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 数学教師と、
テストの成績が悪く、放課後の数学準備室で一人、私はマルコ先生の補習を受けることになった。

「ほら、このプリントをやれ。補習用だ。」

「はーい。」

問題を解き始めること数分。マルコ先生に動きはない。

「先生、ここにずっといるんですか?」

「補習生徒を見張るのが今日の俺の仕事だよい。」

うっ。
このままトンずらしてしまおうと思ったがそうもいかないらしい。

「今、嫌な顔したろ?逃がさないよい?」

なんだその不適な笑みは。

私は気をそらすように先生に声を掛けた。

「先生?」

「なんだよい。」

「何でもないよい。」

「真似すんなよい。」

「真似してないよい。」

「…澪?」

「なんだよい?」

「…好きだよい。」

「好き……って、え?!」

「好きだ…、澪。ずっとお前だけが好きだったよい。」

「あの、ちょ、え?」

「今、俺を選べばこのプリントも免除だよい。」

「先生、私も大好きです!」


そのまま私は先生の腕の中にいた。



(欲しい君は無理やりにでも奪おうか) prevnext
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