短編 | ナノ

緑間姉と緑間と宮地と高尾


「あ、高尾くん。すみません、部活中に。宮地くんは居ますか?」
「…え」



「部活きちーなあ」なんて思っていたそのとき。おそらく上級生であろう女の人からいきなり声を掛けられた。しかも名指しで。え、俺この人知らねーよ?初対面なのになんで俺の名前知ってんの?俺そんな有名?
そうクエスチョンマークを大量発生させていると、女の人の姿を見付けたらしい当の本人の宮地サンが、「おー、なまえ。何か用か?」という言葉と共に俺の横にやって来た。え、何、宮地サンの彼女サン?この人?あれ、でも、なまえってどっかで…あ。



「ねね、真ちゃん、あの人真ちゃんのお姉ちゃん?」
「…うるさいのだよ、高尾」
「ほー、そう言うってことはそうなんだな。へー、あの人が。なまえサンって、宮地サンと付き合ってんの?」
「…もしそうだとしても俺が許さない」
「え、真ちゃんまさかのシスコン?シスコンなの?」
「うるさい黙れ」



真ちゃんが前、携帯電話に向かって、「なまえ姉さん」って言ってたからもしかして、って思った。ってか、あの真ちゃんがシスコンだったとは…新発見。なまえさんは、委員会の仕事か何かの話を宮地サンと数分話すと、こちら、正確には真ちゃんの方に笑顔で手を振ってきた。わあ、宮地サンの顔こえぇ。



「良かったね、真ちゃん」
「う、うるさい」
「顔赤くなってんよ」



やっぱシスコンなんじゃん。真ちゃん。

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -