EVE/シンカヲ






「おはよう、シンジくん」


教室の自分の席で
図書室で借りてきた本を読んでいた。
本から顔を上げると、
机の前に渚くんが立っている。

ボクの目は渚くんが持っていた何個かの小さな袋に行っていた。

ピンク色のリボンがついている物や、
赤いチェックのものなど
いかにも女の子が好きそうな
ファンシーなデザインだ。

ボクは訝しげに眉を寄せる。



「…あぁ、これ女の子に貰ったんだ」


ボクの視線に気づいた渚くんは袋を少し上にあげて見せた。



「名前も知らない子ばっかりだったけど、ボクの誕生日を知ってたみたい」



「…」



渚くんの誕生日って今日だったんだ。
9月13日ってことは乙女座か。


…似合わない。


ボクは視線を本に戻した。



「シンジくん?」


渚くんがそう言ったところで、教室に担任が入ってきて話は中断した。

(話なんてしてないけど)

渚くんはボクをちらりと振り返りながら自分の席へ向かった。


ボクが渚くんに目を向けると、
ファンシーないくつかの袋を鞄に閉まっているところだった。



「…」







昼休み中庭の木陰でパンを食べながら本を読んでいた。

9月13日なんてまだ暑いけど、
木陰は風が吹いてきて涼しかった。



「シンジくん!やっと見つけた…」


本から顔を上げなくても渚くんだとわかった。



「お昼一緒に食べようって言ったのに…」


渚くんはボクの隣に座った。

少し肩に日が当たっている。



「…」


手には朝見た袋があった。

渚くんに似合ってない
そのファンシーな袋。


「なんか食べ物があるみたいで……あ、クッキーだ…手作りかな」



「…」



ボクの前でプレゼントを開けながら渚くんがブツブツ言っている。
ボクは本をパタリと閉じてクッキーの袋から落ちてきた手紙らしき紙を拾った。



『渚カヲルくん、誕生日おめでとう
渚くんのお友達に今日が誕生日だって聞きました。
クッキーを作ってみたのでよかったら食べて下さい』



可愛らしい字で、
語尾にハートマークが書いてあった。

この子は渚くんが好きなんだ…

お友達…どうせトウジかケンスケあたりだろう。



「…」


クッキーを食べている渚くんに目を向けた。



「あんまりおいしくないなぁ…パサパサしてる」


渚くんがそう言うと、
ボクはすごくニヤけそうになるのを我慢した。



「…これあけてもいい?」



「いいよ」


なんとなく近くに転がっていた小さな箱を手に取った。



「…」




高そうなピアス…

赤い装飾品がついている。


片方だ。



「…なにそれ」


渚くんがボクの手元を覗いた。



「…」



これってつまり

告白って意味だよね。


たぶんもう片方は送った女の子が持ってる




最近はこんな告白の仕方するんだ…



「…つければ?」


ピアスを渚くんに渡した。



「…?」


渚くんはピアスを受け取って眺めている。



「ピアスだよ。耳に付けるの」



「耳に?嫌だなぁ…」


渚くんはピアスを袋に戻しながらそう言った。



「…」



クッキーを食べながら
渚くんは他の袋を開けだした。

中身はブレスレットやお勧めの文庫本や手紙などだった。



「…」



「こんなにいっぱい物をもらったの初めてだよ」



「…」





クッキーの袋に渚くんの手が伸びた。

ボクはその手を掴んだ。



「…シンジくん?」



「…」



渚くんの手が少し引いたけど
ボクは離さなかった。



「…?」



「…なにも用意してない」



「…え?」



「ボクはなにも用意してないよ」




手作りのクッキーも


ハートが書いてある手紙も


ファンシーな袋も



ピアスも。






掴んだその手をそのまま引っ張って
渚くんを地面に押し倒した。



「…ぃたっ、…ッ!!シ、シンジくん!」


ボクは渚くんのベルトを外し始めていた。

渚くんは少し抵抗していたが全然力が入っていない。
だからボクは無視をしてベルトを外し
ボタンを外してズボンを一気に下ろした。

中庭には誰もいなかったが、
ここは、校舎の廊下の窓から少し乗り出せば見える位置だ。



「ま、まってよ…シンジくん…」


ボクは渚くんの下着を下ろして
ならしてもいない彼のアナルに指を一本突っ込んだ。



「あぁあっう…いぅ、んんっ…」


裂けて血が少し出てきたが
気にせず指を増やして出し入れした。



「ぁっ…う、ぅあっ…んぅ…」




大分慣れたところで、
ボクは指を乱暴に抜いて自分のズボンを下ろした。



「ねぇ渚くん」



「…?」



「プレゼントをくれた子達がみてるかもしれないね」



「……、…」



少し不安そうに歪んだ渚くんの顔に
ボクは満面の笑みを送った。


そのまま渚くんの腰を掴み、
血が滲んでいる渚くんのアナルに自分のペニスを押し込んだ。



「あ、ぁぁああっあっあぅっ…んぁっあっ」


その勢いのまま
激しく出し入れする。



「…君にプレゼントを送った子達が、君のこんな姿を見たらどう思うかな?」



「ひぅ、ぁっあんっ、うぅっんっんっんんっ」



「…」


渚くんの前立腺を突き上げながら、
ボクはピアスの入った袋を掴んだ。


袋の中からピアスを取り出す。



「渚くん…」


ボクは動くのを少し止めて
渚くんの目の前にピアスを持ってくる。



「…ッ、……いらな、い…」



「どうして?」



「…いらない、よ…そんなの…」



「…」




「プレゼントなんていらないよ…」




「…」



クッキーは食べてたくせに。



ボクはピアスのキャッチを外し、
渚くんの左耳に先端を押しつけた。



「…シ、ンジく…」



「……そんなこと言ったら、女の子に嫌われちゃうよ」



そのまま

ピアスを持つ指に力を込めた。




「…ッッ!ぁあああっ!!」



ブチブチッと肌に穴があく音がした。

他人にピアッシングなんてしたことなかったし、したいとも思わなかったけど

この感触は癖になるかもしれない。



「……い、た…ぃよ…」


結構躊躇わずに刺したのに
耳からは血がダラダラと流れていた。

渚くんは少し涙目になって耳をおさえていた。



「…、」


渚くんのアナルがすごく閉まっている。

ボクは再び動き出した。



「ひぁっあぁっあんっんん、ぅあっ」


渚くんの身体がビクッとはねる。

下を見ると彼が射精していた事に気づいた



「…ピアッシングされた時にイッたの?」


ボクは突き上げ続けながら渚くんに問う



「ああっ…あっんぅ…あっあっ、ひ…あっ…」



もう快感で答えられないみたい。


耳を押さえている渚くんの手を退ける。
耳の周りが血だらけになっていた。

ボクは血が出ている耳をピアスごと口の中に入れて舌で舐める。



「ふ、ぁっん…んぅ、ひぅ…ぁ、あっ」


口の中に血の味が広がってきたので

ボクは興奮した。



渚くんの耳を舐めたまま、

腰をさらに激しく動かし


ボクは渚くんの中に射精した。













「…」



ボクはまだ渚くんに覆い被さったままでいた。

渚くんは失神している。


目元に涙の跡があった。




血が付いてしまっている赤い装飾品が付いたピアスをペロッと舐める。



「…、…」


渚くんが少し反応した。



「…」



「…」






「……やっぱり渚くんには似合わないね」






ファンシーな袋も



プレゼントも




ピアスも。







ボクは渚くんの胸に耳をあて、


目を閉じる。





涼しい風が渚くんの前髪を揺らす。






「…」






ピアスを付けた渚くんを見て


女の子が勘違いすればいいと思った。



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