2022's RECORD

澳門マカオに限らず、ギャンブルを資源とする観光地には、ピンからキリまで大小様々なホテルやコンドミニアムが存在するが、いずれの宿泊施設にも共通するのは、グランドフロアに両替のための窓口や機械が備え付けられていることだ。施設の大小によって生じる差異は、取り扱う外貨の種類の多寡程度。
スロットマシンもかくやあらん――違いといえば吐き出すモノの所有者・・・くらいだろう――、ホテルのグランドフロアにずらりと並んだ両替機に、初めてかの地を訪れた者は皆一様、まずその明け透けな拝金主義にあんぐり口を開けるのが通例だ。が、未明にはその恩恵・・に与あずかる具合。

日居月諸　張/BLACK LAGOON

実際、鏡台を背にした女の媚態ほど、美しいものもこの浮世に多くはあるまい。

めしあがれ　張/BLACK LAGOON

知れば彼女は感涙にむせぶに違いない。それとも信じられずに呆然とするだろうか。――互いが互いの欲であり、白璧の微瑕びか、互いが互いの瑕疵かしになり得うるのだということを。

鳥籠で欲望を飼い馴らす　張/BLACK LAGOON

なんのために生きるか、人生においてなにに価値を置くか、それらはわたし自身が決めることだ。

トリテレイア　ラブレンチエワ/名探偵コナン

「……お前はそれでいいのかよ、沙明」
「“イイ”も“ダメ”も、そもそもあいつが言い出したコト、てのお忘れ？　俺にゃ関係ねェじゃん。……そんでお前にもな、シピ」

他の誰かで満たせたら　沙明/グノーシア

途中で音を上げてくれるなよ、と声音だけは飄ひょうげた調子で、既に不埒な手は女の柳腰を這っている。潤んだ瞳が、こちらの顔を、そして付けたばかりの赤い痕をちらりとなぞり、欣々然きんきんぜんとしてまたたいた。

やわらかい硝子　張/BLACK LAGOON

「たすけて、だんなさま」

ずっとお城で暮らしてる　張/BLACK LAGOON

「そんな……そんなやさしいことおっしゃらないでください負けちゃうぅ……」
「ああ、ご安心ください。私が君に性衝動を向けることはないですからね。勿論、これを他の祈手たちと共有することもないとお約束します」
「安心できないのは自分に対してなんですが……」
「おやおや。そう自分を卑下するものではありませんよ。どんな欲求であれ、解消するのは恥ずかしいことではないのですから」

拍動のスプーン　ボンドルド/メイドインアビス

自明です。わたしたちは黎明卿、新しきボンドルド。
天体の本影までヒトだと判定されていましたなら、果ての見えぬ「なきがらの海」は今頃、積もる白い笛で水深を浅くしていたに違いないのです。

晨星落々　ボンドルド/メイドインアビス

複製を繰り返した結果、いまの「黎明卿ボンドルド」には白笛ボンドルドの声が届かないとするなら。
――もしかしたら、こうして完全に同期されている間だけ、外に現れず不要になった対象わたしの精神と、精神体たる「最初のボンドルド」は、意思の疎通が可能なのかもしれない、と。

ユリア／逢瀬　ボンドルド/メイドインアビス

まばたきを忘れたまま振り返る。いま殺した男が立っていた・・・・・・・・・・・・。

めまい　ボンドルド/メイドインアビス

ヒトひとりが抱えられる感情と記憶は、ヒトひとり分である。

つ　な　げ　る　ボンドルド/メイドインアビス

2022年字書き録つみ
(2022.12.30)

- ナノ -