ここはどこでしょうか。
ただ分かるのは見覚えのある風景と、×××。
「あぶっ…ちょ、なに…曽良くん…」
「すみません、無意識に殴ってしまいました」
「むむむむむ無意識!?これ無意識なの!?」
何回僕の事を恐れる言葉を吐いたって、僕から離れないあなたは、何なんでしょうね。
「今日はよく晴れてるねぽかぽか陽気だー」
「そうですね」
「私青空好きだよー」
そう言いながら日向に出て、くるくる回りだす。まるで子供のように。着物がひらひらと。
「それより、さっきから気になってたんですが」
「んー?」
「何であなたがいるんですか?」
くるくるまわるのを止めて僕に振り向いて微笑みながら言った。
「旅に出た曽良くんにはずっと会えていないからね、」
「でもずっと曽良くんのこと大好きだから、会いに来たの」
「ああ、なるほど」
僕のもとに寄って来た×××の頬に触れる。×××の体温を感じる。×××は僕の手の上に自分の手を添えて微笑んでいる。
「どおりで素直なんですね」
「僕に好きだなんて、いつも言わないじゃないですか」
朝日が襖から差し込む。惜しくも目を覚ましてしまった。
本当に会いたいのはどっちなのやら。