忍 series | ナノ
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「#甘甘」のBL小説を読む
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 本日、晴天。
今回の席替えで隣になったのは
奈良 シカマル だった。

*…*…*…*

窓際一番後ろ…
日当たり良好
寝てても先生にバレルことはない

そんなとてもよい物件のクジ番号38を
ひいたのはほかでもない私である。

クジ運が悪かったことはない。
強運なのか悪運なのか、
それは自分でも今一つ分からない。

「よう、これからよろしくな。」

話しかけてきたのは向こうからだった。
何て名前だっただろうか。

黒髪を一つにまとめてる人なんて
めったにいないから印象に残っているハズだと
思うが、残念ながら私の頭は記憶してくれていなかった。

人の名前を覚えるのは得意ではない。
むしろ、苦手な方だ。
記憶力が乏しいとかそういうわけではないと思う。
興味がない。
多分そんなところだろう。

実質、新しいクラスになって、前のクラスの人の名前などが
頭の中でぐちゃぐちゃに混ざってしまい
私の頭はもはやパンク寸前である。

それでもなんだか笑顔で挨拶してくれた彼は
なんだか不思議なやつだと思った。

第一印象:気さくな人だなぁ。

「え〜っと。こちらこそ。」

適当に返して机に突っ伏す。
いつもの私スタイルだ。

群れるのは苦手。

流行りのおしゃれだとか
恋だとか
かっこいいアイドルのことだとか
おいしいケーキ屋さんだとか
私にはまったくもって無縁だ。

そんな私の前の席に移動してきたのは
うずまきナルトだった。

「おぉ!澪が後ろだってばよ!」

「…ナルトが前とか寝れないじゃん。」

ナルトの名前は覚えている。
一年のころから同じクラスで出席番号が近いせいか
なにかとグループを組んだりすることがあったからだ。

「斜め後ろはシカちゃんじゃねぇか!
 よろしくなシカちゃん!」

シカちゃん…?
隣の人って男の人だよね?
え、もしかして、女の子だった?

「ナルト、変な呼び方すんじゃねぇよ。」

「だって、シカちゃんはシカちゃんだってばよ〜!」

「だってもヘチマもねーだろ。大体女みたいじゃねぇか。」

そうだよね。やっぱり男の子だよね。
ナルトめ。
あやうくだまされるところだったよ。

「ま、シカちゃんも澪もよろしくだってばよ〜!」

「おう。」

…zzz

「澪のやつ、もう寝てるってばよ〜。」

ゴメン、ナルト。
澪さんは眠いんです。


本日、晴天。


(この席の寝心地は最高です)

彼の名前がなんというのか少しだけ気になった。 prev|next
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