KB/祐悠







悠太が風邪をひいた


そういえば悠太ってよく風邪をひく


オレより身体弱いっていうか…


健康とか、
運動神経とか、

全部オレが持ってっちゃったみたいで。


まぁその分悠太はオレより頭いいんだけど…





「悠太…ヒエピタ持ってきたよ」

悠太が寝ている部屋に入る。
風邪がうつるといけないのでオレはずっとリビングにいたんだけど、気になって。


「ごほ…ごほ…」


「…」


オレは咳き込む悠太のおでこに貼ってある温くなったヒエピタを新しいのに変えてあげた。


触れなくてもわかる。


すごく熱い…


「…ありがと…」

悠太はうっすらと目を開けてオレの方を見た。


「…うん」


「ごほ…ごほ…」

苦しそうだ…



「…」



なんでか離れたくなくて
床に座って、悠太が寝ているベッドにもたれた


「…風邪…うつっちゃうよ…ごほ…」


「…うん」


悠太の言葉に軽く返事をして、
そのへんにあったアニメ雑誌を広げた



ぺらぺらとめくる



「ごほ…ごほ…」



新しく始まるアニメのコーナー



「はぁ…はぁ…」



好きなアニメのコーナー




「…ごほ……」



「…」





ふと悠太に目を向ける



「はぁ……はぁ……」


いつもは真っ白な悠太の頬が赤くなってる



「ごほ…ごほ…」


オレはなんとなく、

悠太の頬に触れた




「…」



「…?どうしたの…」



「…」



「…」



「…」



「……祐希の手…冷たい…」



「…気持ちいい?」



「……うん」



「……そう」





オレはそのまま



ゆっくり悠太に口付けた




押し付けるだけ



色気もなにもない




だけど、


離れなかった




「…」




しばらくして顔をあげると、


悠太が眠っていた




さっきまで苦しそうだったのに




「すぅ…すぅ…」




悠太の静かな寝息だけが聞こえる




悠太の唇をみた






口付けたときの


少し驚いた顔を思い出した




「…」




また元の位置にもどりアニメ雑誌をめくる






「………。」





顔が熱い







うつったかな…












君の熱



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