EVE/シンカヲ






真夏のある暑い日。
ボクは学校の屋上からグラウンドを見下ろしていた。

ボクの隣には渚くん。

誘ってもいないのに彼はいつもボクの後をついてくる。

「…暑いね…」

渚くんは空を見上げてそう言った。
暑いなら校舎に戻ればいいのに。

「…」

ボクは無言で屋上に置いてある古いベンチに腰掛けた。
ギッ…と音を立てるベンチ。
渚くんも当然の様にボクにつづいた。

日差しがキツい。


「…なんでついてきたの?」

ボクはベンチに座って遠くを見ながら渚くんに問いかけた。

「…え?」

渚くんがこちらを見る気配がした。
ベンチがまたギッと音を立てる。

「いつもボクについてくるよね。どうして?」

「…」

答えが返ってこない。



「…」


「…」


蝉の鳴き声だけがうるさい屋上で、
ただ暑い日差しに焼かれている。


ちらりと渚くんをみた。

いつもは涼しげな顔をしているのに、
今は首元が少し汗ばんでいる。



「…」


ボクは渚くんの首元をジッと見ていた。


「…好きとか嫌いとかいう感情は…よくわからないけど…」


汗が渚くんの白い肌を
音もなく流れる。


「…授業に出てるよりは…」


ふわっと風が吹いて、

微かに渚くんの香りがした。


ボクはゆっくり渚くんに近づいて、


「…ボクは、シンジくん…と…、…ッ!」


首元の汗を舐めた。

渚くんは少しビクッとしてボクを見る。


少ししょっぱかった。


「…ボクのこと、好きなの?」

ボクは顔を離して渚くんに問いかけた。

「……それは…」

渚くんはボクに舐められた首元を手で押さえながら答えに困るように視線を落とした。

「…じゃあ、ボクにこういうことされるのは…いや?」

ボクは渚くんのシャツのボタンを上から外し始めた。

「…、…」

渚くんは戸惑うようにボクに視線を向ける。
しかし抵抗はまったくなかった。




ボクはそのまますべてのボタンを外し、少し汗ばんでいる渚くんの白い肌に触れた。




――――




「…ッ、ぁ…ん…んぅ…あっ…」

ボクはベンチに渚くんを押し倒して、堅くなったモノを彼の中に押し込んでいた。

暑さにおかしくなってしまったかのように、ただ夢中になって動いた。




ギシギシとうるさいベンチと、


蝉の鳴き声と、


暑さと、


渚くんの声で頭がクラクラしてきた





「…こんなとこでヤッたら、日射病になっちゃうね…」

ボクは妙にハイテンションになっていた。

渚くんの首元に顔を埋めると、腰をさらに早く動かして絶頂に向かった。



ボクが渚くんの中に射精すると、

渚くんもぶるっと震えて射精していた。








ボクは手をベンチについて顔を上げる。

まだ抜いていないので、渚くんが少しビクッとした。









「…いやだった?」


「……、…え…?」



渚くんは肩で息をしながらボクを見上げてきた。

目にうっすらと涙が溜まり、
頬が赤く染まってる。



「…こういうことされるの…いや?」


もう一度問うと、渚くんは首を小さく左右に振った。



「…そう。……じゃあ君は、ボクのことが好きなんだよ…」



「……好き…?」



「うん。 君は … ボクのことが … 好きなの」


まるで暗示をかけるかの様に、渚くんの目を見てゆっくり話した。



「…」



「…」



汗が頬を伝って流れているのがわかった。



「……じゃあ…シンジくんは…」


ボクの下でおとなしくしていた渚くんが喋りだす。



「なに?」




この暑いのに、


屋上で一体なにをしてるんだろう。




「……シンジくんはボクのこと…好きなの?」




授業の終わりをつげるチャイムが鳴る。











「ボクは別に 好きじゃないよ」





渚くんに笑顔を向けた。






そのときの渚くんの顔といったら…


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -