EVE/シンカヲ






恋愛小説の様に切なくはなく、


官能小説のように甘くはない




ボクたちの関係は、




ただ近くにいると




触りたくなるだけ







ボクはずっと渚くんの後ろ姿を見ていた。

渚くんはボクが部屋に入ってきたことにも気がづかないほど読書に集中していた。

本は、
ボクが進めたくだらない小説。

よかったよ、なんて冗談で言ってみたら
渚くんは次の日本屋に行って買ってきた。

内容は若い男女が出会い、
恋愛し、
濃厚に絡まりあう、
いわゆる官能小説。



ボクは渚くんの後ろに立ち、
本をのぞきこんだ。


渚くんの白い肌が目に入る。


本を読んでいるから

俯き加減な目


後ろの髪の毛から


ちらりと覗く細いうなじ



「わ…、びっくりした…」

やっと渚くんがボクに気づいた。


「…」


「来てたんなら声をかけてくれればよかったのに…」


「…読んでていいよ」


渚くんはしおりをはさんで本を片づけようとしていた。


「…え」


「ボクその本途中までしか読んでないんだよね」



「…そう、なの?」



「うん。だから朗読して」



ボクは渚くんの隣のいすに座った。



「…え、でも…」



「早くしてよ。しおりはさんでるとこからでいいから」


「…」


ボクが少しイラッとした口調で言うと、渚くんは黙って本を開いた。


「…、」


「聞こえないんだけど」


「……『浩二と香織は、キスをしたままなだれ込むように部屋のベッドに倒れた』」

丁度官能的なシーンの様だ。


「『浩二の手が香織の服のボタンを…ゆっくりと外していく…』」

渚くんは少し詰まりながらできるだけ早口で読むようにしている。

ボクは片手で机に頬杖をつきながら黙って渚くんを見つめている。


「『やがて浩二の左手は、香織のふくよかな…、乳房、を…触り…』」


「…」


渚くんの顔に少しピンク色がさしてきた。

ボクは頬杖をついていない方の手で
渚くんの後ろの髪を触った。

襟足に指を絡め、

うなじを撫でる。


「…、…。『香織の、甘い声が…部屋中、に…』…」


「…どうしたの?続けて」


うなじから、手をだんだん下ろし

細い腕を触り、

腰を撫でて、

太股にたどり着く。



渚くんは少しピクッとしながらも
言われた通り小説を読んでいる。

「…『浩二のペニス、が…香織の…、…の…中に…』」


手が太股にたどり着いたときにやっと気づいた。
渚くんのペニスが堅くなっている。

ボクは少しニヤッと笑うと
イスから立ち上がり渚くんの背後に立って覆い被さるように抱きついた。

目の前にあったうなじに噛みつき、

右手は渚くんの服のボタンを外し、

左手は渚くんのペニスをズボンの上から撫でる。

「…ぁ、う…」


「だめだよ、ちゃんと読んで…ペニスはどこに入ったの…?」

渚くんのズボンの中に手を入れ、
堅くて、べちょべちょになったペニスを優しく撫でながら言う。

「…んぁ…ん……わ、…ぎな…」

「そう…それで?」

ボクは渚くんのペニスを擦る手を早めながら聞く。

「…ふ、ぅ…ぁ……それ、から……、それ、か……ぁんんっ」

渚くんは擦っているボクの手を掴みながら射精した。

「はぁ…はぁ…」

渚くんはボクの手を掴んだまま息を整えていた。

「…」


「はぁ……はぁ……」


「……ねぇ、ボクの話聞いてるの?」


ボクは反対の手で後ろから渚くんの腕を掴むと、イスごと彼を床に押し倒した。


「…っ、」


床に叩きつけられた渚くんの顔が痛みにゆがむ。


「まったく、渚くんは朗読が下手だね」


ボクは倒れたイスを足でどけると、
起きあがろうとしている渚くんを上から押さえつけてズボンとパンツを脱がしていった。



パンツのゴムにひっかかり、渚くんのペニスが揺れて出てくる。


自分のズボンも下ろし、
堅くなったペニスを出すと
慣らしていない渚くんのアナルへ押しつけ
ゆっくりゆっくりと挿入していく。


「…ぁっ、ぁああ…ぅう…ん…」

痛いみたいで、
渚くんの体は反り返って逃げようとしている。
ボクはそのまま腰を掴み逃がさないようにすると、
スピードは変えずゆっくりと奥へ進んでいく。


「…シ、ンジ…くん……ぃ、たいよ…」

ボクは渚くんの言葉を無視して奥までやっとたどり着く。


「…ふう。…ボクが読んであげるからちゃんと聞いて」

横に落ちていた小説を拾い上げると、
先ほどのページを探し渚くんの顔の横に置くと、
彼に覆い被さり小説を読みだした。


「…ぁん…ん、ぅ…」


「『浩二のペニスは、ぐちゃぐちゃになった香織の中を角度を変えながら何度も突き上げる』」

小説を読みながら渚くんの中に収まったペニスを少し動かす。

「…ぅ、ぁっ…んっ…んっ…」

「『香織の口からは普段のかわいらしい声とは違い、卑猥でいやらしい喘ぎ声が絶え間なく発せられる』」

「…はぁ…ん、あ…ぁ…」

渚くんの前立腺を突き上げながら、
ボクは小説を読むのをやめない。


「『浩二の興奮は次第に高まり、打ちつける腰のスピードも早くなる』」


「…ふ…ぁ、あん、ぁう…、んん…ぅ…」


「……渚くん、聞いてる?」


「…ぁん…ぅ…」

ボクが突き上げながら問うと、
渚くんはボクの服を掴み、目に涙を溢れさせながら小さく頷いた。

「そう。ならいいよ」

ボクは少し微笑むと、
突き上げるスピードを早めた。


「…ひぁ、ぁん…ぅ、あ…は、ぁ…」


「…ふ、…『浩二の激しい突き上げに、香織は腰を振り答える。しばらくすると、浩二が香織の中で射精した』…」

ボクはこのシーンを読み切ると、
小説を横に放り投げ、
渚くんの腰を掴んで激しく突き上げた。


「…ひゃ…ぁ、ん…は、ぁああっあああっ」


渚くんがボクの服を掴んだまま射精したと同時に、
ボクも渚くんの中に射精した。

渚くんは激しい行為で失神していた。



ボクは荒くなった息を整えると、


渚くんの中から萎えたペニスを抜き


服を着なおす。






放り投げた小説を拾い上げた。







「……やっぱり官能小説なんてくだらない」







ボクはそうつぶやいて、



床の上で
失神したままの渚くんの上に小説を置いて


部屋を出ていった。










官能小説

シンジただのセクハラ親父に…羞恥プレイ大好きです←


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