感情っていうのはもともと二つだけだったらしい。それはもっとも簡潔な感情―――快、不快。けれど気付けば私にも、複雑な感情がたくさん存在していて、嫌になる。
昔のように快か不快で物事を決めれたら、行動が出来たら、人を愛せたら―――。その二つの感情で今のこの気持ちを納得させるのなら、全力で臨也さんを嫌いになれるのに。






「いいじゃないか。そうでもしなきゃ×××ちゃんのこんな嫉妬した顔は見れないし」



「いい性格してますね。とりあえず換気していいですか」



「まぁまぁそんなことしないでさ、」



換気をしなきゃいつまでも知らない女性(たぶん臨也さんの信者さん)の香りがこの部屋に残ってしまうのに、腕をひかれソファーに座る臨也さんの膝に乗せられて、啄むようなキスをされる。そして徐々に口づけは深くなって、さっきまで在った暗くてどろどろした感情は消えていた。
でも私も欲張りな人間だから、今となっては次に次にと快楽を欲してしまう。だから臨也さんに子供みたくしがみついて、もっと深くとせがんだ。すると臨也さんもそれに応えて、長くいやらしく舌を絡められた。



「…んっ…」


「…今日の×××ちゃんは積極的だね」





まいったなーなんて言いながら服越しに押し付けられる臨也さんの熱に、私の下腹部は不覚にも反応してしまう。それでも自分はつい悪態づいて言ってしまうのだ。




「……っ…誰にでもそうなんじゃないんですかっ…?」



「へぇ、そんな風に見える?」



「…どうせさっきの女の子にだってっ」



強くソファーに押し倒されて私の服に臨也さんの右手がかかる。低い声で名前を耳元で囁かれて、臨也さんは私の首に痕を付け始めた。




「…んあっ…臨也さんっ…」



「可愛い×××ちゃんにいいこと教えてあげようか」





私の右手は臨也さんの左手と絡められて、さっきまで部屋に在った知らない匂いじゃない、私の好きな臨也さんの匂いに私は包まれた。















「×××じゃなきゃこんな貪欲にはなれないよ」













甘いうざやを書こうとしたらとんでもないざやになりました(ばばーんっ




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