新参者の行く末 |
気になった箱を開けてみて、一瞬にして箱から光があふれだした。 ローさんがいなくなってからの生活はあまりにも暗くて、その光のおかげで部屋が明るさに満ち溢れた。 そして、光の眩しさに耐えきれなかったわたしはそのまま目を閉じざるをえなかった。 〜新参者の行く末〜 一体ここはどこなんだろう。 目を覚ますとそこはどこかの森林の様な気がした。いや、森林なんて穏やかなものではない。これはまさしくジャングルというものだ。 「一体何が起こったの?」 どこ見渡しても、木、木、木!!!!!!!!!!!!! あたりはもう夜でとても不気味な雰囲気が漂っていた。 自分の身に起きたことを一向に飲みこめないでいると、後ろからガサガサと音がした。 びくっとして、いざ振り返ってみると、そこには見慣れない格好をした男の人たちが数人立っていた。 もしかしてこの人たちわたしを助けに… 「へへへ、いいねーちゃんじゃねーか。なんでこんなところにいるのかな〜?」 「ほんとだなぁ、ひひひ、今回は上玉とみたぜ。」 「これならボスも喜んでくれるんじゃねぇか?」 「ちげぇねぇ、ハハハハ。早く連れていこうじゃねぇか。」 来てくれたわけじゃないよね。 わかってますよ。わかってますよ。 わたしの小さい小さい脳味噌でもこの状況理解出来てきましたよ。 男たちの腰辺りにはピストルやナイフが見え隠れしていた。 どう考えてもここは日本なんかじゃない。 日本だったらとっくに銃刀法違反である。 じゃあどこ? アメリカ?ブラジル? いやいや、こんなジャングルに人がいるなんておかしい。 近づいてくる男たちは下品な笑みを浮かべながら、徐々に距離を詰めてくる。 まずい。このままではつかまってしまう。 そして、つかまってしまったらきっと奴等のいっていたボスとやらに…。 やだやだわそんなの考えたくはない。 しかし、わたしは恐怖でおびえることしかできなかった。 「怖がっちゃって可愛いねぇ。ヘヘヘ。」 「おい、ボスにやっちまう前に俺らも少しくらい遊んだっていいんじゃねぇか?」 「そうだなぁ、しばらく俺たちもやってねぇしなぁ、ハハハ。」 男たちはますます下衆な笑いをし合う。 "逃げろ" 本能がそう叫んだ気がした。 その声が聞こえたと同時にわたしは立ちあがって走り出した。 部屋にいたわけで靴なんて履いちゃいない。 靴下のままわたしは夜のジャングルをかけだした。 「追いかけっこかいー?お嬢ちゃん?」 「逃げようたって無駄だぜぇ〜?」 「大人しくつかまれよぉ〜。いまなら可愛がってやるぜ?」 冗談じゃない。 なんでこんなことになっているの。 逃げて逃げて逃げまくっても、所詮は男と女。しかも、体力なんてほとんどないに等しいわたしはあっけなく男の一人につかまってしまった。 「なんだい?追いかけっこはお終いかい?」 「なんだ、この女もう少し楽しませてくれると思ったのによぉ。」 「まぁまぁ、これからいっぱい楽しむんじゃねぇか。」 「っつ、誰があんたたちなんかに…。」 思いっきり睨みつけてみるがまったく効果はない。 「そんな顔したって無駄だぜぇ?」 「そうそう、男たちはそういうのにそそられるんだぜ?」 むしろ喜ばせてしまうだけだった。 手首を拘束されて、出来る抵抗など残っていない。 わたしに残された脱出法は 「だ、誰かーーーーーーーーー!助けてーーーーーーーーーーー!!!」 叫ぶ。 それだけだった。 わたしの声に驚いた男たちは一瞬身をたじろいだが、再び叫ぼうとしたわたしの口を汚い手で塞ぎ、腹にパンチをした。 痛いどころのもんじゃない。 一瞬息すらもできなかった。 「おい、黙れよ、女。」 「そうだぞ、何勝手なことしてくれてんだよ。」 「お仕置きは必要かな?」 あぁ、最後の手段もあっけなくこれで終わってしまうのか。 わたしはこんな見知らぬところでこの下品な男たちに犯されて殺されてしまうのだろうか。 もうひとあがきをしてみるがそれも無駄だった。 「ちょっと静かにしろよ、女。」 そういって振りかざされた手がわたしの頭に直撃する感覚がした。 あぁ、もう何もかも終わりだ。 わたしは自分の意識を手放すように目を閉じた。 目を閉じるほんの数秒。 ぐらつく視界の中でパイナップルとフランスパンが見えた気がした。 神様の意地悪と天に呟いた |
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