最近はしょぼい依頼ばっかりで ほんと仕事したって気分にならない


銃弾が飛び交う危険な依頼なんてものは願い下げだが。







ちゃんとした依頼がないのもあるんだけど






なんていうか…
















「あぁ、平和だなぁ」


俺はいつものキリさんの酒屋でタバコを吸いながらダラダラとしている。


「…」


「あぁ…」


「うるっさいなぁ…写真の整理してるんだから邪魔しないでよ」

ミミがテーブル一つを占領して写真を広げている。


「なんだよ、いいネタでも入ったのか」


「おしえない」

俺が写真を覗き込むとミミはサッと写真を隠した。


「…クソジャリ」


「なに?」


「いや、なにも… …あーヒマだなぁ…」


俺はカウンターに戻った。


「なに、平和なほうがいいじゃない。戦いは嫌いだって言ってたでしょ」


カウンターの向こうからキリさんが話しかけてきた。


「そりゃそうだけど…一応仕事がないとねぇ…リザのばっちゃんも今はじっとしてろって言うし」


「あの子はどうしてるの?」


「あの子?」


「ほら…この前一緒に来てた銀髪の子」


「あぁ、ハイネ…」


どうって、……



「あってないの?」


「…うーん…」


首を傾げると、タバコの灰がカウンターに落ちた。

キリさんがタオルで落ちた灰を拭く。


「あ、ごめん」


「いいよ」





ハイネといえば、ここ一ヶ月くらい姿が見えなかった。


何をやってるんだか。



「…」










―――







「あっち〜…」


コーヒー一杯で4時間ねばっていたらミハイのおっさんにいいかげんにしろって追い出された。

店を出てきたはいいものの、行くとこもないし暑いしヒマだし。



「…はぁ」






つまんねぇ…











バタン


結局そのまま、地下(教会)にも行く気になれなかったので上で借りてる部屋に戻った。


「汗くせ…、…ん?」


部屋に入るとベッドの上に誰か寝ていることに気がついた。


あの銀髪は…




「ハイネ…」



何やってんだ…




「…んん…」


俺のベッドの上でいい夢見ちゃってるハイネは、

問いかけに反応はするもののまだ完璧に覚醒はしていない様子だ。


「…」



こいつにも色々事情があるだろうから何も聞きはしないが。



「…なんでここ知ってんだ…」




一ヶ月ぶりに見るハイネの顔をじっと見つめた。



気持ちよさそうに眠っている。





「…はぁ」



俺はため息をつくと、汗を流すために浴室に向かった。





―――




浴室からでてくると、ベッドの上にハイネの姿はなかった。

きょろきょろと部屋の中を見回してみたが、どこにもいない。


「…」


冷蔵庫の中にあった水をとりだしてベッドに座った。

テーブルの上にあるタバコを取る。


シュボッ…


「フゥ…」


タバコを銜えたまま、ベッドに倒れる。

ベッドはまだほんのり暖かかった。


「…」


なんだよ…



「…これじゃまるで……」



「まるで、何?」



独り言に返答があった。

俺はびっくりして体を起こそうとしたが、

相手の動きのほうが早く上に覆いかぶさられてしまった。

上にニヤニヤした顔で覆いかぶさっているのは、


「…ハイネ……」

「よぉ、バドー。ひさしぶり」


ハイネはそう言うと、俺が銜えているタバコを取り上げて灰皿に押し付けた。


「あ…、なにすんの!」


もったいない!と抗議すると、ハイネに片手を掴まれてベッドにグイッと押し付けられた。


そのままハイネは顔を近づけ、唇に噛み付いてくる。


「…ん、んぅ…ぁ…」


ハイネの舌がバドーの口の中に進入し、激しく口内を貪られる。

息苦しいとハイネの肩を叩くと、ハイネは口付けをやめて今度は首筋に吸い付いた。


「…は、…ん、…なんなんだよ…」


俺は自分の身体を愛撫しているハイネを見た。

ハイネは俺の呟きにチラッと視線を上げたが、また愛撫に戻った。

ハイネの手が服の中に入ってくる。

腹を緩やかに撫でられ、乳首を舐められた。


「ん、ぅ…は、ぁ…くそ…」


俺は自分の胸元に顔を埋めているハイネの頭をガシッと掴み、久しぶりに味わう快感に大人しく流されることにした。

ハイネの手がズボンの中にスッと入ってきた。

ゆるく反応を見せる俺のペニスを下着の上から撫でるように愛撫しはじめる。


「あ、ぅ…ん、んっ…ふ、ぅ…ぁ、」


俺が快感に腰を揺らし始めるとハイネはニヤッと笑って、風呂上りで眼帯をしていない右目に何度もキスを落とした。

なんだかくすぐったくなってハイネの肩を押したがハイネは動かず、右目へのキスを続けている。

いつの間にやらズボンも下着も奪われ、ペニスを直に愛撫されていた。

直接感じる快感に先走りが溢れ、俺のペニスもハイネの手もどろどろになっていた。


「なに、気持ちいの?」


わざとぐちゃぐちゃと音が出るように擦りあげながらハイネは意地悪く質問してきた。


「あってない間、一人でしなかったの?」


「んっぅっ、ぁん…あ、…るせっ、ぁっん、あっあっ」


そんな虚しい事できるか!

そう言ってやりたかったが、ハイネの野郎がペニスを擦る速さを早くしやがったのでそれも言えなくなった。

しばらくそのまま激しく擦られ、俺は絶頂に達した。

ハイネは俺の脚を大きく開かせ一ヶ月ぶりに使うアナルに指を伸ばした。


「ぅ、あ…っい、てぇ…ぁあっんっ」


痛いつってんのにクソハイネは気にせずにぐいぐいと指を突っ込んでくる。


…血でたら蹴飛ばしてやる。


ハイネの指は俺の前立腺を何度か擦るとスルッと出て行き、代わりにハイネの猛ったペニスがあてがわれた。



「ちょ、まてっもうちょっと馴らしてよ!」


このままいれられたら絶対痛いに決まってる。


「大丈夫だって。俺上手いし」


ハイネはにっこりそう言うとゆっくり体重をかけ始めた。

ぐぐぐっとハイネのペニスが俺のアナルに入ってくる。


「……ッッ、く、ぅ……ふ、ぅ、ぁ…」


「…ッ、きっつ…、は、最高…」


終わったら絶対殴ってやる…。

何が俺上手いしだ!痛い!

俺は文句しか浮かんでこなかったが、ハイネが動き出したのでそれを口に出す余裕もなく、ただ喘ぐしかなかった。


「あっあっ、んぅ、んっっい、ぁ…は、ぅ…んんっ」


最初こそゆっくり動いてくれていたが、ハイネの先走りで中が動きやすくなるとだんだん激しい動きに変わっていった。

奥の奥まで何度も入り込んでくるハイネ。

前立腺をぐりぐりと擦って、突き上げてくる。


「ひ、ぁ…ん、ぁん、ぅ、あっあっ、んぁ、っっ、ぅうっぁっ」


俺の身体は激しい快感に仰け反って悶える。

仰け反った首筋にハイネが吸い付いた。

首筋から鎖骨にかけて吸い付いて痕をいくつもつける。

突き上げる腰の動きがさらに早くなる。

ぐちゅぐちゅという卑猥な音がとパンパンという音が大きくなって部屋に響く。


俺はもう何も考えられなくなっていて、真っ白になってハイネに縋りついて喘ぎ続けていた。

快楽に支配された俺の顔は涙と涎にまみれて見れたもんじゃないだろう。

しかしハイネは愛しいものを見るかのように俺の顔を見つめて、口付けてくる。

ベッドに散らばった俺の濡れた髪の毛をかき集めて口付けを深くする。


「ううっふ、ぅ…んんっぅ、ぁ、んぅ、ぁっん…っ、っ…」


口の中を隅々まで舐められ、舌を吸い上げられる。

俺もその口付けに答えるように懸命に舌を絡めた。

するとハイネの腰の動きは大きくズンズンと押し込むように激しくなり、

前立腺を擦られ続けていた俺は耐え切れずに射精した。


俺が射精したときの締め付けでハイネも俺の中に射精した。

その衝撃で俺の身体はビクビクと痙攣した。







荒くなった息を整えていると、ハイネが俺の顔をじっと見ていた。


「…な、に…」


「さっきさ、なんて言おうとしたんだよ?」


「さっき…?」


「一ヶ月ぶりに会ったのに風呂から上がってきたら愛しの俺がいなくて、どう思ったの?」


「…っ」


こいつ、確信犯だ…!

ハイネの顔は今世紀ないくらいご機嫌だ。









あぁ、もう。最悪…


顔が熱い









「…、………、よ…」




「え?なになにー?」




「…ッだからぁ!」








勝手に一ヶ月もいなくなんなつってんだよ!









END




(寂しかったならそう言えよバドーたん)


(うるせー!こっち見んな!)




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テーマ「人外ファンタジー」
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