浄阿弥×紺之介








戦で敵の血を浴びる事など、

浄阿弥の背だけを見ている事など、

儂にはなんの魅力もない。






ただ今だけは…







もともと暴君だとか、絶倫だとは思っていた。
こちらのことなど考えもしない乱暴な交わりで何度腰を痛めたことか。

赤子を宿すことのないこの身体を一心不乱に貪るこの鬼、浄阿弥。

「…あっんん、…き、よっ、んっ、ぅん…ぁんっ…」

紺之介は目の前で揺れる赤毛を、ぼやけた視界に捕らえた。
畳に擦られた背の痛みなど蚊に刺されたようなもの。
浄阿弥と繋がる場所から舞い上がってくる快感に勝るものなど
どこにもない。
紺之介は快感に耐えるため、
自分の身体の下に申し訳程度に敷いてある浄阿弥の着物をぎゅっと掴んだ。

浄阿弥は首筋を舌で舐め、紺之介の太ももを片方掴み自分の肩にかけた。
そのまま紺之介の腰を横に向けたまま腰を激しく動かす。
何度も射精し、ぐちゃぐちゃになっている紺之介のペニスの亀頭に尖った爪をたて
快感を促す。

「ひ、…ぁ、んんっ…あっあっあっ、きよ…んぁっああっ…ふ、ぁんっ…」

激しすぎる律動に、浄阿弥に抱えられている脚が痙攣した。
紺之介の限界を悟ったのか、浄阿弥の律動はさらに激しくなり
ぐちゅぐちゅと厭らしい音と、
パンッパンッと紺之介と浄阿弥の尻がぶつかる音が大きくなった。

浄阿弥の鋭い爪が紺之介のペニスの尿道口をグリッと刺激すると
紺之介は高い声を上げて射精した。
射精したときの締め付けで、浄阿弥も紺之介の中に射精した。

浄阿弥が肩にかかっていた脚を下ろし、紺之介を見下ろした。
紺之介は達したばかりで荒くなっている息を整えていた。
頬がピンクに染まっており、いつも高慢でつり上がった眼も今は生理的な涙で潤んでいる。
身体もしっとりと汗ばみ
腹から脚にかけては、何度も出させた精液でぐちゃぐちゃになっていた。

「…おいキツネ、まだいけるだろう」

浄阿弥は治まらぬ興奮にまた腰を少し動かした。

「…んっ、……っ、……まだ、するつもりか、……ぁっ、んっんっ…」

浄阿弥は紺之介の返事も待たずに律動を始めた。
何度も中に出しているため楽に動ける。
ずちゅずちゅと卑猥な音も腰の動きと共に激しくなり、
紺之介は耳からも犯されている気分になっていた。

何度達しても満足しないこの鬼に付き合わされて、
もうどれだけの時間が経ったろう。
交わりを始めたのが夕刻。
日が陰り始めた頃だった。
辺りはすっかり暗くなり、月の光がとても明るい。

「あっあっあっんんっ、ぅあっ、ん…は、ぁ…ん、んぁっ、ぁっ…」

過ぎた快感に、もう身体も殆ど言う事を聞かなくなっていた。
先ほどまで着物を掴んでいた手はだらんと畳に投げ出され、
浄阿弥の腰に巻きつけていた脚も今は力なく揺らされているだけ。
紺之介の眼はただ前の赤毛を、銀の眼を映しているだけだった。

腰を掴んでいた浄阿弥の手が片方、紺之介の髪に絡まった。
前髪をがしっと掴み、頭を固定される。
そのまま浄阿弥の顔が近づき、唇を貪られた。
舌を入れられ、口内を好き勝手荒らさせる。
その間も激しい律動は続き、紺之介は息が苦しくなった。
しかし浄阿弥は開放するつもりはないらしく、
さらに腰の動きと口付けを激しくした。
ぴったりと密着しているのもあって、
浄阿弥の腹筋が律動と共に紺之介のペニスを擦り上げる。
「んっんっ、ふぅ、んっ…ぁ、んっんっんっんっ」

何度も交わっているのもあって、浄阿弥は紺之介の感じるところを理解している。
その紺之介が感じるところだけを激しく突き上げ、唇を貪り続ける。
いつの間にか射精していたらしく、
紺之介のアナルは痙攣しぎゅうぎゅうと浄阿弥のペニスを締め付けてきていた。
それでも律動は緩めず、紺之介の感じるところを突きまくる。
浄阿弥が口を開放してやると、紺之介は息を一気に吸い上げた。

浄阿弥は息を吸い込んで膨らんだ紺之介の鎖骨から乳首の辺りにかけて爪をたてた。
白い肌から血が滲んでくる。
浄阿弥が傷口に舌を這わせる。
血の臭いで興奮した浄阿弥のペニスは更に質量を増した。

「あぁ、んぅ、は…ぁ、んんっあっああっ…きよ、あ…ぅ、あ…ひ、ん…お、き…ぃ…っ」

紺之介は急に大きくなった浄阿弥のペニスに背中をしならせた。
浄阿弥はその浮いた背の下に片腕を入れ紺之介の身体を引き寄せ、乳首に牙をたてた。
紺之介の身体は牙をたてられる度にビクッと痙攣し、アナルの締め付けが強くなる。
それが愉快なのか、浄阿弥は何度も乳首に牙をたてては紺之介の反応を窺った。
紺之介の背にある方と逆の手は、
紺之介の尻に這わせ場違いなほどゆったりとした動きで片尻を撫でていた。

そろそろ浄阿弥も限界に近づいてきたのか、律動のペースが速くなる。
ばちゅばちゅと激しい突き上げが続き、紺之介は脚のつま先をぴんっと伸ばし腰を捩った。
浄阿弥はその腰を両手で掴み固定するとさらに奥をがつがつ責め立てる。

「あっあっあっあっ、ん、ぁっんんっふ、ぅっぁあっは、んっ…うぅ、ぁああっ」

浄阿弥に感じるところをピンポイントで突かれまくり、
同時に乳首にガリッと牙をたてられ、紺之介は背をしならせて射精した。
何度も出しているから、精液の色は薄くほぼ透明だった。
浄阿弥もまた紺之介の中に射精していた。

「…お前の中は最高だな、キツネ」

浄阿弥の顔もまた少し赤くなっており、汗ばんでいる。
そんな浄阿弥に見下ろされ、紺之介はこの上ない至福に囚われた。


― いつも戦場の敵しか見ていないこの浄阿弥が、儂を見て興奮している。
     あぁ、なんとうれしきことか。


「おい、締まっているいるぞ」

浄阿弥がニヤリと笑って少し腰を動かす。

「あっ…、ん…、浄阿弥…」

「なんだ、まだいけそうだな、紺之介ぇ」

ぎゅうぎゅうと、未だ締め付ける力が弱まらない紺之介のアナルに気をよくした浄阿弥は
額の汗でくっついている紺之介の前髪をするりとはがしてやった。
紺之介は眼を閉じ、浄阿弥の熱と指の動きを感じていた。






何度も交わって、

何度も絶頂まで突き上げられ、

満たされ、


そなたの指を感じて、

そなたの熱を感じて、



そなたの瞳を占領できているこの瞬間


この瞬間だけが、何よりも生きていると実感できる。

この世のすべてのものより、魅力的だ。




だから、この今を 終わらせたくはない




「…まだ、……まだまだ足りぬ、浄阿弥…もっとじゃ…」








もっと儂を、見つめていてくれ













END




テキスト書いたの久しぶりです。
もうとりあえず最初は欲望に忠実に、と801にしてみました←
楽しかったです。
こんな感じでこれからも801ます。




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