十月の夜空









ねぇ、景吾のぬくもりと その優しい無防備な寝顔を

ずっと見つめていたいから…下手くそだって笑って許して?

そしてずっと、暖めて欲しいの―――。

















十月の夜空




















「……………………はい…跡―――」

<きゃーーーー!!景吾おはよーーーー!!おめでとーーー!!>


「……………切るぞ…」

<なーーーーーーーっ!?ダメだよ何言ってんの!?早く支度してうちに来てよぅ!>


午前11時、痺れを切らして景吾に電話をかけた。

私はこの3時間前から起きてうずうずしていたのだ。

だって約束していたのは昨晩の午前0時…景吾の誕生日を迎えた瞬間にお祝いするはずだった。

なのに昨日の夕刻、景吾からの電話。


-悪い伊織、どうしても外せない会合が入っちまった…また後で連絡する-


景吾は…あの跡部財閥のお坊ちゃんで、そりゃまぁなんとも忙しい人。

だからこういうことは、初めてじゃなかった。

だけど景吾は前々から、私が張り切るのがわかっていたから、この日にどんな予定があったって、私を優先すると約束してくれていたのだ!

だと言うのに……!!

そんな私との約束をどうしても外せない会合でまとめようとするなんて!!


ふてくされまくった私に、景吾が「悪い…」と何度も謝るもんだから、私もそこでは許したものの…(かなりぶつぶつ言ったけど)いつまで経っても電話は来ないし、時間は刻々と過ぎていく。

気が付いたら夜中の2時で、電話したらしたで電源が繋がらないじゃありませんか!


結局…むすーっとして不貞寝した私に電話がかかってきたのが午前7時。

それで目が覚めて、そこからむきー!とまた不貞寝して午前8時にまた目覚めた。

そこからイライラといろんな支度をしてから午前11時…まだなの!?となって今に至る。


「…あのな、伊織…俺…7時に電話したな…?今終わったって…」

<うん、そうだね!………だから?>


「…お前がキレてんのはしょうがねぇよ、わかる…だがな…いくら俺様でもそれから自宅について眠ったのは8時だ…な?いいか、今11時だ…それくらいの計算出来るよな…?」

<うーん、あ、そうかー!3時間だ!生まれてこのかた20数年、やっと引き算できるようになったー!>


景吾が眠たいのはよくわかる…だけどぉぉぉ………うぐ…

私だって今日のために会社休んで、景吾と一緒にいたいから昨日の夜からいっぱいいっぱい準備して待ってたのに…景吾のバカー!!と…そんな想いが積もりに積もって、私の口からはものすごいワガママが山のように出てくる出てくる…これじゃただのガキ…。


「……………………切るぞ…」

<景吾ぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!!私だって会社休んで…っ頑張っていっぱい作ったのぉぉぉ!今すぐ会いたい!!来てくれなきゃ嫌いになる!!>


「あああああもうわかった、わかったから嫌いになるとか言うんじゃねぇ…」

<ほんとぉ!?>


「ああ…だが寝かせろ…いくら俺様でも散々酒を飲まされた後に3時間の睡眠は死ぬぜ…鬼かてめーは…」

<待ってる!すぐ来てね♪>


結局、景吾は私に優しい。

今から景吾に会えると思うだけで、私はすっかりご機嫌になった…はずだったのに。




+ +




ピン…


「景吾ーーーーー!!」

「っ!……伊織…違う人間だったらどうするつもりだ…あーん?」


チャイムが鳴った瞬間に開けた玄関の扉。

私は何も疑わずに景吾に抱きついた。

昨日の夜からずっとずっと待ち続けていた景吾が、約束の時間から12時間遅刻でやっと私の目の前に現れてくれたのだ。


「違う人なわけないもん景吾だもん」

「…郵便の配達人とかだな…いろいろ居るだろうが」


「でも景吾だったんだからいいじゃない?会いたかったよぅ…」

「…ああ…悪かった…水くれねぇか…?気持ち悪りぃ…くそあの眼鏡野郎…なんでいやがった…バカみたいに飲ませやがって…何が誕生日と結婚前祝だ…調子いいことばかり言いやがってあの眼鏡…」


それでも景吾は全然、嬉しくなさそうで…。

真っ青な顔して、げんなりな感じで、私に触れもせずにベッドに向かおうとしている。

そしてなにやらブツブツと言いながら、私に水分を乞う。

私じゃなくて…水…。いや…私よりも…水…?

そしてその言葉通り、少しだけお酒の匂いもしている…私よりもお酒を取ったような気がして、そして今は水を取ったような気がして、むっとしてしまう。

それがどれだけ大人気ない感情なのかって、わかりきっていても。


景吾の誕生日なのに…だから私だって、ずっとずっと待ってたのに…。

少しくらい…会いたかったって…言って欲しい時だってあるのに…。


「…………………わかった…水飲ませればいんでしょ…」


いきなり声のトーンを暗くして、ぶすっとしてキッチンで水を汲んだ私。

そのふてくされたままの表情でコップを手渡して、ぷい!と背中を向けると、景吾は漸く、私に声をかけはじめた。


「…おい…伊織…?」

「…景吾、全然嬉しくなさそう…無理させやがってって…思ってる…」


景吾の気持ちはわかってるつもりだ…景吾だって私の為に頑張ってくれてたはず…会合早く抜けようって。

私に早く会いに行かなきゃって…早く会いたいって…それでも思うように事は進まなくて…私にも、会合の相手にも気を使って…


「…おい……ちょっと待て伊織…いつ俺様がそんなこと言った?俺はそんなこと思っちゃいねえし、俺だってお前に―――!」


一番疲れているのは景吾なのに…一番悔しい思いしてるのも…だけど理解している気持ちとは、全く裏腹となってついて出てくる言葉たち…。

どうして私は、こんなに可愛くない女なんだろう…。


「私が望むならいつだって傍にいるって言ってくれたのに…!!」

「……伊織……」

「私に忠誠を誓うって!!約束してくれたの景吾じゃない…!」


言い過ぎだなんて自覚は、充分すぎるほどにあった。

私が言った言葉は、景吾が私の誕生日にくれたプロポーズの言葉…素敵な…とっても素敵なメッセージカードと、景吾が描いてくれた私の油絵と、その翌日に景吾と二人で選びに行った、キラキラ光る、ダイヤモンドと一緒に…。

そのダイヤが、私の左手の薬指で窓から降り注ぐ太陽に反射した時だった。


「私より大切なものなんかないって言っ――――――ッ…!」


景吾は、自分に背中を向けて最低なことを言い放っている私の腕を強く掴んで振り向かせ、私の口を塞ぐかのように唇を激しく寄せてきた。


「………っ…うっ…ひっく…ごめん…ワガママばっかり…」

「…いい…俺が悪い…お前にそんなこと言わせるなんてな…悪かった…」


景吾がそっと私を引き寄せて、抱きしめて…ゆっくりと頭を撫でてくれた。

景吾の暖かい掌の流れが私の髪の毛に沿って零れる…。

ぎゅっと強く抱きしめると、必ず強く抱きしめ返してくれるいつもの返事。

こんなに優しい人なのに…私が鬼と言われてもしょうがない…。


しばらくぐじぐじと彼の腕の中で鼻をすすっていた私は、この仲直り後のなんとも言えない雰囲気を明るくするために、やたら元気な声を出して言った。


「ねぇ景吾、あのね、私ね、今日はたくさん料理頑張ってみたの!お料理本たくさん読んでいっぱいいっぱい作ったの!」

「おお…!そうか…ふっ…ありがとよ…早く食いてぇな…」


「でねでねでね!なんとデザートも作ったの!!」

「そうか…早く食いて……………………うん……」


「……?……わっ…け、景吾ぉ!?」

「…………………すー…」


立ったまま…(あんぐり)。

私を抱きしめて突っ立ったまま、ぐらっと揺れた景吾を見上げると、完全に眠りに陥いっていた…。

その疲れたような寝顔を見て、ふっと癒される…。


「……ぷっ…ごめんね景吾…無理させて…よっ…とっ…重…っ…」

「…ん……んん……悪り…寝る…」


「もう寝てますよ〜って…」

「ん………………すー…」


私が少し景吾を動かしたことで、一瞬目を開いた景吾はそのまま私の肩へ寄りかかって、聞き取れないくらいのぼそぼそ声でそう言った。

ベッドに倒れこんだら、寝ぼけながらもそのまま私を放さずに、3時間ほど眠っていた。

早起きしてしまった私も、つい、その腕の温かさに身をゆだねて眠った。





+ +





「ふぁ……ああ………よく寝た…かなり復活した…」

「…………景吾の欠伸ってどれくらいの人がびっくりするんだろう」


先に目が覚めていた私は、景吾の欠伸を見てふとそんなことを口にした。

すると景吾は口を「あ」と開けたまま、呆れた顔をして私を見る。


「…びっくりするようなことなのか…?」

「だって跡部様だよ…?」


なんだか人間の自然の摂理が、不自然な程に彼には似合わない。

どういうわけか、逆に不自然なことが彼には似合ってしまうから不思議だ…。

でも、そんな言葉はぐっと飲み込む…せっかくさっき仲直りしたばかり…こんなこと言って婚約破棄にでもなったら大変だ(ありえないけど)。


「なるほどな…庶民には俺様の欠伸もさぞかし美しいことだろうな」

「ぷははっ…!そんなこと自分で言うから跡部様なんだよ〜!」


「フッ…まぁいいだろ?さて…早速伊織の作ったメシでも食うか…」

「あ…待って景吾!」


1Kの…景吾には似合わなすぎる私のマンション(と呼ぶには恐れ多い造りだけど)。

景吾はその狭い部屋の一角にある私のベッドから降りて、早速キッチンの方へ向かって行こうとしていた…だけど。

それを私が遮って、景吾の背中から彼の着ている黒のニットセーターをぐっと掴んだ。


「おいおいおいおい伸びる伸びる伸びる伸びる…」

「あああ!ごめん!!高そうな服…」


景吾がらしくもなく、私の手を見て慌てる手前ほどの声を出して早口に言う。

私はそれを聞いて、慌ててその手を離した。


「いや、構わねぇが…一体どうした…あーん?」

「あ、うん…先に…先にプレゼント渡しちゃおっかな〜って!」


もう待てない…これが私の正直な思い…。

随分前から考えていた景吾への誕生日プレゼント…昨夜渡せると思っていたはずの時間から、すでに15時間は経過していた…

驚かせたい私の気持ちはもう待てないのよーーー!!


「そうか…くくっ…ああ、実はさっきからそこに覗いてるラッピングが気になってはいたんだがよ…」

「えっ!あっ…ああああああ!!」


私が言った後に、景吾がニヤっとしながら、顎で私の背中側にあるクローゼットを指す。

その言葉に愕然として振り返ると、締め切られていないクローゼットの僅かな隙間から、白い、ピカピカとした袋と赤く不器用に結ばれたリボンが顔を覗かせている。


「うわーーーん!驚かせるつもりだったのにーーー!」

「はははっ…大丈夫だ伊織、中身は見えてねぇから…ありがとな…」


しぶしぶとした顔して私がそれを引っ張って、泣き喚くように渡したら、景吾は優しく微笑みかけながら私の頭を軽く撫でた。

そして、軽く額にキスを落としてリボンをするっと解く…どきどきする…。

さぁ景吾は…どんな反応を示すのか…?


「…これは…ナイトウエア…!」

「ナ、ナイトウエア!?パジャマじゃないの!?」


「パジャマ…ああ、まぁそういう言い方もあるな…」

「いや…そっちの方が普通でしょ…」


そう…それは跡部様風に言えばナイトウエア…私の中では普通にパジャマ。

景吾の誕生日プレゼントに、私はそれをプレゼントした。しかも…


「………ん…?ほつれてるぞ、ここ」

「えっ!あ…あちゃ…糸が見えて…」


「ここも…ん…?なんだこの縫い目…やけに斜めだな…」

「あわ…わわ…」


意外に彼は家庭的である…というか手先が器用だからなんでもこなしてしまうと言ったほうが正しい。

だから私が出来ない掃除も料理も、彼の目の前でやるといつも叱られる。

掃除はこうするんだ、それはこう作るんだって…。

そして今日もそのノリで、目ざとく綻びを見つめる景吾のしかめっ顔にびくびくしながら私が「うっ…」となっていると、景吾の動きがピタ、と止まった。


「………………………伊織」

「はいっ…うう…」


「…こ…もしかし……お…お前…手作り…か…?」

「はい…そそ…そう…なんです…」


「……伊織…」

「はひっ……!!」


またいろいろ言われるーーーー!!

そう思って後ずさりして目をきゅーっと瞑った時…景吾が、がばっと私に抱きついてきた。


「わぁ!!」

「サンキュ…頑張ってくれたんだな…」


私の不器用さを知っている彼だからこそ、きっと感動しているであろうその言葉。

景吾のためじゃなきゃ絶対に手作りなんてしない、怠惰な私を知っているから。


「いつサイズなんて測ったんだ…?ん…?」

「えへへ〜…そんなの、いつだって触れてるからわかるよぅ…」


景吾が嬉しそうに聞くもんだから、何気なく、いちゃつくつもりで言った。

勿論、本当は景吾ぼっちゃまの使用人さんに聞いて調べたんだけど…


「!…ほぅ、言うじゃねぇの…」

「え?」


「伊織のドスケベ…」

「なーーーー!?」


「なるほど、俺に抱かれながらそんなこと考えてたのか…?」

「だだだだー!?ちちち、違うもん!そういう意味の触れるじゃ…!!ひゃあ!!」


私が言い訳する暇もなく、そのままドンッとベッドに押し倒されてしまった。

ドスケベはどっちよもーーーーー!!!!!!


「くくっ…伊織にそれが出来て俺に出来ねえワケねえよな…?」

「けけ…景吾ぉ…重たい〜〜〜〜…!」


私の上に乗っかって、景吾が怪しげに微笑んだ。

超至近距離で見下ろす景吾の顔が、なんだかセクシーで…すごく、恥ずかしくて…。

適当に誤魔化そうと喚いてみたものの、きっと彼には何の効果もない。


「あーん…?サイズ測ってんだからジタバタすんじゃねぇ」

「やっ…あっ…ちょっとぉ…も……」


首筋に舌先を滑らせながら、私の胸に手を置いて、軽く揉みしだきはじめる。

私の小さい胸はそれでも敏感に、景吾の手に包まれると喜んだ。

そこまできて、突然動きをやめた景吾の手…。

あれ…?と思って景吾を見ると、彼は一言。


「うーんやはり………Aカップ……」

「なっ…!!なんですってぇ!?」


私は大きな声で、Bです!!と言いながら景吾を押しのけてキッチンへ向かった。

全く!!全く失礼な!!なんなのよ!!どうせ私はペチャパイよ…!!チクショー!!


「ははははっ!冗談だ伊織、そんなにキレんじゃねぇよ」

「景吾だってお粗末とか言われたら怒るくせに!」


「あーんなんだと!?当たり前だろ!!俺様が粗●ンなワケねぇ!!」

「そんなのわかんないじゃん!!本当は私がどう思ってるか知りもしないくせに!」


「あーん!?じゃあなにか!?お前今までそんなこと思ってきたのかよ!!」

「景吾だって今の…!!わ、私のことずっとペチャパイだって思ってきてたんじゃない!!」


「冗談だっつったのがてめーには聞こえなかったのか!!」

「あー!今否定しなかった!!冗談で言ってもペチャパイに変わりないって思ったんだ!身体的なこと言うなんて最低よ!!なによ自分はいい身体してるからってーーー!!」


「お前こそ俺様に質問に答えたらどうだ!!俺様がお粗末だと思ってきたのか!!」

「景吾こそ私の質問に―――――!!」


なかなか尽きることのなかったこの言い争い…5分ほど続いて、最終的にはケタケタ二人で笑いあった。

景吾と私は、いつもこうして、普通の恋人同士みたいに過ごす。

それが、とても幸せな時間…私と景吾、二人きりの、大切な…。





+ +





それから食事をして、部屋でずっとのんびりして…夜も8時を過ぎた時、景吾はシャワーを浴びてから、早速、私の手作りのパジャマを身にまとってくれた。くくくっ…と笑いながら。


「伊織…ほんっと…お前…こういうの下手くそだな…くくっ…」

「ひ…酷い…それでも頑張ったんだもん!」


「ああ…わかってる。着倒してやるよ、ボロボロになるまで。ま、この作りじゃそう時間は掛りそうにもねえけどな…?」

「ううううううううううぐぐぐぐぐぐ…」


本当のことだから、何も言えない…うう…。

でもなんだかんだ言いながらも、景吾は嬉しそうに笑ってくれていた。

景吾が今日ここに来てくれた時に、私が見せて欲しかったその笑顔で。


「お…今日は星が出てやがる…」

「わ…ぁ…ほんとだぁ!綺麗だねぇ〜…やっぱり…」


私の狭い部屋につけられている小さな小さなベランダに出て、景吾は空を見上げて呟いた。

私もそれに従って、景吾の隣に立って見上げる…都会では、なかなかお目にかかれない夜空に輝く星たち。

今日という日にそれが見れて、私はなんだか、空も景吾を祝福しているんだと思うと嬉しくなった。


「景吾…おめでとう…」

「あーん?さっきも聞いたぜ…?何回言えば気が済むんだよ…」


出てくる言葉とは対照的に、景吾の口振りは優しかった。

後ろから私をそっと包んで、こめかみにキスをひとつする。


「何回言っても気が済まない…景吾の生まれた日だよ〜?生まれてきてくれてありがとうって…何度も何度も思うよ」

「…ああ…今日という日に、俺様が跡部景吾として生まれて良かったぜ…」


「自分で言った…ふふ…」

「あーん?だってそうだろ…伊織に出会えた境遇も、伊織に愛されることが出来たのも、伊織と結婚できるという運命だったのも、全部俺が跡部景吾だったからだろ…?違うか…?」


さっきまでじゃれいたのが、ふと、突然大人の男の顔になって、真剣な眼差しで、真剣な口振りで、私を見つめる景吾…

私もその瞳に吸い込まれて、いつになく真剣に返していた。


「…違わない…景吾だから好きになったの…生まれた環境なんて関係なく…跡部景吾っていう一人の人として…」

「………俺もだ…伊織…愛してる…」


肌寒くなった夜空の下で私達は深く口付けた…唇を離してから、見詰め合って、またキスをして…そして景吾が耳元で言った。


「………サイズ、測りなおしてやるよ…」

「もう…Aじゃないんだからね……」


「俺様もお粗末じゃねーぜ…?あーん?」

「あははっ…ばーか…♪」




特別な場所に行くわけでもなく、私の部屋で過ごした10月4日…

それはきっと、場所や料理なんて関係なく、景吾も、私も…二人で一緒にいるということが特別だと感じているから。

だから辛くても、私が来てと言ったら来てくれた…もしかしたら、私がもう一時間でも我慢していれば、無理して来てくれていたのかもしれない。

そんなワガママで、家庭的なことも何一つ満足に出来ない私に、景吾は微笑んで抱きしめてくれる…Happy Birthday 景吾…

これから先、あなたの妻となって、あなたとの間に子供が生まれたら、あなたとお揃いでまた作るね、下手くそなナイトウエア♪




fin.



[book top]
[levelac]




×