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◎ 星に願いを…
今日は流星群が見られる
と、クルーの人に教えてもらった。
だから、
その夜私は
甲板にでて寝転んで、星を待っていた
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カツカツ…。
特徴的な足跡でいったい誰がきたのかすぐにわかった。
「よぅ、澪ちゃん。さがしたぜ。まさか、こんなとこにいるなんてなぁ。」
「ドフラさん、今日は流星群が見れるんですよ〜。」
そういうと、ドフラさんは、はぁ、とため息をついた。
私はドフラさんに拾われた身だ。
ヒューマンオークションにかけられそうになっていたところを、助けてくれた。
でも、もともとこの人の店だったということで、
なんだか、複雑な感じだ。
「また、あいつらが吹き込んだのか。
…ったく、お前はなんでおとなしくしてねーんだよ。」
「だって、星が見たかったんですもん。」
でも、なんだかんだいってドフラさんは私によくしてくれてる。
見ず知らずの私に。
最初は私もこの人を拒絶していたが、
今ではもう、それもなくなった。
「星ならいつでもみれんじゃねーか。」
そう言ってドフラさんは私と同じように甲板に寝転んだ。
「流れる星が見たいんです。」
「大して面白くもなんともねーだろ。」
「キレイじゃないですか!」
「ま、お前らしいっちゃ、らしいな。」
こんな会話をするようになったのも、実は結構最近なことでもある。
「俺としては、お前がやっと俺やクルーに心をひらいてくれんのがうれしいんだよ。」
「…なんか、スイマセン…。」
心を開けなかったのは、
やっぱり、
この人たちと自分が違うと感じてたからだ。
海賊と
一般市民…しかも、奴隷になりかけていたもの。
そこには、大きな壁があった。
「私、ドフラさんには感謝してますよ〜。
もし、あの時ドフラさんがいなかったら、
今頃私は生きていたのかもわかりませんからね〜。」
「フッフッフ、なら、良かった。俺も拾ってきたかいがあったぜ。」
そんな会話を繰り広げていた時だった。
・
・
・
「「あっ!!」」
二人の声が、暗闇にこだました。
「ドフラさん!!見ました?!
流れ星ですよ、流れ星!」
「久しぶりに見たがいいもんだな。」
「ほら〜!やっぱり、見てよかったんですよ!
…っくしゅ。」
「なんださみーのか?」
「いえ、平気です。ただのくしゃみですってわっ!」
私はいつの間にか、
ドフラさんのモフモフにくるまれていた。
「…あったかい。」
「フッフッフ、そーか。」
「ドフラさん、今度も流れ星、
一緒に見ましょうね。」
「フッ、それもわるかねーな。」
星に願いを
(できるなら、この時間を永遠に…)
あとがき
優しい感じのドフラミンゴも嫌いじゃない。
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