◎ 鳩が喋った…
はい、みなさんこんにちは。
ルッチさんのとこに居候している澪です。
そして、現在時刻4時。
カーテンを空けて無駄に広い部屋に光をいれます。
相変わらず無駄に大きい窓です。
ちなみに、天窓もあります。朝から直射日光がガンガンとさしこんできてます。
そして、うるさい掃除機の音で目を覚ました、無口で背が高くて、いかにもスーツの似合いそうな男。
まぁ、今はスーツじゃなくて…、
…言うのはやめとこ。
彼のキャラが崩壊してしまう。
「おい、お前、朝っぱらから何やってんだ?」
朝から機嫌悪そうだなこの人。
ほんとにネコみたいなんですけど…。
低血圧なんですかね?
カルシウムの摂取をオススメしておこうかな。
でも、何してるって…、見て分かんないのかな?
あ、ルッチさんって意外とアホ?
「今、俺のことアホとか思ったら殺すぞ。」
…訂正します。
ルッチさんはエスパーなんです。
いっつも、私の考えてることがばれちゃうんだよね〜。
なんでだろう?
「それは、お前が単純だからだ。」
…ほらね?
「そして、俺はお前に何でこんな朝っぱらに、しかも、掃除を、わざわざしているんだと聞いているんだ。」
「だって、私ルッチさんにお世話になってるのに何にもできないからせめて掃除だけでも…という、私の優しい優しい心遣いですよ〜?」
「完璧に嫌がらせだとしか思えないんだがな。」
「やだな〜ルッチさん。もう、照れちゃって!」
「いますぐ消えたいか?」
「ごめんなさい。マジでスライディング土下座で謝りますんで許してください!」
「ふん、その、スライデェング土下座とかいうものでも見てみたいな。」
「すいません、調子こきました。」
深々と頭を下げると、ルッチさんは気が済んだのか、
「分かればいいんだ。」
と、口端をあげて笑った。
私の性格的にいくと、
強いものには絶対服従。
ですからね。
私たちの関係はある意味主従関係でもあります。
ま、異世界から来て、無一文な私を拾ってくれて、居候させてもらっていますしね。殺されなかっただけ有難いと思うべきですね。だから余計に、ルッチさんに対して、そんなでかでかとした態度なんてとれませんよ。
ルッチさんがガレーラに仕事に行っている間にルッチさんの身の回りのこととか、出来れば少しでも恩返しになるかなとか、無い私の頭で精一杯考えた結論だ。
ハットリの世話とかも私がやれればいいかな…!!
「あ、ルッチさん、そういえば。ハットリのえさって何ですか?」
『なんでも食べるッポー!』
…
鳩が喋った…(今のは?)
(腹話術もしらねーのか。)
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