天才とあほ | ナノ




::理解できない行動
「みょうじ、今なんて言った」
『赤司征十郎、お前を絶対私に惚れさせてやる』

ドヤ顔でそう言ってくるコイツは、本物のアホなのだろう。俺はコイツの頭の中を一回見てみたい。興味がある。きっとコイツの頭の中には、脳味噌が入っていないに違いない。空っぽだ、おそらく。緑間も可哀想だ、こんなヤツに毎回毎回負けているなんて。

『おい、ちゃんと私の話を聴いているのか、赤司征十郎』
「ああ、聴いているよ。頭がわいてしまったから良い医者を知らないか、だろう? 俺の家が経営している大学病院に、腕のたつ医者が居るよ。紹介しようか?」
『死ね』

みょうじは俺にそう吐き捨て、忌々しそうに舌打ちをし、自分の席へと戻って行った。一体何なんだ、アイツは。
いきなり訳の分からないことを言って来たかと思えば、言いたいことを勝手に全部言ってそそくさと帰って行った。非常に迷惑なことこの上ない。

…ところで、彼女は確か、俺のことを一年生の頃から敵視していた筈だ。帝光中に入学したての頃、「私はアンタが気に食わない。だから絶対、アンタを跪かせてやる」と初対面のときに言われたものだから、悪い方の意味でよく覚えている。

読書を再開して、ちらりとみょうじの方を窺い見る。彼女は、周りにおかしな空気を漂わせこちら、正確には俺の方を睨んでいた。
教室にこのまま居たら、静かに読書を楽しめないようだ。原因は主に、みょうじのせいで。

「(…何故敵視している筈の俺を、惚れさせてやるなんて言ったんだ、みょうじは)」

大方、黒子が何かみょうじに吹き込んだのだろうが。

250526




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