夢ノ浮橋/緋鞠のお部屋 | ナノ

夢ノ浮橋

何処かであったかもしれない
“和”の物語撰集。


-註-

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緋鞠(@LeStorie_)


ああ、戸口にあの人が立ってゐる。
嫌だね、待ってよ、一寸お待ちったら。



 

夢路をさへに人は咎めじ

かぎりなき思ひの儘に夜も来む


花一匁

 時は泰平の世、江戸吉原に咲き乱れるは刹那の夢を売る宵の花。
儘ならぬ身を憂い、苦界の不条理のなかで藻掻きながら生きた娘たちの群像劇が、此処に幕を開ける───

花、一匁。今宵もまた娘が売られる。


まがき~登場人物紹介~ ≫閲覧

『五月雨の唄』≫閲覧
『松ヶ枝』≫閲覧
『花時雨』≫閲覧
『花のゑひ』 ≫閲覧
『朧月夜』≫閲覧
『ゆびきり』 ≫閲覧
『夜烏殺し』 ≫閲覧
『春告鳥の葬送歌』 ≫閲覧
『外題』 ≫閲覧
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当世浪漫玉章

 明治の御一新から早数拾年。帝都東京では華やかな異国情緒と古き良き伝統が混ざりあった新たな文化が生み出され、人々は遠く響く軍靴の音を聴きながらもこの世の春を謳歌していた。海老茶袴にセーラー服、ラヂオ、汽罐車、蓄音機。和洋折衷の街路を踏みしめ、開国期から第二次大戦までのめまぐるしい時代を駆け抜けた、「彼ら」の証を此処に。

その子二十 櫛にながるる黒髪の 
   おごりの春の うつくしきかな

与謝野 晶子


『旅に寄せて』 ≫閲覧
『千々に乱れて宵蛍』前編 ≫閲覧
『千々に乱れて宵蛍』後編 ≫閲覧
『びゐどろ』 ≫閲覧
『命短シ恋セヨ乙女』 ≫閲覧
『夕顔』 ≫閲覧
『タヰトル』 ≫閲覧
『タヰトル』 ≫閲覧
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あさひ燃ゆ

それでも、朝は来るのだと知った。

一九四弌年十二月八日、南の空に火の粉が降った。筆者が伝え聞いた話の中から、過酷な戦時を生きた彼らの掌編を、ひとつ、ふたつ。

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