らさない。

私がその恥ずかしさに横を向いて彼から目を離すと、それを許さないとでも言いたげに私の正面へと顔を覗き込ませて、飽きるほどの熱い、長いディープキスを繰り返す。


「俺を見ろ…」

「んっ…ぁぁっ…」


私の首筋へと赤い花を咲かせるようにきつく吸い上げながら

今度は焦らすかのように私の秘部から指を抜き取った。


「はっ…あっ…いや…やだ…」

「ん…?」


私の愛液が付いたその指を私の背中に回して、ブラを外そうとしている彼に私は耐え切れず訴える。


「やだ…やめちゃ…いや…」


私が涙目で国光にそう言うと、国光は心なしか少し微笑んで


「随分と大胆なことを言うんだな…やめるつもりは無いが?」


そう言って、すぐにブラを外してから今度はスカートのファスナーを降ろす。


「これも邪魔だな…」


そのままするっと下着を脱がされてブラウスを腕に通しただけのような私の裸体を抱きしめ、頭からチュッチュッと音を立てて、ゆっくりゆっくりとキスしていった。


お腹に差し掛かった国光の唇からすっと舌が伸びて、そのくすぐったさと妖艶さに私はじりじりと濡れていく自分を感じていた。


そうして静かに私の股を広げると、さっき下着から漏れて伝った私の愛液を舌ですくいながら、私の太腿にまた赤い花を咲かせる。


「やぁ…ああ…んんっ…」


私のソレをじっと見ている国光は親指の腹でまた秘部をなぞった後、今度はゆっくりとヌチャ…と音を立ててまた3本の指が無理矢理に私の中へと入る。

それと同時に立ち上がって、胸へと舌を這わせてきた。


「綺麗だ…伊織…」

「ぁッ…ぅん…ああっ…」


下から顔を覗き込んでくる国光が私の表情をじっと見つめるその目が合った時、国光が私にせがむようにして目を細めた。


「伊織…愛している…」

「…!」


国光にそう言われて私は涙が出るくらいに嬉しかった。

滅多にそんなことを口にしない彼が、私を見つめて愛を囁いたのだ。


その言葉をきっかけに国光の指がまた激しく私を突いてきて、私はもう限界に近付いていた。


「ああっ…やっ…あっ…いやっ…イッちゃああ…!!」


私が国光の指を締め付けている感覚が伝わる。

痙攣は足まで伝わって震え出し、それに気付くと国光は私を抱えた。


「んん…っ…」


その余韻での声も絶え絶えになっている私に、国光はキスを落としながらベットルームまで移動すると、自身の服も全て脱ぎ捨てて私を抱きしめる。


その手がまた私の乳房へと到達し、突起を軽く摘んでひねると私の身体がびくっと反応した。

その時ぶれた手をそのまま国光自身へ持って行くと、彼の身体も同じように反応し、はぁとため息に近い息を漏らす。


自然とベッドに腰を下ろした国光に私はそのままキスをして、胸まで唇を滑らせた後、私の手の中にある熱いモノの先端をチロチロと舐めはじめた。


「んっ…あ…」


一旦その舌先を離すと透明の液体がトロンと糸を引いた。

その根元から上へ舌を這わせた後、彼自身を上から咥え込んだ。


「あっ…伊織…くっ…ああ」


国光の手が自然と私の頭を支えてその頭の動きと一緒に上下する。

彼をそっと見上げるとその私の顔を見て、困惑の表情を浮かべている。


ズプッズプッという生々しい音が部屋中に響き渡る。

私はその音にさえ興奮して、歯を立てないようにきつく吸い上げた。


「あっ…ううっくっ…!」


国光は首を後ろに逸らして天井を見上げるように身体を仰け反らせた。

私の頭を支える手に力がぎゅっと込められて、にわかに私の髪の毛がきゅっと捕まれた。


「あっ…うっ…伊織っ…」


国光が私の名前を呼んだかと思うと、突然に抱えられてベッドに押し倒された。

横に寝返りを打っているような状態の私に、国光は容赦なく私の秘部に指を滑らせてから、それを確認するように彼自身をぐいっと入れて突き上げてきた。


「ああっ…あっ…!!」

「くっ…キツイな…伊織っ…」


ヌチャヌチャという音と共に国光のモノが私の中で抜き差しを繰り返す。


「あああっ…あっ…あっ…やっ…はぁっ…す…すごくにみ…つぅ…」

「んっ…くっ…」


自然と身体がうつ伏せになった途端、国光が私の腰を掴んで一気に持ち上げる。

そのせいか、さっきよりも激しく突かれて私の声も大きくなっていく。


「はぁっ…ああ!!…あっ…壊れちゃうああ…!!」

「うっ…くっ…俺も…壊れてしまいそうだ…伊織っ…!!」


そう言うと国光は私の上に覆いかぶさるようにして、その右手を胸に、左手は露になっている花弁を捜して執拗に攻め立てた。


「あああああっん…も…そんなにしたら…ダメ…いいやっもうっ…!!」

「っ…っ…俺もだ…くっ…伊織…!」


激しく交わった私達はそのまましばらく抱き合い、お互いの存在を確かめ合うかのように、何度も何度も舌を絡め合わせた。





* *





「ねぇ国光…我侭言って、ごめんね…?」

「あれは俺が悪いんだ…もう気にするな…」

「違う!あれは…私が悪いもの…」


国光の胸に顔を埋めると、そのまま額に唇が小さく触れてきた。


「…ありがとう」


国光はそう言って、私からの贈り物を指にはめて掲げた。

それを左手の薬指にしてくれていることが嬉しくて、私も思わずキスを返す。


「伊織…」

「ん?」


「俺からも…ひとつ…我侭を許してくれるか?」

「なあに?」


国光らしくない発言に少し驚きながらも、私は聞き返した。


「来年も…再来年も…俺の誕生日には、傍にいてくれないか?」

「…国光……」


「望みすぎか…?」

「そんなわけ…ないじゃない…」


胸がじわっと温かくなって、私はもう一度彼の胸にしがみついた。

そっと私に回された国光の手は、暖かくて、その一箇所から、シルバーリングの冷たさが私の背中に伝わった―――――――。






















fin.
Count Number 8668:Request from M様 & Count Number 9232:Request from 波川藍様



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