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「#幼馴染」のBL小説を読む
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 17:03の戯れ
強く手を引かれて入ったのは地学準備室だった。

荒っぽくドアを閉められ、器用にわたしの腕を拘束して、閉められたドアに強く押しつけられる。

「……っ、か、カカシせ「黙って。」

言葉を発してみるものの、あっけなくその口は彼の口によって塞がれる。

そして、その口づけは角度を変えて甘く深く溶けていく。

わたしはそれに応えることもしなければ、抵抗という抵抗もしなかった。
そう、まさにされるがままの状態だった。

しかし、そんなわたしにカカシ先生も容赦しなかった。わたしの舌を自らの舌で捕まえて、弄ぶようにして転がす。そんなことには慣れていないわたしは段々と腰が抜けて、足に力が入らなくなってくる。ドアに凭れて崩れ落ちそうになるのを、カカシ先生は腕の拘束を一つの腕にかえてもう一方の腕でわたしの体を支える。腰をグイッと引き寄せられて、距離は更に縮まる。

カカシ先生はわたしが彼に毒されていくがわかると、ようやくわたしから顔を離した。もちろん、わたしが逃げないようにって抱きしめられたままなのではあるんだけど。


そして、なぜ自分が今こんなことになっているのかいまいちわかっていない。なぜ、わたしは偶然廊下で出会ったカカシ先生に唇を奪われる羽目になったのか。多分、唇を奪われるだけでは終わらない。そんなことも自分の頭のどこかで浮かんでいる。こんな時なのに体とは逆に自分の頭の中がこんなにも冷静だなんてどうかしてる。


カカシ先生のキスですっかり自分の頬が紅潮したのが分かった。


初めてのキスなんかじゃないからわかる。
カカシ先生のは、ものすごくうまかった。


向き合ったままカカシ先生はわたしの瞳を覗き込むようにしてこちらを見ながら、マスクが外され、露わになった美しい顔で呟いてくる。

「ねぇ、あの男ダレ?」

「佐藤?田中?それとも鈴木?」

「全部。」

「クラスメイトと他クラスの人。」

「そうじゃないデショ?答えになってないヨ?」

「んー、友達?」

「それホント?」

「半分くらい。」

「へぇ〜。」

「逆に聞いていい?」

「いいよ。」

「何で、キス、したの?」

「澪がその男たちとヤってたのと同じ理由じゃないかな。」

「ハハ、そっか。」

嘲笑。
やっぱりね。そんな風に思われてたんだね。

先生はわたしのことを見ていないようでよく見ていたらしい。
けど、肝腎なことはわかっていなかったらしい。

「でもね、先生。一つだけ良いこと教えてあげるよ?」

「なぁに?」

「わたしね、まだ、バージン、だよ?」

わたしの言葉に笑うのは先生の番だった。

「ハハハ、冗談やめてよ。」

「冗談でこんなこと言うと思ってるんだ。あ、なんなら今試してみる?」

今度は先生が目を丸くする番だった。
でも、やっぱりそれは一瞬ですぐに余裕の笑みを見せて、わたしの顎を捉え柔らかくキスをしてきた。


「ねぇ、澪?俺のものになってよ?」


返事の代わりにわたしはカカシ先生の背中に腕をまわした。

17:03

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