テニプリ/跡忍







俺は知ってる。


あんたが俺と誰かの間を行き来してるのを。


俺は知ってる。


あんたの中にいる人物がもう俺ではないことを。





『この銃が狙うのは。』






「どこ行くん?」
ただ静かに。
目は手にある雑誌に向けて。
「・・・ちょっと、」
あんたは背を向けたまま。

2人で住んでいる大きな家から逃げるように出て行く。


バタン


ドアが閉まる音が、とても冷たく感じられた。

「・・・・・・ちょっと・・・どこ行くんさ」

俺の声はあんたに届く事はなかった。




「ン・・・ぁん、ゃッ」
ヤる事はヤッている。

あんたが帰ってくんのを、ただじっと待って。
あんたが抱いてくれるのを、ただじっと待って。

このときだけは、あんたは俺のモンやから。


「ぁ、とべ・・・ンッ」


名前を呼んでも、返って来るのはあんたの荒い息使いだけで。




俺は、とても貪欲で。


俺のもとに帰って来てほしくて、


欲しくて・・・。





「・・・忍足・・・?」



下からあんたに銃をつきつける。



「・・・ばーん・・・」






これがほんとの銃やったら、


あんたは俺のもとに帰って来てくれるやろうか?


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -