KB/祐悠





オレ と


  悠太 は、


いつでも一緒。




悠太が悲しいときは、
オレも悲しくなる。
悠太が苦しいときは、
オレも苦しくなる。

その反対も一緒。


最近、悠太はずっと悲しんでる。

今日のそれは、オレが体育の時間に倒れたのが原因…かな?


「大丈夫ですか?祐希くん…」

春が、保健室のベッドに横になるオレを覗きこんだ。心配そうな顔してる。

「まぁね。ちょっとビックリしたけど」

「俺はその数倍ビックリしたぜ…」

「オレのせいでゆっきー死んじゃったのかと思ったよー」

同じクラスの要と千鶴。

夜中、ずっと考え事してて最近寝不足だった。
ボケッとしてたそこへ、千鶴の打ったバレーボールが顔面直撃。

クラッときて、起き上がるのめんどくさくなって。
気付いたら保健室。

「まぁ千鶴のせいなのは間違いないけどね」

オレがそう言ったら、千鶴はうわぁん!って隣の要に抱きついた。
要は暑苦しい!と千鶴をひっぺがそうとするが、千鶴はガッチリ離れない。
もう千鶴の目的は変わったみたいだ。
それをあわあわと見つめる春。


悠太はと言うと、
ベッドから一歩離れた距離でオレの方を見ず、カーテンの下の方を見ている。

「…悠太?」

呼び掛けると、悠太はこっちを見た。

「…」

でも黙ってる。

「…もう大丈夫だよ」

「…うん」

でもまだ悠太は悲しがってる。


「もう大丈夫なんだったら昼飯行くか」

千鶴をひっぺがすのに成功したらしい要がそう言った。



みんなで屋上で昼飯を食べているときも、悠太は黙っていた。
元々無口なほうで、みんなの話を聞く役だけど今日は特別無口だ。
さすがにそれに気づいたらしい春がどうかしたのかと聞いていたが、悠太は別にと答えていた。

春がまた心配そうな顔してる。

どうしたらいいんだろう…




下校時刻。
いつもの5人で帰宅中。
やはり喋らない悠太。

先頭はぎゃーぎゃーうるさい千鶴と要。
その後ろにオレと春。
その一歩後ろに悠太。

「じゃあな!」
「ばーいばーいばーい」
「じゃあ、また明日」

要達とわかれて悠太と二人っきりになる。


「…」

「…」

二人になっても無言だ。


「悠太」

「…ん?」

「心配してくれた?」

「…」

「…」

「…祐希さ…」

「ん?」

「最近…眠れてないんじゃない?」

「え…」

やっと喋ったと思ったら。

「よく寝返りうってるし…」

みんなの事よく観察してて、小さな変化とか見逃さない悠太だから。
バレてたんだね。
その上心配までかけて。

「最近、祐希が悲しんでるのが伝わってきて…」

「…」


悲しい…?

…オレが…?


「悩みがあるなら…聞くよ…?」


最近、
ずっと眠らず考えてたこと。


オレは悠太が好き。

兄弟としてとかじゃなくて、

恋愛対象として。


いつからだったか、
気付いたら好きで。

ずっと好きで。
誰よりも、好きで。

悠太といると、
すごく安心できて。

でも、
悠太は男で、
ましてや兄弟で、

どうすればこの胸のもやもやをどけられるのかずっと考えてた。

「相談くらい…いつでも聞くから…」

「…!」


胸がズキッてした。
これはたぶんオレじゃなくて悠太の。


悠太が悲しかったのは、
オレが悲しかったから…

オレが、何も話さなかったから


なんだ、やっぱオレが原因かよ。



「オレね


悠太が好き。」


「…え」

「うん、やっぱ好きだ」

「え、なに…?」

話が見えなくなったらしい悠太は少しばかり戸惑っている。

「オレね、ずっと悠太のせいで悲しかったの。悠太のせいだよ?だから、なぐさめてね」

悠太の手をつかんでオレの方へ引き寄せ、がばっと抱きしめる。

「え、祐希…!」

悠太はビックリして少しもがいた。


もう絶対はなさないもんね


男同士とか、

兄弟とか、



少し赤くなった悠太の耳を見て、


オレが悠太の事好きなのと同じくらい

悠太もオレの事が好きなんじゃないかって


ほら、オレ達は双子だし。


今、胸がドキドキしてる。




たぶん これは、





僕と繋がってる君。


とりあえず双子は繋がってる的な
話を書きたかったんです…撃沈



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